花粉症 クワ科 → アサ科「カナムグラ」

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「カナムグラ(鉄葎)」

ジャパニーズホップとも呼ばれるアサ科
のつる草で、道端や荒れ地などいたる
ところに生える雌雄異株の一年草です。

 

旧分離では「クワ科」とされていましたが
DNA塩基配列に基づく系統解析のAPG
(Angiosperm  Phyrogeny Group)分類体系
で「アサ科」に属することになりました。

 

アサ科カラハナソウ属、
学名は「Humulus scandens (Lour.) Merr.
Humulus japonicus Sieb. et Zucc.」、
英名は「Japanese hop」「wild hop」。

 

別名は、「ヤブカラシ」「ササガラシ」
「オームグラ」「ネバリクサ」。
「薮枯らし」に「笹枯らし」とは凄い名前。

 

中国、台湾、韓国、ロシア、ベトナム
に生育する日本在来種で、ヨーロッパ
や北アメリカに帰化しています。

 

 

 

 

 

鉄のようなツルで作ったヤブ=鉄葎

多量の花粉を出す風媒花で、他の木や草に
絡みついて3〜4mも伸び、絡むものがない
と地面を這ってでも生育する強者。

 

しかも茎や葉柄に、下向きの棘があり
触れると傷がついて痛いそうです。

 

そんな強靭な蔓を鉄に例えて「鉄葎
(カナムグラ)」の名がつきました。
(葎は生い茂って藪を作る草の総称)

 

 

カナムグラ(鉄葎)
(写真/「Tam’s 素人植物図鑑」)
右下から左上に横切っているのは雄花

 

 

日本の夏のヤブを代表するつる草で
晩夏、8月から10月位が花の時期。

 

北海道にはあまり見られないようです
が日本各地に分布し、繁殖力が強く
日当たりの良い場所に自生しています。

 

一年草ですので、冬には枯れてしまう
のですが、タネを落としてしっかり
翌年も芽を出します。

 

 

 

 

庭などに生えてきた際は、あっと
いう間に大きくなりますので、小さな
うちに退治をする方がよさそう。

 

その際、蔓に下向きにトゲがあるので
作業用の手袋を忘れず、剪定用のハサミ
などを使い、素手で引き抜くのはNG。

 

人間にとっては厄介なカナムグラ
ですが、葉はキタテハ(蝶々)の
幼虫の大事な食料となります。

カナムグラのそばには、キタテハが
飛んでいることも多いそうですよ。

 

 

 

 

 

症状と対策

症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりと
アレルギー性鼻炎で、目が痒くなる人、
花粉皮膚炎を起こす人もいます。

 

口腔アレルギーを起こす可能性の
ある食物はメロン、スイカ、セロリ、
ニンジンなど。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)
 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 

 原因は、花粉症の原因物質と似た物質
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

対策は、他の花粉症同様、まず近づかない
ことですが、そうもいかない場合は帽子や
メガネ、マスクを着用しましょう。

 

帰宅したら家に入る前は、パタパタと
落としで花粉を家に持ち込まないように。
あとはお掃除と空気清浄機ですね。

 

 

 

 

 

意外や意外、食べられちゃいます

カナムグラの雄花は黄緑色で、雌花は
紫褐色でホップのような形をしていて
実をつけた頃に加熱すると食べられます。

 

ちょっと苦味があって、調理法と
しては素揚げや天ぷらがおすすめ。

 

加熱をすることによりタンパク質が
変化しますので、アレルギーが起きに
くくはなりますが、カナムグラ花粉症
の人は避けたほうが無難ですね。

 

 

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花粉症 キク科「ヨモギ」

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「よもぎおはぎ」

 

 

 

「ヨモギ(蓬)」

お餅に入れることから「モチグサ(餅草)」
とも呼ばれ、お灸等沢山の薬効をもつこと
から「ハーブの女王」とも呼ばれるヨモギ。

 

ヨモギは小さい頃から見てはいま
したが、花粉症の原因となる植物
だとはまったく知りませんでした。

 

ブタクサの花粉症だと思っていたら、
「実はヨモギの花粉症だった」とか、
「ブタクサとヨモギの両方の花粉症
だった」などということもあるそう。

 

 

こちらは、市川「万葉植物園」
にある高さ1メートルのヨモギ
(写真/「季節の花300」)

 

 

 

日本在来種で、花期は秋

オオアワガエリ 、カモガヤ、ブタクサと
帰化植物の花粉症を御紹介しましたが
ヨモギは、もとは中央アジア原産と
考えられていますが、日本在来種。

 

キク科ヨモギ属の多年草で秋の
9月〜10月に花を咲かせます。

 

学名は「Artemisia」、
英名は「mugwort」。
漢字ですと「蓬」、中国語
では「艾」あるいは「艾蒿」。

 

 

 

 

漢方では「艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、
「艾」は日本では「もぐさ」と読みます。
(もぐさがヨモギで作られることから)

 

と書きましたが、ヨモギを「蓬」と書く
のは平安中期の歌人・源順(みなもとの
したごう)が『倭名類聚抄』(930年代)
に間違って書いたことが発端だそうです。

 

それ以前は日本でもヨモギと
いう漢字は「艾」でした。

 

 

ヨモギの花
(写真/「kotokoto花日記」)

 

 

 

風媒花  →  虫媒花  →  風媒花

スギなどは木本花粉といい、数十キロ、時
には数百キロも飛散しますが、草木花粉の
ヨモギの飛散範囲は、わずか数十メートル。

 

