世界一大きな花「ラフレシア」「ショクダイオオコンニャク」

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世界一大きな花の候補は2つ

世界一大きな花といわれている
のは「ラフレシア」です。

 

ただ、一方ギネスでは
「ショクダイオオコンニャク」
となっています。

 

2つの超個性的な花と、なぜ世界一
大きな花の候補として、2つの花が
あげられているかのかを見て見ましょう。

 

 

 

 

 

ラフレシア(Rafflesia)

今年、2020年の1月2日に西スマトラ州
アガンで見つかったラフレシアは、直径
4フィート(約122センチ)近くで、現在
のところ過去最大の大きさとされています。

 

ラフレシアには十数種類あるようですが
最初に発見され最も知られているのは
「ラフレシア・アルノルディイ」。

 

この名前は、ヨーロッパ人の第一発見者
である博物学者のジョセフ・アーノルド
にちなんでつけられた名前です。

 

彼は、現在のシンガポール国の創立者で
あるトーマス・ラッフルズが、イギリス
植民地開拓のため東南アジアを調査探検
している際、同行していたものです。

 

 

 

世界で一番大きな花「ラフレシア」
直径約122センチ 2020年1月2日に撮影

 

 

 

根・葉・茎のない寄生植物

ラフレシアが他の花と異なっている
のは、大きさだけではありません。
根や葉っぱ、茎などがないのです。

 

したがって土から根を通して栄養を吸収
することもできませんし、植物でありな
がら自ら光合成を行うこともできません。

 

ブドウ科の植物の根などの細胞内に
入り込んだラフレシアの微細な糸状の
細胞列が、寄主が光合成などで作り
出した栄養を奪う寄生植物なのです。

 

寄生する他の植物の細胞に入り込んだ
ラフレシアは、約2年の年月をかけて
子孫を残す準備を始めます。

 

 

 

 

準備が整うと花が咲きますが2〜5日の命
しかなく最初、花は動物の死肉のような強烈
な臭いを発しますが、徐々に薄らぎます。

 

この悪臭は、現地に生息しているクロ
バエ科のオビキンバエ属のハエなどの
昆虫をおびきよせるためなのです。

 

動物の死骸やフンの臭いと勘違いして
きた昆虫たちを、花の奥まで誘導

     ↓

昆虫たちは、雄花から分泌される
花粉入りの粘液を身体中に付着され

     ↓

雌しべの柱頭に触れることで受粉成立

 

昆虫をおびきよせて受粉をして
いますが、捕食しているわけでは
ないので食虫植物ではありません。

 

見かけの グロテスクさ  奇抜さから
初めは人食い植物ともいわれたようですが
虫も殺さぬ優しい花(?)だそうですよ。

 

 

 

ギネスの世界一大きな花「ショクダイオオコンニャク」
「燭台」に似ていることから名づけられました

 

ショクダイオオコンニャク
(Titan arum)

こちらはギネス認定の「世界一大きな花」。
サトイモ科・コンニャク属の多年性
の塊根植物です。

 

インドネシア本土やスマトラ島など
の熱帯地方に自生し、東南アジアに
咲く幻の花といわれています。

 

別名は「スマトラオオコンニャク」、
「死体花(corpse flower)」、お化けのよう
に見えることから「お化けコンニャク」とも。

 

花の大きさは、最大で横幅 1.5 m、高さ 3.5 m。
土の中のイモは70Kgに達し、生息数が少ない
ために、絶滅が危惧されている希少植物の一つ。

 

 

 

 

 

花序が最大

世界最大の花序を持つことで知られています。
「花序(かじょ)」とは、花が茎や枝につく
並び方や、花をつけた茎または枝をいいます。

 

なぜ最大の花が、「ラフレシア」と「ショク
ダイオオコンニャク」と2派に分かれるのか
といえば、ショクダイオオコンニャクの上の
写真は1つの花ではなく、1つの花序だから。

 

1つの巨大な花と見える中には、群生した
花がたくさんある(花序)という構造と
なっています。

 

それが見やすいようにショクダイ
オオコンニャクの断面が、切り取られ
ているのがこちらの写真です。

 

