ローゼンタール 〈魔笛〉に関するウソ(誤情報)

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ネット上で氾濫する誤情報

最近、「ローゼンタール〈魔笛〉」に関するデタラメ
な情報(ウソ)が目につくようになりました。

 

一番多いのは「もう〈魔笛〉が作られていない」という
ウソで、まことしやかに書かれていて驚くばかりです。

 

「ローゼンタール〈魔笛〉専門店  Apri(アプリ)」を
御覧になって下さる皆様なら、当然に誤情報だとおわ
かりになると思いますが、中には信じてしまう人も
いることでしょう。

 

実際にお客様の中には、そのように信じて
いらっしゃる方も、複数いらっしゃいました。

 

 

 

 

 

ウソと承知していて書いているのか?

まず、一番疑問に思うのは「魔笛はもう作られていない」
という誤情報(ウソ)書いている人が、

 

「本当に知らないで,間違った事実を書いている」
のか、あるいは
「事実は知っているが、売るためにウソを書いている」
のどちらなのかということ。

 

「もう作られていない」と書いてある場合は、
「だから希少価値があり、値上がりしている」等という
言葉が添えられているのが常です。

 

 

 

 

となるとウソと承知で書いているのかな?
とも思い、悪質という気がしますが
私には本当のところはわかりません。

 

このようにネットで記載されているということは
すでにネットを利用しているのですから
自分が書いていることが「本当」か「ウソ」かは
検索をかければ瞬時にわかることなのですが。

 

どのように書かれているのかの例を紹介しましょう。
まず最初は、東京の大きな駅のそばに実店舗がある
ネットショップのもの。

 

 

 

 

創業50年近いお店だということですが
ネットショップにも常時、数百点のものを
ヤフーオークションに出品しているようです。

 

ローゼンタール〈魔笛〉に関する部分は
このように書いてあります。

 

 

 

          ↓ 間違いです!

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜 
   誤情報 1

   モーツァルトのオペラ<魔笛>をイメージ

  して陶器に表現しました。

   デンマーク人、ビョルン・ヴィンブラドの作品で

  ローゼンタールの<象徴>となっています。

   近年、魔笛は製造されず、希少品となり、

  高騰しています。

   < 商品 >

   アンティーク<魔笛>色<ゴールド>1900年後期

   カップ&ソーサー(ティ・コーヒーサイズ) トリオ

   アンティーク品輸入の法令に基づきキャビネット

 (装飾)品としての輸入販売です。

     ご注意

      貫入の有無は、あくまで視覚によるもので、

     その程度は使用をしないと

      正確な判断は出来ません。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜

 

 

 

 

お断りするまでもありませんが、〈魔笛〉は現在も
ローゼンタールのドイツの工場で製造していますが
このショップの説明では、

 

「近年、魔笛は製造されず、希少品となり高騰して
います。」と明らかな間違いが記載されています。

 

〈魔笛〉は現在でも、もちろん製造されていますし
「希少品」ではありませんし、それ故に「高騰」
しているということもありません。

 

 

多くのヨーロッパの陶磁器工場が、コストの面で安く
あがるアジアに
移っていますが、〈魔笛〉は
現在でもドイツの工場で作られています。

 

 

 

 

 

〈魔笛〉は、まだ「アンティーク」とは呼べません

「アンティーク」とは100年以上経ったもののことを
指す、というのが、国際的基準となっています。

 

1930年代のアメリカの通称関税法で
「100年以上の古い美術品、工芸品、手工芸品」
を指していうと定められました。

 

輸入関税額を決める,法律上の基準です。
ですから法律上でない場合は、必ずしも100年経って
いなくても、アンティークと呼ぶことはあるでしょう。

 

 

 

 

でも、〈魔笛〉を「アンティ―ク」と呼ぶには
いくら何でも若すぎますね。

 

ショップのトップページにも書きましたが
ローゼンタールの2代目の社長が、ビョルンビン・
ブラッドに依頼をしたのが1957年ですから……。

 

本当に第一号の製品であっても
まだ50年しかたっていません。

 

 

 

 

 

〈魔笛〉に限らず「中古品」で注意すること

〈魔笛〉の新品でないものは,現在のところ全て
いわゆる「中古品」ということになります。

 