飛散距離は短いものの、目立った
花びらもない地味な花なのですが
大量の花粉を飛ばすそうです。

 

ヨモギの属するキク科の多くの
植物は、進化の過程で、風媒花
から虫媒花になりました。

 

ところが、ヨモギは虫媒花をやめて
再び風媒花に転換したという植物で
風に乗せて花粉を飛ばすのです。

 

 

「よもぎ麩(生麩)」不室屋

 

 

 

他の植物の発芽を抑制する物質を分泌

また、セイタカアワダチソウと同じく
地下茎などから、他の植物の発芽を
抑制する物質を分泌しています。

 

(この現象を「アレロパシー・他感
作用・allelopathy」といいます)。

 

という理由でヨモギは、野原や道端に
たくさん集団で生えているのでしょうか?
ヨモギ花粉症の人は近づかないようにね。

 

 

セイタカアワダチソウ

 

 

 

症状

症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、
目のかゆみ、充血、涙目など。

 

ヨモギ花粉の粒は、比較的小さいの
で、吸い込むと気管支まで入り込み
喘息のような咳が出ることがあります。

 

また、もともと喘息のある人は
症状が悪化することもあります
ので、くれぐれも注意しましょう。

 

 

 

 

ヨモギの口腔アレルギーを起こす食品は
メロン、スイカ、キウイ、セロリなど。
ニンジンに出ることもあるようです。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)

 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 原因は、花粉症の原因物質と似た
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

 

「よもぎ麩(生麩)」不室屋

 

 

ヨモギの花粉アレルギーがある人は
ヨモギ入りの草団子でもアレルギー
症状が出ることがあります。

 

また、ヨモギのようなキク科の花粉症の人
は、キク科の植物からとのった油、紅花油
やサフラワー油も、アレルギーを悪化させ
ることがありますので要注意です。

 

 

 

〜おまけ〜

約400年前、織田信長は「黒色火薬」
の原料としてヨモギを使いました。
「黒色火薬」とは、硝石(硝石カリウムの
結晶)と硫黄、黒炭を原料に作ります。

 

ヨモギには、硝石の原料となる硝酸
を約2000ppm含んでいるので、ヨモギ
を何度も醗酵させて、純度の高い硝石
を作り出して使用したのです。

 

花粉症とは関係がありませんが
ちょっと驚いたので書いてみました。

 

 

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花粉症 イネ科「ブタクサ」

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「ブタクサ(豚草)」

日本ではじめて花粉症症例が報告
されたのは、スギやヒノキではなく
1960年のブタクサ花粉症でした。

 

アメリカでは、全人口の5〜15%が
ブタクサ花粉症との統計もあります。

 

日本ではスギ、ヒノキに次いで花粉症
の原因となる植物で、学名は「Ambrosia
artemisiifolia」、雌雄同株の風媒花。

 

ブタクサの名前は、英語の通称名
「ホッグウィード(hogweed)」の
「hog(ブタ)」と「weed(雑草)」
からきています。

 

 

 

 

 

韓国では輸入禁止植物、日本は要注意外来生物

北アメリカ原産で、明治初期に日本に
入り、昭和初期に全国に広がりました。

 

シラカンバとは反対にブタクサは
北海道にはない、ある説とありますが
いずれにせよ多くはないのでしょう。

 

小児喘息の原因植物ともいわれ
韓国では輸入禁止植物だそう。
日本では、外来生物法により、要
注意外来生物に指定されています。

 

 

 

 

 

オオブタクサ(大豚草・クワモドキ)

ブタクサの大きいバージョンで、背丈は
50cm〜3mにも達するという、オオブタ
クサも花粉症の原因となる植物です。

 

葉が桑に似ているため、クワモドキとも
いいますが、ブタクサ同様、北アメリカ
原産で、日本に入ってきたのは1952年。

 

アメリカから輸入したダイズに付着
していた、オオブタクサの種子が
お豆腐屋さんなどで廃棄された際に
発芽したもの、と考えられています。

 

 

 

 

 

花粉サイズが小さいのが特徴

ブタクサの丈は1m〜2mで、夏の終わり
から秋にかけて、2mmほどの小さな
黄色の花が細長く連なり穂を作ります。

 

ブタクサ花粉の特徴は、サイズの小ささ。
スギ花粉の大きさですと、鼻に侵入しても
鼻毛などに捕まって奥へ行けないことが
ほとんど。

 

ところが小さなブタクサ花粉は
鼻をすり抜けて、気管支まで侵入
することが可能なのです。

 

 

ブタクサ
(写真/「金沢動物園」)

 

 

粘膜を刺激して咳などを引き起こ
し、喘息の原因にともなります。
またすでに喘息の人は、症状
が悪化することもあります。

 

 

 

ブタクサ花粉症の症状

主な症状は、他の花粉症と同様、くしゃみ、
鼻水、鼻づまりで、花粉皮膚炎による
肌荒れをおこすこともあります。

 

目や鼻、ノドのかゆみ、また咳が出や
すい特徴から風邪と間違えることも。

 

風邪の場合は熱があっても1週間ほどで
治りますが、熱がなく長引いているような
場合はブタクサ花粉症の可能性もあります。

 

 

 

 

ブタクサ花粉症の人の口腔アレルギー
が出る食物は、メロンやスイカなどの
ウリ科の果物ですので注意が必要です。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)
 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 原因は、花粉症の原因物質と似た物質
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

 

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