「虎屋文庫のお菓子な展示77」 「虎屋」はビル立て替えのため3年間お休み 

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

150622monakahagaki

 

 

あたりまえの幸せに感謝

前回は、虎屋の「夜の梅」を御覧いただきましたが
たとえ大好きな「夜の梅」であっても、空襲の焼け野原で
貪り食べるような経験は決してしたくないものですね。

 

赤坂の4丁目の虎屋の本店で、また東京ミッドタウン
の虎屋で、ショーケースを見ながら
お菓子を選ぶことができる幸せ。

 

欲しいものを全部は買えない私は、今日は
どれにしようかな?、と悩みに悩みますが
そんなことを悩めるのも幸せなのですね。

 

 

150427torayaruburuakapuri

 

 

 

虎屋本店ビルの建て替え工事

ところが来月からは、虎屋本店では
それができなくなってしまいます。

 

虎屋本店は9月一杯で営業を休止して、約3年ほど
ビルの立て替え工事を始める予定なのです。

 

虎屋本店にはお店の裏手にあたる場所に
菓子資料室・虎屋文庫がありますが、そこで
建て替え工事前の大回顧展が開催されました。

 

 

150616torayaokasiten

 

 

 

菓子資料室・虎屋文庫

1973(昭和49)年、「和菓子文化の伝承と
創造の一翼を担うこと」を目的として作られた
菓子資料室・虎屋文庫は、今までに77回もの
様々な展示会を開催してきました。

 

今回の5月20日から6月16日まで開催された展示会は
「第78回 休館前の特別企画
『虎屋文庫のお菓子な展示77』」と銘打って
今までの77回の展示会を振り返るもの。

 

スペースとしてはそんなに大きくはないのですが、内容
はかなりぎゅっと詰まった見応えのある展示会でした。

 

 

150717toraya

 

 

 

戦時中に作られたお菓子

展示されていたお菓子の中には、物資の足りない
戦時中に作られたお菓子がいくつか展示されていました。
その一つに、寒天の中にうどんが入っているお菓子等も。

 

虎屋は軍や皇室の御用をつとめていた
こともあり、戦時中もお砂糖などは他の
菓子店に比べて手に入った方なのだとか。

 

とはいえ虎屋といえども材料がないことには、いくら
創意工夫を重ねてもこのようなお菓子になってしまう
という一抹の寂しさを感じさせるお菓子でもありました。

 

 

 

圧巻は「源氏物語のお菓子」

最も興味をひかれたのは
「『源氏物語』の世界を和菓子で」
と、その名だけでも美しく心をそそられる展示。
こちらは1988年、第30回の催しでした。

 

 

wakamurasaki源氏物語『若紫』(写真/「赤坂経済新聞」)

 

 

源氏54帖のそれぞれに、料紙(美しい和紙を
繋ぎ合わせた紙)とお菓子を組み合わせて
54帖の名場面を表現したもの。

 

実際のお菓子もありましたが
ほとんどはビデオでした。

 

実際のお菓子での再現、あるいは新しいバージョンの
「『源氏物語』の世界を和菓子で」
を是非お願いしたいものです。

 

なおこの菓子資料室・虎屋文庫は、明治から大正に
かけての虎屋の当主14代・光景が、お菓子に関わる
古い文献や書画骨董の他、黒川家の家系を調べるため
に集めた資料が中心となって出来たものだそうです。

 

スポンサードリンク