ただ、先ほど例に挙げた、誤情報(ウソ)を記載して
いたショップすが、「注意」として「貫入」云々
と書いてあるのは良心的ですね。

 

「貫入」とは、陶磁器に入る
ヒビのような線をいいます。

 

 

 

 

陶磁器は表面上にはあらわれていなくても
内部に損傷を溜めていることは往々にしてあること。

 

少し前のブログにも書いたのですが
私が20年間使っていた〈魔笛〉のカップに
先日、やっとヒビが入って割れました。

 

「やっと」と書いたのは、それま何度も落としたり
ぶつけたりを繰り返していたにもかかわらず、
何の損傷も表面上は見えなかったからです。

 

 

 

 

ですから、中古品で表面上は何の傷もなくても、
内部に損傷を溜めている危険性は免れえません。

 

結局は使ってみて初めてわかること
という以外にないのです。

 

それが中古品のリスクであり、それゆえお値段も
それなりになっているのが普通です。

 

 

 

 

また100年以上経た本物のアンティークは
貫入だけではなく、表面の色も時とともに
変化をしているのが普通です。

 

お抹茶茶碗など「古びがつく」などといって
必ずしもマイナスの評価ではないこともありますが
洋食器の場合は「特別な製品」でなければ、ちょっと
薄汚れた感じがするというのが正直なところでしょうか。

 

〈魔笛〉の場合は、まだ若いので、そこまで
変化したものというのはあまり見かけません。

 

 

 

 

それでも数十年を経たものは、やはり新品のものと
比べると、ゴールドの輝きはかなり異なっています。
というところで2つ目の誤情報をご紹介しましょう。

 

 

         ↓ 間違いです!

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   誤情報 2

   商品の説明

 
   ローゼンタールを代表するシリーズ「魔笛」は

  今ではほとんど見かけることが無くなりました。

   残念ながらほんの一部を残して廃番となって

  しまいました。

   ここに掲載している魔笛の作品は大切に

  保管されていた幻の作品であり

  ほとんどの物が1点のみの在庫となります。

   売り切れ次第終了となります。

   備考 商品のみのお届けとなります。
              (ボックス無し)

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

と書いてありますが、ローゼンタールの〈魔笛〉は
基本的なものは全て製造しています。

 

このショップの説明文では、
「ここに掲載している魔笛の作品は大切に保管
されていた幻の作品でありほとんどの物が
1点のみの在庫となります。」
とあります。

 

そのショップで「掲載されている魔笛の作品」
というのは、ゴールドのコーヒーポットやお皿、
コーヒーカップを指していますが、もちろん、
これらは現在も作り続けられています。

 

 

 

 

 

廃盤になった〈魔笛〉

確かに〈魔笛〉シリーズの中には、灰皿や花瓶等
廃盤となったものもあります。

 

また、現在ローゼンタール〈魔笛〉には
ゴールド(ザラストロ)とホワイトがありますが、

 

〈魔笛〉が作られた当初はそれ以外に、
地の色が真っ黒のものや、ホワイトに金彩で葉っぱ
のような模様が散らしてあるもの等、何シリーズか
ありましたが、それらが廃盤になっています。

 

 

廃盤になった
「ローゼンタール〈魔笛〉ブラック細首花瓶」

 

 

しかし、これらが廃盤になったのはここ数年という
わけではなく、もうかなり前のことで、制作されて
からそんなに長い間作られなかったものです。

 

これに関しては、あくまでも私の推測ですが、
最初に創案されたこれらの〈魔笛〉の製品を
全て作り続けるのは、現代の会社としては
あり得ないほどの贅沢なことでした。

 

私自身はそれを、中世の王や、あるいはノイシュバン
シュタインをつくったルードウィッヒ2世の
「道楽」のような贅沢さだったと思っています。

 

 

廃盤になった〈魔笛〉

 

 

というようなことで、「ほんの一部を残して廃盤」
になってしまったのではなく
「ほとんどのものは作り続けられて」います。

 

参考までに、廃盤になったものの一部を
御紹介しますが、ローゼンタール〈魔笛〉は
本当にいろいろなものが作られていたのです。

 

