お城で渡されたカード うさぎからのメッセージ6 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

お城に間借り

何年前のことだったかは、はっきり覚えていないのですが
ちょうど今頃の季節に、お友達のS子ちゃんのいる
ロンドンに行ったことがありました。

 

幼い時にロンドンに引っ越したS子ちゃんは、大学入学前に
日本に帰ってきたもののその後、再びイギリスの大学に
留学し、卒業後もそのまま留まって仕事をしていたのです。

 

現在、彼女はロンドンで暮らしていますが、通っていた
大学はロンドンから車で数時間ほどの都市にあったので
彼女はそこで1軒のおうちに間借りをしていました。

 

 

          毛利庭園 六本木ヒルズ

 

 

 

マンションに改造したお城

彼女が間借りをしていたおうちは元お城だったマンション。
お城といってもディズニーランドにあるシンデレラ城の
ようなお城ではなく、四角い箱のような形のお城です。

 

そのお城には伯爵が住んでいたそうですが、伯爵が結婚をせず子どもも
持たなかっため、お城をマンションに作り替えたということでした。

 

1つのお城は20数軒分の家に分割され、S子ちゃんは
その中の1軒の、ネコを飼っているおうちで暮らしていました。
私はその元お城のマンション宛に、何度か手紙を書いた記憶があります。

 

 

       ミラーボーラーのツリー アークヒルズ

 

 

 

お城でクリスマス

マンションの住人で、S子ちゃん以外の日本人は
K美さんという女性がいたそうで、彼女は20数軒の
中でも、一番メインとなる大きなお家の奥さん。

 

日本人同士ということで、S子ちゃんはK美さんと
親しくなり、二人の交際はS子ちゃんが仕事の関係で
ロンドンで暮らすようになってからも続いていたようです。

 

そのK美さんの暮らすお城で、クリスマスを一緒に過ごさない?
とS子ちゃんに誘われたのです。

 

 

             東京ミッドタウン

 

 

 

家が1軒も見えない……

私はそれまで一度も行ったことはなかったのですが
小説で有名なその都市は、落ち着いた静かな町でした。

 

ロンドンから車で着いた時、辺りはすでに暗くなっていて
その時はわからなかったのですが、お城の建っている
周辺は、その建物以外には何一つない場所。

 

360度廻ってみても、1軒の家も見えません。
かといって山や高い丘のような起伏はなく、比較的平坦な土地が広がる
さまは、国外は勿論、国内旅行もしない私には初めて見るものでした。

 

当時、私はかなり騒音がひどい場所に住んでいましたので
このような静かな場所に暮らすのは夢のまた夢。
でも、あまりの静けさに少々の恐さも感じたほどです。

 

 

             六本木ヒルズ

 

 

 

ダイニングキッチンは元ステージ?

20数軒の中の1軒のK美さんのおうちはそのマンションではメインの家、
ということはお城だった時の主な場所を住居に改造したため、K美さんの
家の広さといったら、まさに「途方もない」と表現したいほどの広さ。

 

私たちが最初に通されたリビングは、心地よい薪の爆ぜる音が
時折する、いかにもヨーロッパという感じの空間でした。
何畳とか何十畳とかではなく、ただただ広いお部屋。

 

リビングの一部が少し高くなっていて、そこはダイニングルームです。
なんとこのダイニングルームはお城だった時は舞台だったそう。
リビングが客席ということで小ぶりの演奏会場だったということでした。

 

 


         ミラーボーラー アークヒルズ

 

 

 

人里離れた奥に住まう

S子ちゃんと私は地下にあるお部屋を寝室として使わせてもらい
ましたが、それぞれの部屋にあるベッドはクイーンサイズ。

 

その大きなベッドの、これまた大きなカーテンかと見紛う
シーツには、ピシッと音がするのではないかと思うほど
きっちりとアイロンがかかっていたのが印象的でした。

 

K美さんは、学校に上がる前の充分(?)やんちゃな男の子と
まだ赤ちゃんといってもいいほどの幼い女の子のお母さん。
そのK美さんがまるでホテルのような、ここまで行き届いた
寝具を用意してくれたことに、感謝とともに驚きもしたものです。

 

後でK美さんに、それを伝えた時の返事は
「専業主婦なのだから、そのくらいしなくては」とのこと。
まわりには1軒の家も見えないお城で暮らす、まさに「奥」さまでした。

 

 

              六本木ヒルズ

 

 

 

隅にポツンとあるグランドピアノ

私たちの寝室の他に地下にあったのは、これまたとてつもなく広い
遊戯室で、あまりに広過ぎて寒いため全てを見ることは出来ません。
また1階には、何百畳かの舞踏室もありました。

