花粉症3 スギ以外にもある花粉症

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スギだけではない花粉症

社会問題ともいうべき国民病のスギ花粉症、
国民の約5割、半数がスギ花粉に対する
抗体を保有していて、国民の約15%が
スギ花粉症を発症しているともいわれます。

 

スギ花粉は、主に2月〜4月に飛散
して、3月の上旬から中旬にかけて
がピークとなります。

 

しかし、花粉症はスギに限ったもの
ではなく、アレルギー反応を引き
起こす花粉の種類は多くあります。

 

アカマツ、イチョウ、クリ、ケヤキ、
コナラ、シラカンバ、スギ、ハンノキ、
ヒノキ、ヤシャブシ、

 

 

 

 

草では、

 

イネ、カナムグラ、カモガヤ、
ススキ、ブタクサ、ヨモギ

 

などがあり、日本国内で確認されて
いる花粉症は60種類を超えます。

 

 

 

 

 

バラやサクラ、イチゴも?

意外なことに、バラやサクラ、
イチゴの花粉症の人もいるそうです。

 

ただ、サクラは虫媒花といって虫が
花粉を運ぶ花ですので、風媒花のよう
に花粉を遠くまで飛ばしません。

 

一方、スギは風媒花ですので、スギが
多くある山はもちろんのこと、スギの
ない東京の都心にも飛んで行きます。

 

 

 

 

 

30μm  →  1μm  になるスギ花粉

スギの花粉は30μm(マイクロメートル)
と小さく、高さ数十メートルに及ぶ
スギの木から風に乗れば、かなり遠く
まで飛散します。

 

その上、大気中に浮遊している汚染物質
などに衝突して亀裂が入り、水分を吸収
するなどして破裂すると、1μmという
小さな破片になってしまうのです。

 

その極小のスギ花粉は、なかなか地面に
落ちずに、また落ちたとしても舗装され
た都会では、土壌に吸着しずらい状態。

 

スギ花粉は、数百キロも飛散して
大気中に長く漂っているため、勢い
スギ花粉症の人は多くなるのです。

 

 

 

 

 

お米のイネに反応する人は少数

イネも花粉症の原因となり
お米のイネに反応する人もいます。

 

しかし、イネ花粉症のほとんど
は海外から輸入されたイネ科の
牧草がその原因ということ。

 

また、イネの花粉は100μmと比較的
大きいもので、しかも飛散距離が数十
メートルにすぎませんので、近ずか
なければ問題はなさそうです。

 

 

 

 

 

主な花粉症の植物と飛散時期

 

 *植物名        飛散時期(月)
* _________________

ハンノキ   12345
スギ      234
ヒノキ      345
シラカンバ     456
イネ科       45678910 11
ブタクサ          8910
ヨモギ           8910
カナムグラ         8910
* _________________

 

ということですので、年間通して何ら
かの花粉が日本中で飛散していること
になりますね。

 

 

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花粉症2 口腔アレルギー症候群

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口腔アレルギー

花粉症の症状といいますと、くしゃみ、
鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血
などが有名ですね。

 

ところが、花粉症になると必ず起きる症状
というわけではありませんが、特定の果物
や野菜で問題が生じることもあります。

 

それが「口腔アレルギー症候群・OAS
(oral allergy syndrome)」。

 

ある果物や野菜を食べた時に、数分以内
に唇や舌、口の中やノドに刺激、かゆみ、
しびれがでる症状です。

 

 

 

 

 

果物や野菜に含まれるアレルゲン

普通は、食べ終えた後に収まりますが
時には「アナフィラキシーショック」
(後述)を起こす場合もありますので
注意が必要です。

 

口腔アレルギーは、果物や生野菜に含ま
れるアレルギーを起こす原因物質(アレ
ルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こ
るアレルギー反応です。

 

症状を引き起こすアレルゲンは、植物が
感染や傷害などのストレスから、身を守る
ための防御として誘導されるタンパク質。

 

このアレルゲンは、小腸に達する前に
壊れてしまうため、主に口の周辺だけ
で反応するのです。

 

また口腔アレルギーを起こす野菜や果物
のアレルゲンは、熱に弱いため加熱をする
と食べることができることもあります。

 

 

 

 

 

なぜ花粉症の人に起きるか?