食器に限らず、下の写真にある花瓶(これは
ゴールドとホワイトは現在でも作られています)、
キャンドルたて、灰皿というように
本当に様々なものがありました。

 

 

 

 

当ショップ「アプリ」のトップページは
日本の方が多くお求めになる製品を主に紹介して
いますが、右のサイドバーの「フリーページ」では
「〈魔笛〉全製品」を紹介しています。

 

これらのものは全て現在でも、ローゼンタール〈魔笛〉
のドイツの工場で作り続けられているものです。

 

コーヒーカップや、コーヒーポット、ケーキ皿に
シュガーポット等、お茶の時間似必要なものはもちろん
正式なディナーのために必要なものまで全て揃っています。

 

〈魔笛〉はもう作られていない、など
何を根拠に書いているのでしょうね?

 

 

 

 

また、すでに作られていないという前提で、
「幻の作品」という言葉を使っています。

 

〈魔笛〉が素晴らしい作品であることは間違いは
ありませんが、現在でも当然に制作している
ということも、また間違いのないことです。

 

皆様、どうぞ気をつけて下さいね!

 

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あじし野「ちぼりチボン」プレッセプレミアム 東京ミッドタウン

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150422ajisinosakura

 

 

今年度、モンドセレクション最高金賞受賞

東京ミッドタウンの地下1階にある
24時間スーパーマーケット、プレッセプレミアム
で見つけたお菓子「あじし野」。

 

「あじし野」という名前も、メーカー名
「ちぼりチボン」も、私は初めてだった
のですが、巷では有名なのでしょうか?

 

「ちぼりチボン」という面白い社名の会社は
山梨県の甲府市にありますが、
「あじし野」以外のお菓子の名前はといえば
「もえぎ野」「ゆきみ野」「はづみ野」等。

 

「あじし野」はモンドセレクションの最高金賞を
今年、2015年の4月に受賞したそうです。

 

 

140224suraisuamondo

 

 

 

ウエハースの舟に乗ったスライスアーモンド

「あじし野」は全部で4種類あるようですが
私が今回買ったものに入っていたのは3種類でした。

 

「ちぼりチボン」独自の製法で作った舟型の
ウエハースの上に、ナッツとキャラメルをベースに
したものを乗せカリッと香ばしく焼いてあります。

 

一番上が「バニラアーモンド」、
真ん中が「ゆずアーモンド」で下が「黒糖ぱふ」。

 

 

150422ajisino

 

 

「バニラアーモンド」は、スライスしたアーモンドを
バニラソースで風味よく焼き上げたもの。

 

「ゆずアーモンド」は、国内産のゆずペースト
を練り込んだソースに、アーモンドスライス
を入れて焼いてあります。

 

「黒糖ぱふ」は沖縄産の黒糖、国内産小麦と
馬鈴薯でんぷんで作られたパフに
アーモンドが合わされています。

 

ちなみに、袋から出した中身の写真は
上から「黒糖ぱふ」「ゆずアーモンド」
「バニラアーモンド」。

 

 

 

 

 

軽さが物足りない?、いえ軽さが身上

私にとっては、ちょっと軽過ぎて物足りない気
もしましたが、このお菓子はある意味、軽さが
身上ですのでいたしかたないこと。

 

私はフロランタンのような、ちょっとコックリ
したものが好みですのでそのように感じましたが
「あじし野」はそちらの路線ではありませんからね。

 

箱の写真を見てフロランタン系を
勝手に想像した私の方が悪いのです。

 

だいたい、箱を手にした時の異常な軽さを
考えてもわかっていたはずなのですから……、
というほど軽い箱でした。

 

今書いていて思いましたが、フロランタンの
ようなお菓子は色々ありますが、フロランタンに
似ていながらとてつもなく軽やかで、サックリ
したナッツとキャラメルベースの焼き菓子、

 

という私にとってはちょっと物足りない
とも思えたその個性が、逆に希少価値として
モンドセレクション受賞の対象になったのかも
等々、勝手に妄想をしてしまいました。

 

 

rosenthalmagicflute140703shokorantanこちらはロッテの「ショコランタン」

 

 

 

こんなに「軽い」のだからカロリーは控えめ?

