「稲妻模様」と「雷模様」は別の模様 「稲穂」溜池山王駅(南北線)アート7 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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溜池山王駅アート「稲穂」

実を結んで重たく頭をさげている稲穂の右上に
あるのは、「鳴子(なるこ)」ですね。

 

稲穂を食べるためにくるスズメを追い払うものです。
案山子と同じような役目でしょうか。

 

今日の作品も、京都の茂山千作家所蔵の肩衣。
「稲と鳴子文様肩衣」。

 

 

forkedtwistedlightning-dv185052b-tn(写真/「ナショナルジオグラフィック
公式日本語サイト」)

 

 

 

稲妻模様の唐織り(能装束)

このピカピカッと、夜の暗い空が一瞬明るくなる
ほどの稲妻を、模様にしたものが次の小袖です。

 

これは昨年の東京ミッドタウンでの
サントリー美術館で開催された
「毛利家の至宝展」でも陳列された能装束です。

 

 

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「萌黄・紅地唐織山道菊・桐紋片身替小袖
(もえぎ・べにじからおりやまみちぎく
・きりもんかたみがわりこそで)」
(写真/「サントリー美術館」)

 

 

この唐織りの名前には「山道」という
言葉が見えますが、これに関しては、
このような説明がありました。

 

「山形を横に連ねた稲妻形を地文様とし、
そのうえに様々な色糸で菊紋と桐紋を
織りあらわしている。」

(戦国ふぁっしょん武将の美学「徳川美術館」)

 

豊臣秀吉が毛利輝元(1553〜1625)に
与えたと伝えられている能装束の唐織の
小袖で、桃山時代の代表的な唐織りです。

 

カミナリとイナズマといいますと
何となく同じようなものと思ってしまい
ますが、「稲妻文様」と「雷文様」とは
厳密にいいますと異なっているようです。

 

今日のジグザグジグザグが「稲妻文様」です。

 

 

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雷模様の陣羽織(歌舞伎衣装)

次の写真は、歌舞伎の衣装で陣羽織です。

 

「黒地雲竜稲妻文様」という名前で
「稲妻」と表現されていますが
こちらが「雷文様」だということです。

 

あえてたとえれば、稲妻はジグザグ模様、
雷は四角いかたまり模様でしょうか?

 

 

p_b(写真/「千束屋の歌舞伎衣装とその意匠Ⅱ」)

 

 

 

「稲妻」=「稲」が「妻」

なぜ、今日は「溜池山王駅アート」の「稲穂」
の紹介なのに稲妻の話ばかりしているのかと
いいますと……、稲の夫が稲妻だからなのです(?)。

 

10年以上前だと思いますが
日本の文様の本を読みました。

 

その本の中に、今日のジグザグジグザグ
の稲妻模様も出てきてそこで、
私は初めて気づいたのです。

 

それまでは、小さい頃から「イナズマ」と
いう言葉は使っていますが、その言葉の
意味など考えたことがありませんでした。

 

 

 

 

「稲妻」さんとは、「稲」が「妻」
である人(?)という意味です。

 

つまり「ヒラリー妻」さんは、
「ヒラリー」が「妻」である人=クリントンさん
という具合にね。

 

昔は、イナズマがよく鳴る年は稲が
豊作になるともいわれていました。
そこで、「イナズマ=稲が妻」という
名前になったのだそうです。

 

とここで全然関係ないことが嬉しいのですが、
今日のブログには狂言の装束・能装束・歌舞伎
の装束と三つが揃いました!

 

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