ひきこもり 3

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

「ひきこもり」の定義

「ひきこもり」の定義として厚生労働省では
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との
交流をほとんどせずに、6か月以上自宅にひき
こもっている状態」と説明しています。

 

 

1 普段は家にいるが、近所のコンビニなど
 には出かける

2 自室からは出るが、家からは出ない

3 自室からほとんど出ない

____________________
4 普段は家にいるが、自分の趣味に関する
 用事の時だけ外出する(準ひきこもり)

 

 

1〜3にあてはまる人が「狭義」のひきこもり、
で、4も含めたものが「広義」のひきこもりです。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」の原因

1 人間関係によるストレス

学生ですといじめ、職場ではトラブルを
起こした等が原因となって家から出なく
なってしまうケースです。

また新しい環境に上手になじめない
ことも原因となったりします。

 

 

2 不登校からそのままひきこもりに

学校に行かなくなったのをきっかけに
そのまま引きこもってしまうケース。

 

 

 

 

3 就職活動がうまくいかないことから

望んだ会社に就職できない等の理由から
ひきこもりになってしまうケースです。

 

 

4 受験に失敗

大学受験だけではなく、高校受験でも
おきますが、初めての大きな挫折と
感じる人も多いのかもしれません。

 

 

5 うつ病

ストレスからうつ病を発症し、ひきこ
もりになってしまうというケースです。

 

 

 

 

6 ゲームやインターネットに依存

ゲームやインターネットを楽しんでいるうち
に依存症になり、次第に学校や職場を休み
がちになって、ひ
きこもってしまう人。

 

 

7 特に理由がない

内閣府のひきこもりの調査で「ひきこもりの
状態になったきっかけ」という質問に対し、
「理由ない」と答えている人々もいます。

 

ですが本人が気づいていないだけで、何かしら
理由があると思った方がいいと自らも不登校
の経験を持つ小幡和輝さんは書いています。

 

 

 

 

 

ひきこもりを解決する方法

1 ひきこもりを認める

親としては焦り、悩むのは仕方のないこと
とは思いますが、まずはひきこもりを認め
てあげるのが大切。

 

その上で原因を聞き出し、解決法を考える
のがいいようです。

 

 

2 本人から話を聞く

一刻も早い解決を、と望むあまり焦って
詰問をすることがないようにしましょう。

 

原因を話すことが難しいと思っている
ひきこもりの人は多いものです。
まずは、話せる環境づくりが大切。

 

 

 

 

3 家族で会話できる環境を増やす

ひきこもってしまった人にとっては、家族
が唯一のコミュニケーションの相手です。

 

食事やテレビを見るなどを一緒にできる
場を多くつくり話す環境を整えることが
重要ですが、ただすぐにひきこもりを
話題にすることは避けたほうが賢明。

 

 

4 成功体験をつめるようにする

ひきこもりの子は、往々にして自信がないこと
が多いもの、子どもが取り組んだことに進歩
が見られたような場合は褒めてあげましょう。

 

成功体験を1つでも多く経験できることで
自信がついていきますので、取り組んだ内容
は勉学に限らず、ゲーム等の一般には遊びと
考えられることでも。

 

 

 

 

5 お金の話をする

最近はひきこもり脱出のために
「お金の話をする」という対策が
注目を集めているそうです。

 

お金のプロであるファイナンシャル
プランナーが、将来にかかるお金に
ついて説明し、

 

「働かないと将来が大変ですよ」ではなく、
「少しでいいから働けば、今よりいい生活が
できる」と社会復帰の後押しをするとのこと。

 

これを、私自身がひきこもりで説明されたと
したら、もっとひきこもりが重傷になりそう
な気もするのですが、そこはファイナンシャル
プランナーの説明の仕方なのでしょうか?

 

 

 

 

6 病院やカウンセリングに連れて行く

本人にその意思があった場合は
病院等に連れて行くのも有効です。
時には、本人の自覚はなくても精神的な
病気が関わっている可能性もあります。

 

本人が乗り気ではない時は、両親だけ
であっても、実際にどのような治療法が
あるのか等の確認ができると思います。

 

 

7 おこづかいを与える

お金を使うために外出するように
誘導する方法。

 

ただし、一度おこづかいを渡すと、際限
なく要求される可能性もありますので
一定の金額を設定しておくことが必要です。

 

 

 

 

8 ひきこもりで生計を立てられるようにする

ひきこもり状態でも生計が立てられる
ようにすることで、大きく変わります。

 

特に近年は、インターネットビジネスも
ありますので、ひきこもったままで仕事
をすることも可能です。

 

 

9 人を自宅に招く

家族以外と話す機会の少なくなっている
ひきこもりの人に、積極的に外の人間と
話す回数を増やして社会復帰へ促します。

 

