マロングラッセは栗で作っていなかった? マロングラッセ「フタバ食品株式会社」

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随分前に買ったのですが 

今日の写真の「マロングラッセ」は
かなり前に、赤坂店ではなく青山一丁目店
の方の「やまや」で買ったものです。

 

御覧になっておわかりのように
形がきちんとしていないブロークンタイプ。

 

このタイプのものは何度か買ったことは
あるのですが、今回、はじめてフタバ食品
株式会社のサイトを見てみると、

 

この「マロングラッセ」は
イタリア産の栗でできているそうです。

 

 

f5bc640934ee6913909f618523bd783a-270x200ニンジンのグラッセ

 

 

 

ニンジンのグラッセと同じ「グラッセ」

「マロングラッセ」という名前の
後半の「グラッセ」とは、フランス料理
で使われる言葉ですね。

 

本来は、凍らせる、冷やすという意味
だそうですが、凍らせたり冷やしたりすると
表面がツヤツヤするからでしょうか、
つやをつけるという意味もあるそうです。

 

そういえば付け合わせに使うニンジンなど
のお野菜を、バターとお砂糖などで煮たものを
ニンジンのグラッセ、と呼んだりしますよね。

 

つまり「マロングラッセ」は、ニンジンの
グラッセのグラッセ、と同じ意味なのです。

 

 

 

 

 

マロンはマロニエの実

「マロングラッセ」の「グラッセ」のもう一方の
「マロン」については、もう説明の必要もなく
栗のこと、と思いますよね?

 

ところが、「マロン」については
少々ややこしいようです。

 

フランス語では本来、
マロン(marron)」は
マロニエの実を指す単語でした。

 

 

P1130831-270x200マロンの実がなっているところ
(写真/「初・海外がさがさ団!」)

 

 

マロニエは、トチノキ科トチノキ属の
「marronnier セイヨウトチノキ」。

 

マロニエになる実がマロン
葉っぱはこんなふうな感じね。

 

 

pyumeori89706マロニエの葉(写真/「夢織」)

 

 

 

 マロングラッセは
マロニエの実(マロン)でつくっていた

もともと「マロングラッセ」はマロニエの実、
マロンで作っていたといいます。

 

ところがマロンはアクが強くて
アク抜き作業が大変でした。

 

(といいますか、アクがとても強いもの
だからこそ、何日もかけてシロップを
浸透させる「マロングラッセ」が考え
られたともいえるのかもしれませんが)

 

 

asa0504_3フランスのクリ(シャテニエ)の花
(写真/「月刊・朝比奈ふらんす語」)

 

 

 

マロンのかわりに、クリ(シャテーニュ)を
代用し、マロンと呼ぶことに

そこで、マロンで作っていた「マロングラッセ」を
フランスのクリで代用するようになったのです。

 

フランスのクリの実は、シャテーニュ、
木はシャテニエ(châtaignier)というようです。

 

シャテニエになる実が、シャテーニュ。

 

 

huransunokuri フランスのクリ
(写真/「super  toinette」)

 

 

こちらはブナ科クリ属の木です。
「châtaignier、ヨーロッパグリ」。

 

こちらのクリは、日本のクリと
そっくり(←シャレではない)。

 

本来、マロニエの実のマロンで作っていた
「マロングラッセ」を、「クリ(シャテーニュ)」
で作るようになったことから
クリ(シャテーニュ)も「マロン
と呼ぶようになりました。

 

 

IMG_5044_convert_20091005220637上がマロニエの実のマロン、下がクリ(マロン)
(写真/「ドルドーニュ日和」)

 

 

 

イガの中の実が1つのものを
「マロングラッセ」に使う 

というところまでは、まあいいのですが
この上に、また混乱をするような事実があります。

 

そのクリのイガの中に、クリが1つあるものと
2,3個入っているものを、呼び分けるのです。

 

イガの中に2.3個入っているクリは
先ほどのシャテーニュ(châtaignier)
とそのままです。

 

ところが、マロングラッセに使う、
イガの中に1つの実が入っているものを
マロン(marron)と呼ぶのです。

 

