「閾値(いきち)」 においがわかる地点

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嗅覚と味覚は「化学感覚」

人間の五感のうち、視覚と聴覚、
および触覚は物理的な感覚です。

 

それに対して嗅覚と味覚は、化学物質が
舌の上、あるいは嗅鼻腔に達することに
より、はじめて感覚が発生します。

 

「におい」は、常温で発生している
気体(ガス)が、嗅覚を刺激すること
によって感じる感覚のことです。

 

ということから嗅覚と味覚は
「化学感覚( chemical senses)」
といわれています。

 

 

 

 

 

においをもつ化合物は40万種類

現在、地上に存在する約200万種類と
いわれる化合物のうち、約40万種類
の化合物がにおいをもっています。

 

そのうち、人間が香料として使用
しているものは、800種類ほど。

 

私たちは「タバコのにおい 」と一言で
言ってしまいますが、タバコのにおい
には数千種類の成分が含まれています。

 

バラやチョコレートなど私たちが日常生活
で嗅いでいるにおいは、これらの化合物が
数十種類、あるいは数百種類集まったもの。

 

単一の化学物質で構成されているにおいは
学校の理科室や工場の薬品ぐらいのもので
日常生活の中には、ほとんど存在しません。

 

 

 

 

 

感知できる限界の濃度「閾値(いきち)」

最新の分析機器(ガスクロマトグラフィー
など)で調べてみると、においはたくさん
のにおい分子(化合物)で構成されている
ことがわかります。

 

どのくらいのにおい分子(化合物)が含まれて
いれば、人間がにおいとして感じることができ
るかは、それぞれのにおいによって異なります。

 

においとして感知できる限界の濃度
を、「閾値(いきち)」といいます。

 

 

 

 

 

「検知閾値」と「認知閾値」

非常に薄い濃度ですと、人間はにおいを
感じませんが、少しずつに濃くなってきて
ある濃度でにおいの存在を感じる地点を
「検知閾値(けんちいきち)」といいます。

 

そこからさらに濃度を濃くしていくと
においの特定ができるところがきます。
それが「認知閾値(にんちいきち)」。

 

検知閾値は「絶対閾値」ともいい
臭気対策に関して閾値という場合は
検知閾値(絶対閾値)をさします。

 

閾値は通常、濃度で示すことが多く
「%」や「ppm」という単位が使わ
れるのが普通です。

 

 

 

 

ごく薄い濃度では何のにおいも感じない

     ↓

何かのにおいを感じる
(においを感じる最小濃度)「検知閾値

     ↓

何の物質のにおいかわかる
(何のにおいかわかる最小濃度)「認知閾値

 

 

 

 

 

濃度の単位「%」と「ppm」の関係

「%(パーセント)」は100分の1ですね。

 

時々、目にする「ppm(ピーピーエム)」は
「 part per million(パーツ・パー・ミリオン)」
百万のうちに占める割合を示したものですので
「1ppmは、百万分の1」の濃度のことです。

 

 

「%」と「ppm」の関係

100%  = 1.000.000  ppm
10%    =  100.000 ppm
1%    =       10.000 ppm
0.1%    =    1000 ppm
0.01%  =      100 ppm
0.001%   =       10  ppm
0.0001% =      1  ppm

 

 

 

 

 

「ppb」と「ppt」

また、普通の人ではあまり目に
することはないかもしれませんが、

 

「ppb」は「part per billion
(パーツ・パー・ビリオン)」
で「10億分の1」を、

 

「ppt」は「part per trillion
(パーツ・パー・トゥリリオン)」
で「1兆分の1」を表します。

 

 

 

 

 

数ccで東京ドームに充満する物質

100万分の1や、10億分の1の濃度と聞いて
もなかなかイメージしずらいものですが
それほどの単位が必要なほど、微量の
においを人間は感じとるということです。

 

1億分の1、ということは10mの立方体の
中に1ccあるだけでにおいを感じる物質。
この程度のものは、結構たくさんあり
1兆分の1で、感じるものもあります。

 

アミルメルカプタンという、とても強烈
なにおいをもつ成分は、東京ドーム
(容積約124万㎥)にわずか数 cc 垂らし
ただけで、においを感じる物質です。

 

アミルメルカプタンは閾値の
低い物質であり、その閾値は
0.00000078 ppmとされています。

 

 

 

 

 

ヒトは分析器機よりも高感度?

アミルメルカプタンほどではないに
しても、人間はごく薄い濃度でも
においを感じとることができます。

 

カビ臭であるジオスミン、糞便臭である
スカトール、魚の腐敗臭といわれる
トリメチルアミンに関しても同様。

 

ガスクロマトグラフィーなどの最新の分析
器機よりも人間の方が、高感度ににおいを
検出することができるということです。

 

においが強く、薄い濃度でも感じる
ことができるといわれているものは
一般的に分子内に、

 

硫黄(S)を含む化合物
窒素(N)を含んでいる化合物
アルデヒド基をもつ化合物

 

といわれています。

 

人間の感覚内で嗅覚は、飛び抜けて
敏感な感覚であることは間違いない
でしょう。

 




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