「禁止することを禁止する」には及ばぬものの 「千駄木駅」の落書き

「あぷりのお茶会」へようこそ!

 

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東京メトロ、千代田線「千駄木駅」

今日は「赤坂駅」がある東京メトロ、千代田線の「千駄木駅」のお話。
「千駄木駅」は隣りの「根津駅」、また谷中とともに
「谷中・根津・千駄木」と東京の下町の風情が残る町として有名。

 

それぞれの頭文字をとって
「谷根千(やねせん)」ともいいますね。

 

もう随分前のことなのですが、その「千駄木駅」で遭遇した
落書きのことを今日は、是非聞いて頂きたいのです。

 

 

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規制の嵐の吹き荒れる中で

昔、読んだ本にこんなことが書いてありました。
1968年5月10日に勃発したパリの五月革命で権力者は
様々な規制、禁止を市民に押し付けてきたといいます。

 

それに対抗した学生運動のスローガンが
「『禁止』することを禁止する!」という言葉でした。

 

 

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この言葉はパリの街角に書かれたいたずらが書きだったそうですが
それを見た本の著者は、言葉にならないほどの感動を覚えたといいます。

 

(今日の話とは全く違うのですが、これを書いている2015年9月18日は
夜中の3時過ぎ、冷たい雨が降りしきる中、国会議事堂前からの
「強行採決絶対反対」「憲法守れ!」「戦争反対!」の声が止みません)

 

 

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丹後守は徳川綱吉の命で10万匹の犬を管理

と、こんなに格調の高い落書きを御紹介した後に
「千駄木駅」での落書きをお話しするのもなんですが。

 

前回は、赤坂の坂6で「丹後坂」を御紹介しました。
「丹後坂」の名前の由来は、坂の隣りに米倉丹後守の
御屋敷があったことから名づけられたということでした。

 

「丹後坂」が出来た当時の米倉丹後守は、犬公方で有名な
5代将軍・徳川綱吉に仕え、16万坪の野犬収容所で10万匹の犬を
管理した人でもあったということですので……。

 

 

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電車が「千駄木駅」に停車した時に

私は「千駄木駅」は何度も通っていますが
通りすぎるだけでほとんど降りたことはありません。

 

ある日の、夕方のラッシュにはまだ少し時間があるものの
かといって午後の一番人が少ない時間帯は過ぎ
人が少しずつ多くなりつつある頃だったと記憶しています。

 

椅子席は全て埋まって、立っている人が結構いる状態。
その時、立っていた私は停車した「千駄木駅」の
ホームを見るともなく窓から眺めていたのです。

 

 

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「木」→「大」→「犬」

思わず、駅名を書いたプレートに目が釘付けになりました。
「千駄木」という字の3番目の「木」という字の
真中のたて棒「|」が消されていたのです。

 

多分、誰かが削り取ったのでしょう。
「木」が「大」という字になっています。

 

その上、「大」の右上あたりに「ヽ」が加えられ
「木」という字は、「犬」に変身していたのです!

 

「千駄犬」!
「千匹の駄犬」!
私はもやは興奮の極地でした。

 

 

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千のdog!

ですが、そこで話は終わらないのです。
「千駄木」という下にはローマ字で「sendagi」とも書いてあります。

 

その「sendagi」の、最後の4文字の「dagi」も変化していたのです。
というか細工がしてありました。
もう、おわかりかもしれませんね。

 

「dagi」の最後の「i」は削り取られ、残った「dag」の「a」の
尻尾の「し」も削り取られていて、「a」は「o」になっていました。

 

はい、これで完成です。
ローマ字表記は「sendog」、「千匹の犬」です!

 

 

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文句なしの最高傑作!

「何か文句あるか〜!」と言いたいほどの誇らしさを
単に紹介しているに過ぎない私までが感じてしまう完成度、偉業です。

 

千の犬ならば「dog」に「s」がつくはず、
なんて細かいことはこの際、言っちゃぁいけませんやね。
「千(sen)」なんですから。

 

「千駄犬」「sen dog」……嗚呼!

 

 

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「目がくぎづけになりました」と書いてから
なんと無駄に23行も費やしてしまいましたが、この間、実際は十秒程。

 

私は、ぼ〜っとした頭に突然襲いかかってきた衝撃に眼を見張り
思わず声に出さないまでも(少し出した)笑ってしまいました。

 

私の前には女の人が立っていました。
私とほぼ向き合う形でいた彼女は、駅のフォームは見ていません。

 

ではありますが、私が思わず彼女の目を見て笑ってしまうと
彼女もわけがわからないなりに笑ってくれました。
いい人です。

 

 

 

実地検分

これは降りて確かめねばなるまい、と思っていたのですが
いつのまにか月日は過ぎて「千駄犬(sendog)」を確かめに
「千駄木駅」に降り立ったのは半年以上が経っていたと思います。

 

なんということでしょう!

 

その時には、「千の駄犬」、「sen dog」の姿は
もはや「千駄木駅」からは跡形もなく消え去っていたのです。

 

私は、心の中で悲しみにむせびながら叫んだのです。
「綱吉君と米倉丹後守に言いつけてやる〜ッ!」と。

 




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