「悪臭」 人にとって危険なものは基本的に悪臭で低閾値

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

コーヒーの香りも人によっては悪臭?

嗅覚によって感知されたにおいを
大脳が識別することで、私たちは良い
においか悪臭かを判断しています。

 

よいにおいが心理的、あるいは
生理的に人体に良い影響を与える
ことはいうまでもありません。

 

とはいえ、1つのにおいを全ての人が
同じように感じるとは限らないようで
私の知り合いには、コーヒーの香り
が苦手な人もいました。

 

コーヒーの香りがする場所を、通勤
で毎朝通るのが苦痛だと言っている
のを聞いて、驚いたことがあります。

 

 

 

 

 

「香害」も公害

香ばしく食欲をそそられるパンの焼ける
においも、毎日、何時間も嗅がされている
と悪臭のように感じられるともいいます。

 

ほうじ茶を煎るえもいわれぬ香りや
コーヒーの焙煎も同様で、悪臭の
苦情対象になっているということ。

 

たしかに、短時間ではよいにおいで
あっても、それが長時間延々と続くと
なれば、話は別なのかもしれません。

 

また「香害」ともいわれるように、嫌いな
香りは香水であっても疎ましいですし
たとえ好きな香水でも過剰では不快です。

 

数年前に初めての入院をした時に
シーツ等が(多分洗剤につけられている
香り)すごいにおいで辟易しました。

 

 

 

 

 

人に危険なものは基本的に悪臭

一方、悪臭といわれるものは例外を
除いては多くの人が悪臭という認識
で一致するようにも思えます。

 

人の生命を脅かす危険のあるものから
発生するにおいは、基本的に悪臭で
あり、低閾値の物質が多いです。

 

(「閾値(いきち)」とは、においと
して感知できる限度の濃度をいいます。
「『閾値(いきち)』においがわかる地点」)

 

低閾値ということは、ほんのわずかな
においであっても感じるということ。

 

 

 

 

 

このにおいがしたら「逃げる!」

それは、太古から人間が生きていくため
に嗅ぎ分ける必要があったにおいである
ことを意味します。

 

例えば、嗅覚閾値が「0.0015 ppm」と
いう「アセトアルデヒド」は、「焦げた
におい」の代表といわれるにおいです。

 

山火事が発生したことが、このにおい
でわかると、大昔の人々はすぐに逃げ
身を守ることができました。

 

 

 

 

 

「食べちゃダメ」の腐敗サイン

「腐った卵のにおい」である「硫化水素」
は閾値が「0.00041 ppm」ですし、

 

「腐った玉ねぎのにおい」の「メチル
メルカプタン」は「0.00007 ppm」、

 

「腐った魚のにおい」である「トリメチル
アミン」も「0.000032 ppm」と低閾値です。

 

というように腐った食物を食べてしまわ
ないように、低閾値で腐敗に気づくこと
ができたのです。

 

 

 

 

 

におい物質  想起するにおい  嗅覚閾値
____________________
アセトアルデヒド(焦げ臭) 0.0015 ppm

硫化水素(腐った卵)       0.00041 ppm

メチルメルカプタン
  (腐った玉ねぎ)         0.00007 ppm

トリメチルアミン
   (腐った魚)         0.000032 ppm

スカトール(糞)           0.0000056 ppm

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

 ベンゼン         2.7 ppm

 アセトン       42 ppm

 ジクロロメタン     160 ppm

________________________________________________

(日本環境衛生センター 永田好男氏のデータ)

 

 

 

 

 

「カビかな」、「獲物がいそう」

「カビのにおい」といわれる「ジオスミン
(ジェオスミン)」の閾値は「 0.0000065
ppm」ですが、こちらも同様です。

 

「糞のにおい」といわれる「スカトール」
も「0.0000056 ppm」と低閾値。

 

その理由は、狩猟をする際に、人間はこの
においを察知して獲物を得ていたからと
いうことです。

 

 

 

 

 

比較的高閾値の理由

一方、芳香族炭化水素で石油化学製品
の基礎原料、溶剤等に使用される
「ベンゼン」の閾値は「 2.7 ppm」、

 

水にもほとんどの油脂にも溶ける有機
溶媒であり、マニキュアの除光液にも
なる「アセトン」は「42 ppm」、

 

アルコールやエーテルに溶け、水に
溶けない金属機械の油脂を洗浄する
用途で多用されている、うすめ液の
「ジクロロメタン」は「160 ppm」。

 

これらの化学物質は、閾値が比較的
高いものですので、濃度が高くなけ
れば、人間はあまり感じません。

 

それは、大昔の人がこれら石油系の
においを嗅いだことはなかったからと
いう、言われてみれば納得の理由です。

 

そんな大昔の記憶はないのですが
人間は体(脳?)に記憶している
のですね。

 




スポンサードリンク



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください