嗅覚障害と食欲 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

65歳以上の約半分、80歳以上の3/4に嗅覚障害

誰もが避けられない加齢ですが、加齢に
よる嗅覚障害は、視覚や聴覚に比べます
と、その変化はあまり知られていません。

 

ですが実際は、65歳以上の人の約半数、
80歳以上になりますと、約4分の3の人に
嗅覚障害が生じているといわれています。

 

本人が気づいていないことも少なくない
そうですが、これは脳の嗅覚の記憶が減少
した部分を補っているからだそうです。

 

ですのでそのような人が、脳の記憶機能が
衰えますと、においがないことをはっきり
と自覚するようになります。

 

 

 

 

 

「味と思っているもの」=「味」+「口中香」

前回のブログ「口中香   人間だけがもつ
嗅覚の2つ目のルート」
でお話ししたよう
に、食物の味は嗅覚抜きには語れません。

 

一般的に私たちが「味」と考えているものは
実は「味」+「口中香」で醸し出されるもの
で、嗅覚が大きな役割を果たしているのです。

 

 

 

 

嗅覚の衰えは食欲や栄養摂取に大きな影響
を与えて、実際、嗅覚が弱い高齢者ほど
痩せ気味で、病気気味だということです。

 

また、薬によって嗅覚障害が起きることも
知られており、降圧剤や抗ガン剤、抗生
物質により嗅覚が弱まることもあります。

 

薬の服用により、においを感じにくく
なったと思われたら、なるべく早く
主治医に相談した方がよいようです。

 

 

 

 

 

嗅覚脱失になると体重が増加する?

全てのにおいの感覚がなくなってしまう障害
に「嗅覚脱失」がありますが、嗅覚脱失にな
ると体重が増加することがあるそうです。

 

先ほどの、嗅覚障害になると痩せ
気味、病気気味になるということと
矛盾するようにも思えますが、

 

においのない食事に満足感が感じら
れずに食べ過ぎてしまい、結果として
体重が増加するというのです。

 

味覚に影響を与えている「香り」という
豊かさがなくなってしまうぶん、他のもの
「量」で補おうとするのかもしれません。

 

 

 

 

 

食事の満腹感・満足感は量と比例しない?

以前、アメリカで食事の環境により食事
量が変化するという実験報告がありました。

 

コーネル大学のブライアン・ワンシンク
教授らが、イリノイ州のファースト
フード店で行ったものです。

 

それによりますと、よりくつろいで食事
ができるよう環境を整えると、摂取カロ
リーが18%も減ったとのことでした。

 

 

 

 

その環境とは、照明と音楽を通常より
落とし、観葉植物を置き、テーブルクロ
スを使ってキャンドルを灯すというもの。

 

快適さに欠ける食事は、そのマイナス部分
を埋めるかのように、もしくは取り戻すが
如くに食物を多く摂取する傾向があります。

 

快適であればあるほど満足感があり
おのずと少ない量でも、充分に満た
された感じになるのでしょう。

 

食事をして感じる満腹感、満足感は
必ずしも摂取量と比例するものでは
ないようです。

 

 

 

 

 

人間の感覚は超繊細

人間は、空腹になると特に食物のにおい
に敏感になったり、満腹になると鈍感に
なるという傾向があるそうです。

 

また、断食中にはにおいの感度が著しく
増大したという報告もありますが、これに
関しては何と何となく想像できますね。

 

現在、加齢による嗅覚障害の治療法は
まだないようですが、毎日の食事に上手に
香料を取り入れたりする工夫も重要です。

 

特に最近は、ドイツで始められた嗅覚刺激
療法(嗅覚トレーニング)を行っている
病院もあるようですので、次回のブログ
で紹介しましょう。

 

 




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