花粉症の人には、目や鼻から入ってきた
花粉が体内の免疫システムによって異物
(敵)であるとみなされた場合、対抗する
ための抗体(IgE抗体)が作られています。

 

果物や生野菜のアレルゲンが、この
花粉のアレルゲンと構造が似ている
ために症状が起きるもので、これを
「交差反応」といいます。

 

花粉症と口腔アレルギーの合併比率は

シラカンバやオオバヤシャブシ
の花粉症患者———-20%

スギ花粉症患者—— 7〜17%

ほどです。

 

 

 

 

花粉症以外のアレルギーをもっている人

花粉症に伴って起きる口腔アレルギー
ですが、花粉症以外のアレルギーを
もつ人にも起きる場合があります。

 

以下のような人に起きる可能性があります
ので該当する方は、あらかじめ知識を得て
注意しておいたほうがよさそうです。

 

薬剤アレルギー

気管支炎喘息の既往のある

即時型食物アレルギーの既往がある

ゴム手袋過敏症
(天然ゴムの樹液に含まれるラテックス
という物質に交差反応する
ラテックス・フルーツ症候群)

 

 

 

 

 

「アナフィラキシーショック」とは?

アレルギー物質に触れたり、食べたり、
吸い込むことでアレルギー症状が引き
起こされることをいいます。

 

短時間のうちに、皮膚、粘膜、呼吸器、
消化器、循環器等、全身にあらわれて
血圧低下、意識障害などを起こします。

 

命の危険に及ぶような状態のものを
アナフィラキシーショックといい
ここ10年間の統計では、亡くなった
方は、1年に50〜77人。

 

短時間のうちに症状が進行し、複数の
臓器に渡り症状が現れ重篤な状態に
陥ることがありますので、すぐ救急車
を呼ぶ必要があります。

 

また、アドレナリンの自己注射製剤
(心臓の働きを強くしたり、血圧を上げ、
気管支を広げて呼吸を楽にするなどの
即効性のあるペン型の自己注射で医師の
処方が必要)を処方されている場合は
直ちに使用しましょう。

 

 

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花粉症1 アレルギー反応

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花粉飛散量は、前年夏の気象条件に左右される

今年の花粉飛散量は、過去10年の平均と
比較すると東日本では多く、西日本では例年と
ほぼ同じか、あるいは少ない見込みだそうです。

 

ただ、東京に限りますと例年の1.8倍
という恐ろしい予報が出ていますので
気をつけなければいけませんね。

 

花粉飛散量は、花粉が作られる
前年の夏の気象条件が大きく関わり、

 

 日照時間が長く
 降水量が少なく
 気温が高い夏

 

の翌年は多くなるということです。

 

 

 

 

 

日本のスギ花粉症第1号は1963年

日本のスギ人工林は、およそ450万
ヘクタールあり、1個の花には
約40万個もの花粉があります。

 

ちなみにスギやヒノキの木がない
東南アジアでは、スギ花粉症が
ないそうですよ。

 

スギ花粉症の日本第1例は
1963年、日光市の成人男性でした。

 

 

 

 

 

三百年前からある杉並木

日光といえば、日光杉並木が有名ですが
日光街道、例幣使街道、会津西街道の
3つの街道の長さは37kmに渡ります。

 

(2つ目の「例幣使街道」は
「れいへいしかいどう」と読みます。
例幣使とは、朝廷がつかわす伊勢神宮の
神前に捧げ物を持っていく使者のことで
江戸時代、朝廷は徳川家康の法要のため
日光東照宮にも同じように勅使を派遣。
この例幣使が通る道、が例幣使街道)

 

約1万2350本ものスギ並木は、徳川家の
忠臣・松平正綱、正親親子が、1625年
から20年余りに、20万本以上ものスギ
を植樹したことに始まります。

 

高さ30mにも達する杉並木は、日本で唯一
特別史跡と特別天然記念物の二重指定を
受け、1992年には「世界一長い並木道」
としてギネスブックにも認定されました。

 