 

ショクダイオオコンニャクの中を
見やすいように切ったもの
(花というより建造物の一部みたい

 

上の黄色っぽく見えるのが雄花、
下の1つ1つが雌花になります。

 

これら1つの花を、ラフレシアと比べる
とはるかに小さいので、世界一大きな花
がラフレシアだとする人もいるのです。

 

ですが、アジサイも小さな花が集まって
一つの花序がこんもりとして、別名
「手毬花」ともいわれますよね。

 

アジサイが庭にあるお友達に、1つ欲しい
とお願いした時に、この小さな花1つを
持って来てくれるとは考えられません。

 

 

「アジサイ」の花は、正確にいうと
中心にある小さなぽちっとしたものです

 

 

1つのこんもりとした花序をくださる
のではないでしょうか?

 

植物学用語ではアジサイも、ショクダイ
オオコンニャクも「小さな花が集まっている
大きな花序」が正確なのでしょう。

 

でもこうして写真を見ますと、この塊で1つ
の花というのが普通の感覚に近い気がします。

 

その上、ショクダイオオコンニャクは
塊全体を「花びらのように見えるもの」
で包み込んだかのような形状ですしね。

 

私としては「世界一大きな花」には
ラフレシアよりショクダイオオコンニャク
に1票入れたいと思います。

 

 

 

 

 

開花までに15年

ショクダイオオコンニャクは、
タネを蒔いてから花が咲くまで
15年もかかるといわれています。

 

発芽後、傘を逆さまに開いたような
巨大な葉を、1年に1枚だけ広げ
葉から作り出す栄養を、土の中の
コンニャクイモに数年間かけて蓄えます。

 

それが十数年たち栄養がたまった後に
地中から花芽が出芽して開花しますが
咲いているのは、わずか2日ほど。
受粉が終わると枯れ落ちてしまいます。

 

 

 

 

 

ラフレシアと同じような悪臭を放つ

ショクダイオオコンニャクは、ラフレシア
同様、強烈な臭いを持っている花です。

 

ラフレシアと同じような腐った肉の臭い、
あるいは生ゴミの臭いが、開花してから
約8時間後にピークに達します。

 

これは臭いで昆虫を誘い込み、受粉を
成功させるためと、臭いが同じだけでは
なくその理由もラフレシアと同様。

 

そしてもう一つ、昆虫はを誘い込むのは
受粉のためだけであって、食虫植物では
ないというのもラフレシアと同じです。

 

 

「ショクダイオオコンニャク」

 

 

 

ノーブルに見えるのですが……

わずか2日間の幻の花ともいわれますが
ショクダイオオコンニャク は意外にも
人里近くに生えていたりもするそうです。

 

もう一つ意外なのは、2009年にイギリス
王立園芸協会が行ったインターネット投票で
「世界でもとも醜い花」の称号を得たこと。

 

実際の花は印象が違うのかもしれませんが
少なくとも写真で見た限りでは、私は全く
醜いとは思えず、むしろ美しく感じます。

 

 


チューリップ 左「ブラックパロット」
右「ビンセント・ヴァン・ゴッホ」

 

 

左のチューリップのような感じで。
ちなみに左のチューリップは「ブラック
パロット」といい、オウム(Parrot)の
羽に似ているところから名づけられたもの。

 

花序を包み込んでいる着物の襟のような
打ち合わせ方も、上下は逆ですが美しい
ドレープドレスのランダムに見える先端
の切り込みも、そして色も素敵。

 

とはいえ、私はこの写真のような衣装も
もかなり好きですので、もしかしたら美の
基準が他の方と著しく異なっているかも。

 

 

お花をモチーフとしたと思しきバレエ衣装(?)
花びら風のスカートと萼あるいは葉を表現した
ようなボディ部分がなんとも美しい!

 

 

あえていいますと、断面図の雄花のつぶ
つぶが少々気持ち悪くはありますが、それ
以外はむしろノーブルとさえ思えます。

 

「ラフレシア」はコミカル、
「ショクダイオオコンニャク」はノーブル
と思う私の感覚、おかしいでしょうか?

 

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