ちょっとややこしいので整理してみましょう。

 

 

イガの中に複数の実が入っている
シャテーニュ(写真/同上)

 

 

1 最初は、マロニエの実のマロン
 「マロングラッセ」作っていた

 

2 アクが強いのでクリ(シャテーニュ)で
 代用するようになったことから
 クリ(シャテーニュ)もマロン
 呼ぶようになった

 

3 マロンと呼ぶようになったクリ(シャテーニュ)
 をまた、イガの中の実の数によって呼び分ける

 —— シャテーニュ(実が2.3個入っている)
 —— マロン   (実が1つのもの)
        こちらでマロングラッセを作る

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

マロニエの実 → クリ(シャテーニュ)
マロン」     「マロン

   _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
       イガの中に

        実が2,3個 = シャテーニュ
        実が1個  = マロン

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

そして現在、「マロングラッセ」を作って
いるのは、マロニエのマロンではなく
クリの木のマロンで作っているというわけでした。

 

(参照/「フランスの食ネタ帳」
色々調べてみましたが、シャテーニュの
表記及び、内容がかなり様々でした。
こちらが一番信頼できるように思われ
ましたので参考にさせていただきました)

 

 

マロングラッセ

 

 

 

なぜ同じ「マロン」という名前にしたの? 

ふ〜っ、ややこしいね。
書き出した時は、こんなことになる
とは思っていなかったよ。

 

マロニエのマロンの方はオレンジ色にして
クリのマロンの方をピンク色にしてみたのですが。
(私が間違えていなければ……)

 

ここで疑問なのですが、箇条書きにした「3」
のところで、イガの中の実の数によって
別々の名前にした時になぜ、マロンなどと
いう、ややこしい名前にしたのでしょう?

 

 

 

 

イガの中の実が複数のものを、例えば
「三つ子ちゃん」、1つは「一人っ子さん」
等と呼ぶとか何とかできたのではないかと。

 

ですが、この名前を決めた人がいるわけでは
なく、自然にそう呼ぶようになったのでしょうね。

 

 

 

言葉は生きていて変化する 

同じ「マロン」という言葉ではややこしい、
と思うのは、私が実際にそれらにかかわって
いない人間だからです。

 

 

20120920_20133-270x200現在は食べられることのない
マロニエの実、マロン

 

 

マロニエのマロンの代用に、クリを使うように
なった時もそれをマロンと呼ぶようになりました。

 

またクリの中でも、イガの中に1つ実がある
ものだけをマロングラッセにするため、これ
またマロンと呼ぶようになったというのは
考えてみればあたりまえのことかもしれません。

 

人間が使い勝手がいいように、ものの名前を
決めていくといいますか、いつのまに
そう呼ぶようになっていくものなのでしょう。

 

言葉は生きていますからね。

 

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また、ハトを拾ってしまいました(六本木編)

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今度は六本木で

今年の2月、母の命日に
ハトを拾ったことをお話ししました。
「ハトの恩返し」

 

それは、もうかなり前のことだったのですが。
うちに、「あぷり」の前のうさぎ「ももち」
がいた頃の話。

 

実は、今回またハトを拾ってしまったのです。
今度は六本木で。
よくハトを拾うね。

 

 

 

 

 

六本木のペットショップのそばで

ひと月ほど前の、9月の27日の
土曜日の夕方のことでした。
その日は9月とは思えないほどの
冷たい風が吹いていました。

 

もうあたりは暗くなっている7時頃、私は
東京ミッドタウンの正面玄関のある外苑東通りを
六本木の交差点に向かって歩いていました。

 

東京ミッドタウンと六本木の交差点の間には
なぜこのような所に、と思うような場所に
ペットショップがあります。

 

 

 

 

そこではぬいぐるみのような、ちっちゃな
可愛い子犬や子ネコが、外苑東通りに
面したガラスのケースに入っています。
子うさぎがいたこともありました。

 

最近は、そのお店の前を通る時に
中を見ないようにしています。
正視に耐えません。

 

そのペットショップをわずかに通り過ぎた所
にある不動産屋の、お店の入口の右側に
ハトがうずくまっていたのです。

 

 

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鳥の形のお人形?