となれば花粉飛散量も多いはずですが
1963年に第1例が見つかるまで、日光
市にはスギ花粉症はなかったのです。

 

 

 

 

 

アレルギーにならない国民
     ↓
世界一アレルギーになる国民

三百年も前からある立派な杉並木なの
に、不思議といえば不思議ですよね?
もちろん、日光のみならず日本中に
スギ花粉症はありませんでした。

 

アメリカではブタクサ花粉症がありました
が、日本人は平気でしたので、アレルギー
にならない国民だといわれていたのです。

 

しかし残念ながら現在は、世界で一番
アレルギーになりやすい民族といわれる
ようになってしまいました。

 

その原因は、大気汚染や水質汚染、
食品添加物の増加、食生活の変化、
住環境の密閉化、

 

その他、日本人の清潔志向が、体内の
寄生虫などの微生物を追い出したことと
関係があるのでは?という説もあります。

 

 

 

 

 

花粉症のメカニズム

目や鼻から入ってきた花粉が、体内の免疫シス
テムによって異物(敵)であるとみなされると
対抗するための抗体( lgE 抗体)が作られます。

 

IgE 抗体ができた後に、再び花粉が体内に
侵入すると、鼻や目の粘膜にある肥満細胞
の表面にある IgE 抗体と結合します。

 

すると肥満細胞から、ヒスタミンや
セロトニンなどの化学物質が分泌され
花粉を体外に出そうとするのです。

 

これが、

鼻水や涙で花粉を洗い流す
鼻づまりで花粉を体内に入らないよう防御
くしゃみで花粉を吹き飛ばす

などの花粉症の一般的な症状となります。

 

 

 

 

 

肥満細胞が敗れてヒスタミン等が出るのがアレルギー

アレルギー反応とは、鼻や皮膚などの粘膜
にある、肥満細胞が破れた状態のことであり
IgE 抗体が関与するアレルギー反応のこと。

 

鼻の粘膜の肥満細胞が破れて
ヒスタミン、セロトニンが出ると
→ くしゃみ、鼻水、鼻づまり、花粉症

 

皮下の肥満細胞が破れて
ヒスタミン、セロトニンが出ると
→ 皮膚が赤くなって痒くなりアトピー

 

気管支の肥満細胞が破れて
ヒスタミン、セロトニンが出ると
→ 気管支が収縮して喘息

 

ということになるのです。

 

一旦、アトピーになると皮下
の肥満細胞が破れ続けます。

 

それを治す薬は、出てきたヒスタミン
を中和する抗ヒスタミン剤ですがアト
ピーになるとなかなか治りませんね。

 

 

 

 

 

ピルケ医師が作った「アレルギー」という言葉

アレルギーという言葉は、オーストリアの
小児科医、クレメンス=フォン・ピルケ
(Clemens von Pirquet 1874年〜1929年)
が、1906年に提唱した言葉です。

 

ギリシャ語の二つの言葉を
合わせて作り出しました。

 

 「Allos」  +  「ergon
(変化したの意)   (反応、能力)

        ↓

 「Allergies(アレルギー)

 

 

当時、ジフテリアや猩紅熱に対して行われていた
血清療法に伴って生じる血清病に関心をもった
ピルケは、生体が異種の物質と接触することに
よる過敏症と免疫をアレルギーと名づけました。

 

結核の検診に広く使われる経皮的
ツベルクリン反応(ピルケ反応)は
この理論の副産物といわれています。

 

 

 

 

 

守ろうとして結局、傷つけてしまう反応

体を守ろうとする働きが良い方に作用する
ものを免疫反応といい、過剰反応になって
しまう好ましくない反応がアレルギーです。

 

自分の体の一部が炎症を引き起こしてしまう
自己免疫疾患の一つはリウマチで、関節が
ずっと炎症を起こしたままになる病気です。

 

多発性硬化症は、免疫システムが神経
のまわりの保護膜や、神経そのものを
攻撃してしまう症状がでます。

 

本来は自分を守ろうとして行っている
ことが、結果的に自らを攻撃、傷つけ
てしまうとはなんとも残念な反応です。

 

 

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