ただ、招く人は誰でもよいわけではなく
学校の先生や友人など、あまり近すぎる
関係の人には劣等感を感じてしまい、かえ
って逆効果になることもあるといいますので
遠い関係の人から始めるのがいいようです。
(参照/「小幡和輝 オフィシャルブログ」)

 

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ひきこもり 2  56歳のひきこもり男性が衰弱死

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増える中高年のひきこもり

昨年2019年3月、内閣府は40〜64歳
の「中高年ひきこもり」状態の人が
全国に61.3万人いると発表しました。

 

しかし、当事者や家族で作るNPO法人
「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」
では、40歳以上も含めた数は
約100万人と推計しています。

 

青少年の若年期の問題と捉えられていた
ひきこもりも、その長期化に伴い高年齢化
が課題となってきています。

 

中高年になったひきこもりと、高齢の親が
孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」
が深刻化してきました。

 

 

 

 

 

56歳のひきこもり男性が衰弱死

昨年の8月、56歳でひきこもりの男性が
衰弱で亡くなったという報道を目にしました。
死因は低栄養と低体温による衰弱死でした。

 

ひきこもり状態が30年以上も続いており
その間、両親も亡くなり自宅で一人暮らし。

 

家族や近所の人々、行政などは彼を気にかけ
ていたといいますが「自分でなんとかしたい」
と支援を拒んでいたといいます。

 

 

 

 

 

「自分でやりたい、

父親にそのように言われていましたので」

破れた服からは、肋骨が浮き出でるほどに
やせ細った体が見え、足元もふらついていた
彼に、一緒に病院へ行こうと勧めるも、

 

「病院は自分で探して行ってみたい。
自分の力でやりたい」

 

「健康を取り戻して、できるだけ
早く仕事につくよう努力します。
亡くなった父親にそのように
言われていましたので」

 

と行政の支援を拒み続けていました。

 

市の担当者は、数日おきに食料を持って彼を
訪ね説得しますが、病院へ行くことは頑なに
拒み、1か月半後に自宅で息を引き取ります。

 

 

 

 

 

受験に失敗後、次第に社会と接点をなくす

彼には弟が一人いましたが、11年前に
両親が亡くなった後、家を出て結婚し
彼とは疎遠になっていたそうです。

 

死後に家の整理に弟が訪れると、彼の部屋
にはせんべいの袋やペットボトルなどの
大量のゴミが散乱していました。

 

もともと社交的で、冗談を言っては家族を
笑わせ、将来は英語を使った仕事に就きたいと
英文科がある大学へ進学を希望していた彼。

 

その大学入試の失敗で、浪人生活を送るよう
になってから、彼は変化したといいます。

 

進学をあきらめて書店の営業や、医療事務
など複数の仕事に就きましたが長続きせず
次第に社会との接点は希薄に。

 

 

 

 

 

父親の日記

彼が20代半ばだった頃、父親は病気で仕事
を退職し「働かない息子を何とかしたい」
との思いが綴られた日記を残しています。

 

「何か少し忠告めいたことを口にすれば
『他人に迷惑をかけている憶えはない』
『俺がどのように生きようと勝手だ』
と返ってくるのみ」

 

「夕飯後また伸一と口論。
なるべく口にしないように心がけて
いるんだけどついつい」

 

「家庭内がだんだんぎくしゃくしていく。
どのように対処すべきかさっぱりわからない」

 

 

 

 

 

「働かざるもの、食うべからず」

働いていないことを繰り返し咎めたこと
で、彼と父親の関係は悪化して行き、次第
に彼は手洗いや戸締りの確認を繰り返す
などの行動が目立つようになります。

 

家族をさけて昼夜逆転の生活を送る
ようになった彼は、食事も極端に
制限するようになっていました。

 

その姿はまるで「働かざるもの、
食うべからず」を体現するように
父親の目には映っていたようです。

 

「最近は伸一、一緒に
食事をしたことがない。
やはり働きのないことが
気になっているのか」

 

「最近は食事のおかずもあまり食べない。
やせ細って命を絶つつもりか」

 

 

 

 

 

両親の死

父親は末期がんを患い、母親には
認知症の症状が現れ始めました。

 

弟は度々、公的支援に救いを求めますが
行政が支援に乗り出そうにも、彼のよう
なケースには、それもできませんでした。

 

そんななか、母親が死亡、その2か月後
には父親も亡くなってしまいます。

 

 

 

両親の死により、地域包括支援センター
との繋がりは絶えました。
それでも弟は、

 

「無理にでも入院させて、
生活を立て直してほしい」

 

と保健所に相談しますが、医師からは
「入院が必要なレベルには達していない」
と言われてしまいます。

 

 

 

 

 

緩やかに死に向かう

しかし弟の目からは、当時の兄はすで
に栄養状態が極めて悪く、直接的な
自傷行為こそないものの、緩やかに
死に向かっているように見えました。

 