最初は、そんな場所にハトがいるとは考えられ
ませんでしたので、おもちゃかと思いました。
あたりは薄暗くなっていたこともあり
よくわからなかったのです。

 

しかも、そのハトは規則的な動きを
していたので、モーターで動く鳥の
おもちゃなのかもしれない、なんて。
もちろん、そうではありませんでした。

 

私はハトの前にしゃがみ込みました。

 

 

 

 

ハトは両脚で立てずに、座り込み
両方の羽は少し開き気味。

 

後ろの尾を、ちょっと上げては下げ
それと同時に、口を開いています。
すでに息があがっていたということなのでしょう。

 

 

 

都会でひとり、死と向かいあう

私がしゃがんでハトを覗き込んでいると
通りすがりの女の人が、連れの女性に
話す声が聞こえます。

 

「まだ、あのハトいるよ。怪我してるのかな?」

 

ということはかなり前から、このハトは
ここにいるということなのでしょう。

 

なにも外苑東通りに面した
こんな場所にいなくても、数メートル
先にはもっと静かな道があるのです。
最初はなぜこんな所に?、と私は思いました。

 

 

 

 

ですが、このハトには数メートル先へ行く力
さえ、残っていなかったのかもしれません。

 

外苑東通りで何かにぶつかったかして
それでもやっと、お店の入口の角まで
辿り着いた、そんなふうに見えました。

 

背中には何かがすったような痕跡もあります。

 

 

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自然界の生き物には人の手を入れない

ハトは怪我をしただけではなく
もっと重症なのでしょう。
しかし、その一方、

 

以前ハトを拾った時に連れて行った病院で、
「鳥は意外と丈夫ですから」
とおっしゃった獣医さんの言葉も思い浮かびます。

 

どちらかはわかりませんが、ハトを
このままにはしておけないと思いました。

 

 

 

 

前に本で読んだことがあります。
野生の動物を助けてはいけないと。
自然界に触ってはいけないということでした。

 

動物同士が戦い、エサにしたりされたりと
厳しい自然の掟に手を出してはいけないのだと。

 

ただ、動物同士ではなく人間が傷つけた
ものは助けるようにしている、とその方は
書いていらっしゃいました。

 

 

 

 

前回、私がハトを拾ったのは、ベランダに
巡らした網に、アシを引っ掛け、何時間も
雪の中で逆さ刷りになっていたハトでした。

 

ベランダに網を巡らすことは
法律で禁止されていることだそうです。

 

今回のハトは、車かバイクのような
ものの被害を受けたように思えます。
都会で暮らしているハトには、これもまた
自然界でのこと、といえるのでしょうか?

 

 

 

 

 

どちらにせよ

私はしばらくの間、ハトの前にすわりこんでいました。
この状態では、たとえ治る怪我だとしても
それもかなわないでしょう。

 

あるいは、もうこのハトに時間が残されておらず
ここで死を迎えたとしたら、その体はゴミとして
扱われるようにも思えます。

 

いろいろな思いが交錯しましたが
どうあれ、ハトを連れて帰る選択肢しか
私には残されていませんでした。

 

 

 

 

実は私は、ハトに限らず鳥がこわいのです。
触れることもできないほどに。

 

ですが、以前のハトもそうでしたが
そのようなことを言っている場合ではありません。

 

持っていた袋越しにハトをつかんで
そのまま袋の中にハトの体を入れました。

 

 

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何か食べられるものを買って

前のハトを私は、ポッポちゃん
という名前で呼んでいました。

 

ポッポちゃんは、食パンをよく食べていたのを
思い出したので、帰りに東京ミッドタウンの
プレッセプレミアムでパンを買うことに。

 

それが今日の冒頭の写真のパンです。
札幌キムラヤの北海道ブレッド
「メープルクロワッサン」。

 

そしてもう1軒、赤坂駅前のマルエツ
プチに寄り、リンゴも買いました。

 

 

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野鳥は都道府県の所有物

ポッポちゃんの時に知ったこと
なのですが、このような野鳥は
都道府県の所有物なのだそうです。

 