 

舞踏室の端と端にはグランドピアノがポツン、という感じで置かれて
いたのが印象的で、ピアノって日本の6畳間や10畳間に置くのではなく
本当はこんなふうに置ける場所にある楽器なんだよね、と妙に納得。

 

ちなみに舞踏室では、その当時は毎年、近所の方を
数百名招いた仮装舞踏会を開催していたようです。

 

 

            東京ミッドタウン

 

 

 

銀のスプーン

この大きなお城には伯爵と彼の母親の他には、彼等のための仕事をする
45人が暮らしていたと、着いた日にK美さんの夫・Pさんから聞きました。
K美さん夫妻に子どもが生まれた時、このマンションで最初に生まれた子
へのお祝いということで、伯爵から銀のスプーンが贈られたそうです。

 

お庭にある池は、ここで引き合いに出すのも場違いという気がしますが
私の通った大学のそれより芸術的ではるかに立派なものでした。

 

寒さが厳しかったために、お庭はあまり歩きませんでしたが
枯れた草がそのまま氷になった池は、いかにも英国の冬。

 

 


            東京ミッドタウン

 

 

 

自分のワイナリー

クリスマスの日、元はステージだったキッチンで
K美さんの夫のPさんは、お料理に腕を振るってくれました。
毎年、クリスマスは彼がお料理を作るようです。

 

私はメインのお料理に添えられていたお野菜がとても気に入り
名前を聞いたのですが、忘れてしまったのが残念。
見かけは白っぽいニンジンで、味はお芋系だったのですが。

 

彼のお手製のお料理を頂きながら、エリザベス女王のクリスマスの
スピーチをTVで聞く時の飲物は、彼が所有するブドウ畑で作ったワイン。

 

 

          ミラーボーラー アークヒルズ

 

 

 

人生を思いきり楽しむ

その後、ワイナリーは手放したとK美さんから聞きましたが
彼はクラッシックカーも数台所有しているということを
日本に帰ってきてから知りました。

 

帰ってきて少したった後、日本で発刊された雑誌の創刊号に
彼等一家が登場していて、その記事に書かれていたのです。
改めて彼等はお金持ちなのだと実感した次第。

 

Pさんは、特にお金持ちの家に生まれたというわけでは
なかったようですが、彼一代で財を築いたということでした。

 

とはいえ滞在時は、家があまりに大きく私のスケールを遥かに超えていた
ため、お金持ち云々には考えが及ばなかったというのが正直なところ。
存分に人生を楽しんでいることは感じられましたが。

 

 

             六本木ヒルズ

 

 

 

カードに書かれた「×」と「○」

K美さん一家からいただいたプレゼントに添えられていた
カードには、彼女と夫、男の子と女の子の名前とともに

 

「××」と「◯◯」が一緒に書かれていました。
私はS子ちゃんに聞きました。
「××ってなあに?」と。

 

するとS子ちゃんは教えてくれたのです。
「『 ×  』はキス、『  ◯   』はハグなのよ」と。
そうなんだ、へえ〜っと私は思ったものでした。

 

 

 

 

もっともこれは「×(バツ)」ではなく、「X(エックス)」のようです。
「  >  」が左の人の口、「  < 」が右の人の口で、二つが合わさってキス。
「  ○  」は手を広げて相手をハグする様子をあらわしているということ。

 

「マル」と「バツ(エックス)」が、「ハグ」と「キス」で
「hugs and kisses for you」ということなのだとか。

 

日本のヤフー知恵袋等には、これは女性だけが書くとか、特別な関係の
人同士でなければしない等々、ということも書かれている一方、
そんなことはありませんよ、男女共に普通の友だちにも使いますよとも。

 

おそらく後者なのでしょう、K美さん一家から私へ
贈られたカードに書かれていたということは。
単に手紙の最後に書く「Yours sincerity」「Lots of love」と同じようにね。

 

 

 

 

 

私からももちへ「 ○x○x○x  」

ぼんやりの私はすぐには思い至らずに、かなり時間がたってから
気づいたことなのですが、アレ(「ホントにももちが作ったんだよ」
って、コレのことだったのでしょうか?

 

ももちが私に残してくれたメッセージは
これだったのかもしれませんね。

 

大きな「X」に小さな「x」。
ハグの「◯」は木では作れないので「——」の形にして、
「hugs and kisses for you」。

 

私も、ももちへ贈りましょう「○x○x○x」、
「hugs and kisses for you」。
ももち、大好きだよ!

 




スポンサードリンク



コメントを残す