現在のカヌレは最近できたお菓子?「ボルドー修道院生まれ説」への疑問

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ボルドー生まれで、現在日本で2度目のブーム

今日は前回と同様、ブーランジェリー ブルディガラ 広尾店
で買って来た「カヌレ」の御紹介です。

 

ブーランジェリー  ブルディガラでは「カヌレ  ボルドー」と
呼んでいるようですが、「カヌレ」の正式な名前は
「カヌレ・ド・ボルドー(cannelé de Bordeaux)」というよう。

 

ボルドーで古くから作られていたお菓子ということですので
「ブルディガラ(古いラテン語でボルドー地方を意味する)」
では外すことの出来ないお菓子でしょう。

 

日本では90年代に1度「カヌレ」のブームがあり
少し前から2度目のブームが始まったともいわれています。

 

 

Francebordeaux     ピンク色部分がボルドー地方(地図/googleに加筆)

 

 

 

「カヌレは修道院で生まれた説」は本当か?

ボルドーワインを作る過程で、発酵が終わったワインは働きを終えた
酵母が沈殿して澱となり、その澱を引く工程には卵白が使われました。
その時に余る卵黄の使いみちとして考えられたのが「カヌレ」でした。

 

「カヌレは、16世紀フランスのボルドー女子修道院(fr:Couvent des
Annonciades)で作られて以来、500年近く作り続けられていたお菓子」

 

というようなことが  日本語のWikipedia  は勿論、右へならへ
という感じで、ネット上の多くのものに書かれているのですが
少々調べてみてちょっと疑問に感じましたので記してみます。

 

 

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カヌレという言葉はガスコーニュ語から

まず「カヌレ」という名前ですが「cannelé」、「cannelet」、
「canelet」「millas-canelet」、「millason」ともいい、
16世紀頃には「canaule(カノール)」、「canaulé(カノーレ)」、
「canaulet(カノレ)」などとも呼ばれていたといいます。

 

これはフランス・ボルドー地方からスペインにかけて話されていた
ガスコーニュ語の、「canelat(柱の縦の溝、植物の茎の筋の
意味のcannelure)」からきた言葉です。

 

フランス語の「Wikipedia」にはガスコーニュ語の
「canelat」はフルートを意味するとの記載もあります。

 

 

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2つの伝説

「カヌレ」の発祥については「ボルドーの港から旅立つ船を記念
して生まれた」という説と、現在、日本で多くの人が書いている
「修道院で作り続けられていた」という説があるようです。

 

当時は「カヌラ(canela)」「カヌロン(canulons)」と呼ばれて
このお菓子は、現在の「カヌレ」とは全く違うお菓子でした。

 

薄いパイ生地が巻きつけられた細い棒状のものをラードで揚げた
お菓子ということで、これですと名前の語源が、ガスコーニュ語で
「フルート」を意味したということも多いに頷けるところです。

 

この写真はメゾンカイザーの「アリュメットセザム」ですが
現在より「n」の一つ多かった、当時の「カヌレ(cannelé)」は
フルートを連想させる、こんな感じのお菓子だったのでしょうか?

 

 

130315aryumetoメゾンカイザーの「アリュメットセザム」

 

 

 

修道院にカヌレ型はなかった!

このように現在の「カヌレ」とは全く違うお菓子だったことを
裏付ける決定的な証拠が、発祥の地とされる修道院の改装工事の
際に行われた、考古学的発掘調査の結果で見つかりました。

 

そこで発掘された多くのものの中に、溝がついているカヌレ型が
1つもなかったとことから、発祥の地ということに
疑問を呈されています。(「Wikipekia」)

 

また、ボルドー地方だけではなくリモージュ地方でも「canole」と
呼ぶお菓子があり、先ほどの細い棒状のものと同じお菓子だったそう。

 

しかし19世紀になると、一度「カヌレ」は
作られなくなってしまいます。

 

 

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20世紀に溝のついたカヌレ型の誕生

古いレシピに、ラム酒とバニラを加えて再び「カヌレ」が
作られるようになったのは20世紀に入ってからのこと。

 

この時にオリジナルの意味で「cannelé」の「n」をとった「canelé」
という現在の表記になり、形も溝のついたカヌレ型になりました。
溝のついていることは現在では「カヌレ」の特徴とされています。