善意であっても、怪我をした鳥をうちに
置くことは法律違反になるので、指定の
獣医師のもとに連れて行かなくてはいけないと。

 

私は明日は、早朝に家を出て一日外出
しているので、ハトを獣医さんに
連れて行くわけにはいきません。

 

連れて行くのはそれ以降になっていまうけれど……。
私はハトを左手にのせながら考えていました。

 

 

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掌の上の小さな命の重み

ハトの体は軽いものでした。
左手にのせていても平気なほどに。

 

わずかな重さではありましたが
それはあたたかさを伴った
命の確実な重みでもありました。

 

5年ほど前にうさぎのあぷりを失ってから
久しぶりに感じる、掌の上の命の重み。

 

 

 

 

一番近い、指定の獣医師はどこなのでしょう?
東京都下の、ここから遠い場所なのでは?
早速、今晩ネットで調べてみなくては、と。

 

私は持っていた紙袋を、ハトの前に持ちかえて
9月とは思えない冷たい風をよけながら
「寒いね、もうすぐお家だからね」
とハトに呼びかけていました。

 

ですが、うちに帰るほんの2、3分前に
ハトはこときれていたのです。

 

 

pikasohato

 

 

 

お水だよ

私は家に帰って、紙の上にハトをのせ、お水を
含ませたカット綿をくちばしの隙間に置きました。

 

前のポッポちゃんは、うちにつくと、本当に
驚くほど水を飲んだのを思い出したからです。

 

私は思いました。
自分のしたことが死を待っているハトを
余計苦しめることになったのかもしれないと。

 

悲しさと疲れが、私の心と体に重く覆い
かぶさり、静かに涙がこぼれ落ちました。

 

 

130313tamuke

 

 

 

今晩中に埋葬をしなくてはね

お香を手向けてお経を上げました。

 

私はたとえようもない脱力感に襲われまし
たが、明日は一日外出することを考えると
ハトをこのままにはしておけません。

 

9時頃になって、ハトを埋葬しに行きました。
2カ所の候補地のうち、家に近い方に。

 

玄関を出る時、ドアの右側に置いてある
ももちの写真に、私は心の中でつぶやきました。

 

 

 

 

「ももち、またハトを拾っちゃったよ。
でも、今度の子は死んじゃったけどね」と。

 

部屋の玄関から、埋葬しようと考えていた
場所につくまで、私は誰にも会いませんでした。

 

赤坂駅から4,5分の場所ですが
夜にその場所を通る時などは、こわく
感じるほど人通りがない場所です。

 

スコップがないので大きなスプーンで
土を掘っていると、家路を急ぐ人や、
イヌの散歩をしている人が通り過ぎます。

 

思うように穴は掘れません。
ごめんね、といってハトを土に横たえました。

 

 

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どこで死を迎えているのでしょう?

そういえば、と私は思いました。
どなたも、いろいろな場所で
たくさんのハトを見ていることでしょう。

 

特にハトは群れでいることも多く
一度に何十羽、いえ百羽以上を
見ることも稀ではないはず。

 

にもかかわらず、私はまだ一度もハトの
死んだ姿を見ていないことに気づきました。
ハトたちはどこで死を迎えているのでしょう?

 

 

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翌朝に出会った4羽のハト

明日は早く家を出るというのに、私はシャワー
を浴びる気力も残っていませんでした。
土堀りで手は汚れていたのですが。

 

シャワーは明日の朝にして、とにかく横に
なると、あとからあとから涙が溢れてきました。
まるで知り合いの人が亡くなったかのような悲しさ。

 

翌朝私は、7時少し前に赤坂見附の駅に向かいました。
赤坂見附駅の少し手前で、道路に落ちいている
何かをついばんでいる4羽のハトに出会いました。

 

 

 

 

前回のハトにはポッポちゃんと名づけ
ましたので、今度のハトはピッピちゃん。

 

もし昨日、ピッピちゃんが事故に
遭わなかったら、5羽でエサをついばんで
いたかもしれなかったのにね。

 

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