などと甘いことを考えちゃいけません。
立派にカロリーはあります。

 

ただし「あじし野」1枚当たり平均で
「50キロカロリー」と書いてあるものや、
「51キロカロリー」「53.3キロカロリー」
と書いてあるもの等様々ですが、まあたいした
違いではないので、大体この位ということで。

 

ただくどいようですが「軽い」ので
私は1箱(11袋)、当然のことながら
一瞬で食べてしまいました。

 

少なめ見積もりの50キロカロリー
だとしても全部で550キロカロリー。
……、「軽い」のにカロリー多過ぎるやん。

 

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白玉ぜんざい「松月」 大納言はあずきの大きな品種

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松月の「白玉ぜんざい」

先日は「相模屋」のくずもちを御紹介しまし
たが「相模屋」は、一ツ木通りを挟んで
赤坂サカスの正面にあるお店でした。

 

今日の松月は、「相模屋」の前を
赤坂見附方面に一ツ木通りを、ほんの2,3分
歩いて行ったところにあるお店です。

 

「相模屋」は明治28年の創業で
今年で120周年でしたが、
今日の「松月」は大正8年の創業。
(港区赤坂4−3−4 03-3583-7303
 お店のサイトはないようです)

 

大正8年は西暦でいいますと1919年、
ということは、あと4年で創業100周年
というわけですね。

 

「相模屋」といい「松月」といい、
やはり老舗が多い赤坂です。

 

 

blog_import_515366ad455aa一ツ木通り

 

 

 

味を守るために一ツ木通り店のみ

現在は「松月」の2代目と3代目に
あたる西尾さん親子が、先代の味を
大切に守っていらっしゃいます。

 

これだけ長く営業していますが「松月」に支店
はなくお店は一ツ木通りのこちらのお店だけです。
その理由は、手を広げると
味が落ちてしまうからだとか。

 

1階が販売で、2階は茶房になっていていますが
ここで寒い冬に、あたたかいぜんざいを食べる
のが楽しみという常連さんも少なくないようです。

 

そちらは冬になったら試して
みることにして、今日はとりあえず
「白玉ぜんざい」に挑戦してみました。

 

 

blog_import_515366afcca31一ツ木通りの照明

 

 

 

「松月」の特製餡は、『築地明石町』?

今日の写真で、ローゼンタール魔笛の
お皿の上に乗っている透明の容れ物に
入った形で販売されています。

 

これくらいですと、ちょっと甘みを
という時に丁度いい分量ですね。

 

 

 

 

その上、「松月」自慢の特製餡が
また上品な味わいです。

 

「松月」の餡は、あずきの皮をのぞいてから
炊き上げるそうで、写真でもあずきの色が
少々うっすらとして見えますね。

 

色だけではなく、甘さに関しても控えめにしてあり
目一杯「あんこ〜!」という感じではなくさらっと。
ですがこれは、単に味が薄い、
ということではありません。

 

すっきりしたのどごし、などという言葉を
使うとビールのようですが、華美に飾り付けを
した人ではなく、鏑木清方の『築地明石町』の
女性のような感じと言いましょうか(って、
このたとえ、あっているかなぁ?)。

 

 

kaburagikiyokata

 

 

大納言はあずきの大きな品種

この「白玉ぜんざい」の餡もそうなのかは
わかりませんが、「松月」の餡は、先ほどの
皮をのぞいて炊き上げたあずきに、やさしく
そっと炊いた大粒の大納言を混ぜてあるそうです。

 

とここで「大納言」もあずきでしょう?、
と思ったのですが、「農林水産省のサイト」
によりますと、

 

あずきの中でも特に大粒のものを
大納言と呼ぶそうです。
また、大きいだけではなく、煮た時に
皮が破れにくいという特徴もあるとか。

 

 

こちらは同じ「松月」の一木まんじゅう

 

 

煮た時に皮が破れることを「腹切れ」と
いいますが、大納言はこの「腹切れ」がない
ことから、切腹のない公卿の官位である「大納言」
と名づけられたといわれているそうです。

 

一方、豆の形が大納言が被った烏帽子(えぼし)に
似ていることからつけられた、という説も。
また、大納言より小さい「中納言」「少納言」
という品種もあります。

 

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