「兄の場合は、やはり
窮迫していたと思います。
もう命が切れかかっているといいましょうか。
命が先か、それとも人権を守るという
ことかっていうと、まず、命の危険が
差し迫ってるんだったらば、命を救う
ことが先なんじゃないかなと思います」

 

「世間から褒められるということもなく、
家庭を築くということもなく、あまり
生産性という面では社会に寄与しなかった
人ですけど、弟の身からすれば、それで
生きる価値がなかったとは思いたくはない
ので、どういう形であれ命は長らえてほし
かった気持ちはありますね」

 

 

 

 

 

「手を差し伸べる『誰か』」

この取材をしたNHKクローズアップ現代
の森田智子ディレクターは、このように
記しています。

 

「私がこれまで取材をしてきたひきこもり
当事者の方の多くは、仕事についていな
かったり、子どもを生んでいないなどと
いった『社会に貢献できていないのでは
ないか』という負い目に苦しみ、今も
そこから抜け出せずにいます。
『助けて欲しい』という声を上げる
ことは死ぬことよりも難しい。
それが彼らの直面している現実です。(略)

 

手を差し伸べる『誰か』が確実にいる地域
を作り、困ったときに声を上げられる居場所
を確保していけるのかが、問われています」
       (「HNK NEWS WEB」)

 

 

 

「生きているだけで価値がある」山本太郎

「生産性だけで価値を測る社会が、
生き辛さを生んでいる」
と山本太郎は語りかけます。

 

彼にこの言葉を伝えてあげた
かったと、心から思います。

 

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ひきこもり1 中年ひきこもり 初の全国調査

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実数は100万人と推計

2019年3月29日、内閣府は「中高年
ひきこもり」状態の人が、全国に
61.3万人いるとの推計を発表しました。

 

中高年のひきこもり(40〜64歳)の
全国規模の数が明らかになるのは
今回が初めてのことです。

 

当事者家族らは、従来30代までとして
いた調査対象の年齢制限を取り払って
高齢化などの実態を把握し、政策も
見直すように求める要望書を東京都
青少年課に手渡していました。

 

2015年の内閣府調査では約54万人という
ものの、当事者や家族で作るNPO法人
「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」
では、40歳以上も含めたひきこもり
は約100万人と推計しています。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」の定義

国が用いる定義では、仕事や学校などの社会
参加を避けて家にいる状態が、半年以上続く
ことをいいます。

 

内閣府調査では、ほとんど自室や家から出ない
「狭義のひきこもり」に加えて、趣味の用事の
時だけ外出する人も含めた「広義のひきこもり」
を推計しています。

 

従来は、専業主婦(夫)や、家事手伝いはひき
こもりから除外していましたが、今回から変更
し、回答から最近半年間に家族以外との会話が
ほぼなかったとわかる人は、引きこもりに含め
ています。

 

 

 

 

 

若年ひきこもり <中高年ひきこもり

今までひきこもりは、青少年といった
若年期の問題と捉えられてきましたが
その長期化に伴い、高年齢化が課題と
なってきています。

 

2015年に内閣府が実施した調査の推計
では、15〜39歳の「若年ひきこもり」
は54.1万人。

 

今回とは調査方法が一部異なりますが
40〜64歳のひきこもりが61.3万人。

 

 

 

 

単純比較はできませんが、中高年の
ひきこもりの方が上回っているという
ことになります。

 

この数字は、以前から言われていた、中高年
で引きこもっている子どもと、高齢の親が
孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」
が、深刻化することを示しています。

 

また、現在30代後半から40代後半の
「就職氷河期世代」の多くが40代に
達しているため、中高年の引きこもりが
増えているとの指摘もあるようです。

 

 

 

 

 

調査結果

今回の調査は、2018年12月に無作為抽出
した、40〜64歳、5千人を対象に実施
したものです。  (有効回答65%)

 

ひきこもっていた人の年齢層は、
  40代     38.3%
  50代     36.2%
  60〜64歳  25.5%

 

期間に関しては、5年以上の長期に
及ぶ人が半数を超え、20年以上の
人が2割弱を占めています。

 

 

 

 

性別では、
 男性  76.6%
 女性  23.4%

 

引きこもり状態にある人の比率は
全体の1.45%で、この比率から
全体状況を推計しています。

 

 

 

 

 

斎藤環氏の言葉(精神科医・筑波大教授)

「中高年のひきこもりが社会問題化して
こなかったのは、国による調査がなされ
なかった影響が大きい。

 

全国の自治体や研究者から、ひきこもりの
半数が40歳以上という調査結果が次々と出て
いたにもかかわらず、国は放置してきた。

 

こうした国の姿勢は「ひきこもりは青少年の問題」
という先入観を広げることにもつながった。
その責任は重い。

 

今回の調査をきっかけに、中高年の当事者の
ニーズを丁寧にくみ取った就労支援に加え、
当事者や経験者らが集まって緩やかに経験を共有
できる居場所を全国に作ることが必要だ。」

 

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