 

フランスのグルメガイド、ゴー・ミヨの1970年版には
「カヌレ」は登場していませんが、1985年になりますと
カヌレ・ド・ボルドーというカヌレ職人の組合が出来ています。

 

ということから現在の「カヌレ」の誕生は「そんなに古いものではなく
かなり新しく出来たお菓子なのではないか」という人もいます。
*                 「オピウムのブログ」

 

 

160713canele      カヌレ「ブランジェリー  ブルディガラ  広尾店」

 

 

 

「カヌレ型」と「ミツロウを塗る」のが特徴

先ほど書きましたように「カヌレ」はカヌレ型といわれる
直径5〜6センチの「溝のついた」小さな型で焼かれるのが特徴です。

 

牛乳、ラム酒、バター、薄力粉、卵黄、卵白、お砂糖、などで作った
生地を半日ほど寝かせ、カヌレ型に入れてオーブンで焼くのですが
生地を型に入れて焼く前に、蜜蝋を型に塗るのも大きな特徴。

 

蜜蝋(ミツロウ、Beeswax)とは、ミツバチの巣を構成している
ロウを精製したもので、ロウソクを作る時にも使われるものです。
一瞬、食べても大丈夫なの?と思ってしまいますが勿論、大丈夫。
クスリのカプセルの材料としても使われていますよ。

 

 

rousokunousagi        ミツロウ(蜜蝋)で作られるロウソク

 

 

 

外側はパリパリ、中はしっとり

カヌレ型の材料はいくつかあるようですが、中でも銅製のものが
一番火の通りがよくパリッと仕上がるといいます。
熱伝導の良い銅製のお鍋は、卵焼きにも専用のものがありますよね。

 

他にはステンレスやシリコンで作られたカヌレ型もあり
シリコンのカヌレ型は温度調節が比較的簡単なのに対して
銅製は温度調整が難しいのだとか。

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA          銅製のカヌレ型(馬嶋屋菓子道具店)

 

 

ですが出来上がった味は、銅製で作った「カヌレ」には及ばず
しかも焼きたてならば最高の本格的な「カヌレ」が楽しめるそうです。

 

生地の中に含まれるお砂糖が、銅製のカヌレ型の中でカラメルに変化
しながらカヌレを包み、カリッとした香ばしい焼き色が生まれます。

 

この外側はパリッとして、中は反対にしっとり、もっちり柔らかいのが
不思議な食感ともいわれる「カヌレ」の大きな魅力で、ブランジェリー
ブルディガラ広尾のカヌレはヴァニラとラム酒の風味がほんのりします。

 

 

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保存は冷蔵庫、あるいは冷凍庫

この焼きたての食感は、買って来た当日にしか味わえないものです。
今のように湿度の高い梅雨時は「カヌレ」のパリッと感を保つのは
むずかしいので、家に着いたらすぐに冷蔵庫に入れるのがいいよう。

 

翌日に頂く場合はトースターで少し温めた後に冷ましてから頂きます。
これは冷めるにしたがって、外側のパリパリ感が戻ってくるから。

 

また、少々おきたい場合には冷凍庫に入れるのがお勧めとのこと。
意外なことに、冷凍庫から出して5分ほど自然解凍した
半解凍状態の「カヌレ」もおいしいのだとか!

 

 

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「温める  →  冷ます」でパリパリ感を

冷凍庫に入れた「カヌレ」をおいしく頂くには
1  自然解凍を30分位、
2  トースターで5分弱ほど温めた後、冷まして頂きます。
これは完全に冷めてからの方が、焼きたてのパリッと感が蘇るから。

 

先ほどの翌日に頂く時のように「一度温めて、また冷ます」ことが大切。
つまり温かい「カヌレ」を食べるのではなく、温めてから冷まし
カラメルのパリッと感を蘇らせるのが、美味しさの秘密なのです。

 

今日は「ブランジェリー  ブルディガラ  広尾店」のカヌレの御紹介
でしたが、やはり広尾駅近くにある「ル・パティシエ・ジュヴォー・
プロヴァンサル 広尾店」のカヌレもおいしいということですよ。
広尾でカヌレの食べ比べも楽しそうですね。

 




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