植物の「立ち聞き」や「おしゃべり」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

130524endoumamenohana

 

 

植物の立ち聞き

今日は「立ち聞き」のお話をしましょうね。
といっても人間の立ち聞きではなく
植物の立ち聞きのことです。

 

植物の立ち聞き、といったら
どんなことを想像するでしょうか?

 

「立ち聞き」という言葉は
ふさわしくないかもしません。

 

 

 

 

やはりこれも昨日と同じような
「悲鳴やSOS信号を聞いた」、
あるいは「聞こえてしまった」と
いった方が正確なのかもしれません。

 

昨日は、植物が自分を食べる幼虫の天敵の
虫にSOS信号を出して自らの身を守っている、
というところまでお話しました。

 

今日は、傷ついた植物が出している信号を
まわりにいる植物も聞いているというお話です。

 

 

130617endoumame470

 

 

 

除虫菊に含まれるピレトリン(殺虫性物質)

この研究は、近畿大学の松田一彦教授
(昆虫制御化学)らの研究で
明らかにされたものです。

 

蚊取り線香でお馴染みの
除虫菊という植物がありますね。

 

 

jotyugiku 除虫菊

 

 

除虫菊には、ビレトリンという
殺虫性物質が含まれているそうです。

 

 

 

悲鳴を聞いてピレトリンをつくりだす

このピレトリンを合成することができる
除虫菊が虫に食べられて傷ついたとします。

 

すると傷ついた除虫菊の近くにある
除虫菊は、その個体自体は無傷であっても、
ビレトリンをつくる遺伝子の働きが高まる
ということを松田一彦教授らは発見したのです。

 

つまり、傷ついた除虫菊の悲鳴を聞いた他の
除虫菊が、防衛のために化学物質を活性化して
ピレトリンを作り出しているというのです。

 

 

 

 

 

他の植物も同様の反応

また、昨日の京都大学生態学研究センターの
高林純示センター長と山口大学の松井健二教授
(植物生理学)らとの実験で、

 

除虫菊以外にも同様の現象が
起こることを見つけました。
この実験はシロイヌナズナを使ったものです。

 

虫に食べられた個体を近くに置くと、
無傷の個体の「食害の防衛に関係する遺伝子
の活性」がたかまることがわかりました。

 

「食害の防衛に関する遺伝子の活性」という
言葉をやさしくいえば、植物が食べられそうに
なる時にだす化学物質が活性化されるということ。

 

これと同じことはリママメでも
起こることが確認されています。

 

 

siroinunazunaシロイヌナズナ(写真/「Wikipedia」)

 

 

 

信号を出す植物にとっては益はない

これらの意味するところは、傷ついた
個体が出す信号を、まわりの植物が
聞いているということに他なりません。

 

この時、傷ついた個体はその信号を出す
ことによって得られる利益は何もないそうです。

 

つまり「食べられてしまう植物が悲鳴のような信号
を出し、それを聞いた近くの植物が備えをする」
ということではないかと考えられているのです。

 

 【被害を受けている植物】

*「【近くの個体】
 → 被害を受けた植物の信号を立ち聞きする
    →  防衛に関わる遺伝子が働く

 

 

 

 信号の聞こえる範囲

それでは、その植物が出す悲鳴とも
いえるSOSは、どのくらいの範囲
まで届くのでしょうか?

 

 

ooyomogi03

ヤマヨモギ(オオヨモギ、エゾヨモギ)
(写真/「岡山理科大」)

 

 

それについては、アメリカや
ドイツでの研究があります。

 

その研究によりますと、植物に
よって範囲が異なるそうです。

 

マヤヨモギの場合、最初に傷ついた個体
から60センチ以内、ハンノキでは
約10メートル以内にある個体については
後からの被害が軽かったということです。

 

この仕組みは、上手に利用することによって
農薬に頼ることなく植物を虫の被害から
守ることもできると期待されています。

 

 

seitakaawadatisouセイタカアワダチソウ

 

 

 

根から出す科学物質でもコミュミケーション

また植物は、虫の害から身を守る以外
にも、化学物質を利用したコミュニ
ケーションをしているといいます。

 

それは主に根から化学物質を
出すことで発揮されています。

 

セイタカアワダチソウなどで
知られているそうですが「ここは
オレの領分だ。入ってくるな」、

 

というサインとして働いて、他の種類の
植物が進出するのを防ぐ現象です。

 

 

 

 

こんなふうに植物は
「助けを呼んだり」「悲鳴を上げたり」
「その悲鳴を立ち聞きしたり」
「ライバルを追い出したり」、

 

と、私達人間が想像もしなかった驚くべき
ことをしながら生きているのですね。

 

 

 

信号の受け取り方は、まだ不明

植物が化学物質によるSOS信号を「出す」
という驚くべき事実が発見されましたが、
植物がその信号を「どのように受取って
いるのか」については、まだよく
わかってはいないようです。

 

以前、お伝えしたようにイルカも
そして植物もおしゃべりをしているのですね。

 

イルカのおしゃべりも、植物のおしゃべり
にも人間が加わることができたなら……、
本当に素敵ですね!

 




スポンサードリンク



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください