クコ(枸杞) 「クコ茶」

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「ゴジベリー」?

先日、お友達が来てくれたときにいくつかのドライフルーツを
お皿に並べると、彼女がクコの実を手にして
「これゴジベリーでしょ?」と聞くのです。

 

「ゴジベリー」なる言葉を知らなかった私はその時、
「日本ではクコだけど……」と何とも間が抜けた返事をしたのですが。

 

彼女はこのゴジベリー(クコ)と一緒にナッツ等をグラインダー
で小さくしてお料理に使っているということでした。
うん、それはいかにも体によさそう。

 

 

      クコ(枸杞)・ゴジベリー( GOJI  BERRIES)

 

 

 

こう見えて「ナス科」

「ゴジベリー(GOJI  BERRIES)」という名の「クコ」は
今やスーパーフードとして人気の食品なのだとか。
私は「クコ」がそんな有名人だとはつゆ知らず
たまたまついでに購入しただけなのですが。

 

ちっちゃいけど大きな効果を誇るクコは、漢字で書くと「枸杞」、
ちょっと意外なことにナス科の植物です。
学名は「Lycium chinense」。

 

学名の「Lycium(リシウム)」というのは、中央アジアのLyciaという
土地に生えていた棘の多い木、「lycion」の名前に由来しています。
夏から秋にかけて美しい紫色の花が咲いた後に、赤い実がなります。

 

 

          クコの実(左)とクコの花(右)

 

 

 

根も葉も、実も

中国では果実を「枸杞子(くこし)」と読んで
枸杞酒や薬膳料理の材料として使われていますが
クコという植物の活躍はそれだけではありません。

 

葉は「枸杞葉(くこよう)」と呼ばれる漢方薬になり、
根皮は「地骨皮(じこっぴ)」という解熱や強壮薬に使われます。
私とクコの出会いは小学生の頃、母がクコの葉を煎じていたことが最初。

 

クコは中国と日本では「沼美久須利(ぬみくすり)」と
呼ばれて古くから栽培されていた植物です。
枝にトゲがあることから、生垣にも利用されていました。

 

 

    元は薬膳料理だった「杏仁豆腐」に使われている「クコ」

 

 

 

クコの「副作用」と「避けた方がいい人」

子どもの頃は腎臓病の改善のために母の煎じるクコの葉の何とも言い難い
香りがキッチンに充満していた経験から「おばあちゃんの漢方薬」の
イメージのあったクコが、現在はなんとヨーロッパのセレブ御用達とは。

 

地味な高校生と思っていた隣のお姉さんが、いつの間にやらパリコレで
ランウェイを颯爽と歩むスーパーモデルになっていた位の驚きですが
クコの薬効を御紹介する前に、副作用と摂取しない方がいい人のことを。

 

副作用としては、生理が早くなってしまう生理作用の促進があります。
また人工中絶薬の作用として知られる「ベタイン」を含んでいますので
妊娠している方や、授乳中の方は控えた方がよささそうです。

 

 

     アラボンヌーの「ゼリー杏仁」の真ん中にもクコが

 

 

 

クレオパトラと楊貴妃も毎日摂取

産地によって含まれる成分は多少異なるようですが、基本的に
クコの実には100種類以上のビタミンやミネラルが含まれています。

 

様々な薬効の中でも多くの女性に支持される美容面の効果
といえば、肌の美白効果、保湿効果、コラーゲンの生成等の
アンチエイジング効果があげられるでしょう。

 

世界三大美女(出た!)のうちの、クレオパトラと楊貴妃が
(今回は小野小町はお休み)毎日クコの実を食べていたといいます。

 

と御常連の三大美女のお話ですが、巷でいわれる三代美女も食べていた
という食品を集めてみたら、彼女らは美容のために毎日、どれほどの
食品を摂取していたのやらと他人事ながら心配になるほど。

 

 

 

 

 

美肌効果(美白、保湿、コラーゲン生成)

そんな昔にクコが肌によいということを知っていたのもすごいことですが
現在では、クコの実エキスが紫外線ダメージによる色素沈着の程度を
軽くするという実験結果を資生堂リサーチセンターが発表しています。

 

クコの実エキスは、ビタミンCの2倍の美白効果があり、シミの予防や
あるいはすでにできてしまったシミの回復にと効果を発揮するそうです。
またクコには、オレンジの約500倍ものビタミンCも含まれているとか。

 

先ほど、妊娠中、授乳中は避けた方がよいという「ベタイン」ですが
プラス面としては、保湿効果、血液浄化作用、肝機能活性作用も
ありますので、肝臓の働きを助け糖尿病にもよい作用が期待できます。

 

クコにはヒドロキシプロリンというコラーゲンの生成を促す成分も
含まれ、同時にコラゲナーゼ活性を阻害する働きも持っています。
ということは、コラーゼン生成だけではなく、コラーゲンを壊すことを
防いでくれる働きもしますので、これは願ったり叶ったりといえますね。

 

その上、クコに多く含まれている、βカロテンは抗酸化作用があり、
コラゲナーゼが活性酸素を阻害し、シワやたるみなどの進行を遅らせ、
ゼアキサンチンは、体内で発生した過酸化物を無害な物質にします。

 

 

          クコの実は紅茶にも合いますよ

 

 

 

「不死の実」

美容効果に比べてちょっとテンションは落ち気味ですが
目にもよく、クコの実は「飲む目薬」とも言われています。
中医学で「枸杞子(くこし)」は、滋養強壮、目の疲れを取る漢方です。

 

ゼアキサンチンという、目の網膜中心部に含まれる成分を有効に摂取でき
網膜を守ってくれるため、眼精疲労、白内障、緑内障の予防によいよう。
これ実は、私はかなり期待したいです。

 

ビタミン Pは冷え性やむくみ、血行不良による肩こりに効き、
ルチンが毛細血管を丈夫にし、ベタインが血行をよくして高血圧も予防。
疲れた神経を興奮させるアルカロイドには疲労回復作用も期待できます。

 

その他には、乾燥性の「カラ咳」にも効果があり、
うずくような腰やひざの痛みにも効果を発揮するといわれています。
また精子を増加させる効果もあり、少ない男性の治療にも使われるとか。

 

というようにクコの実の効果は満載ですが、それ故に
クコの実は「不死の実」ともいわれているそうです。
すごいですね、「不死」ですって!

 

 

          クコ入り茶1 紅茶に入れる

 

 

 

1日の摂取量は3〜5グラム

でも効果がすごいからといって、とり過ぎはやはり禁物。
1日に大さじ1杯、20粒前後がよいようです。

 

摂り方は私の友人のように他のものと混ぜてグラインダーで細かくする
のも消化によさそうですが、うちにはグラインダーがありませんので
そのままサラダやスープにと入れています。

 

クコのみをそのままいただくとレーズンに似ているともいわれます。
現在、私はレーズンが苦手なのですがクコの実は全然平気でした。
というより美味しかったので、そのままというのも充分ありですよ。

 

 

          クコ入り茶2 緑茶に入れる

 

 

 

クコ茶(クコの葉を煎じるお茶)

それ以外ではお茶にするという方法もありますね。
私の母がしていたように葉っぱを煎じて、クコに薬効を期待するお茶と、
もっと気軽にハーブティー感覚で様々なお茶にクコを入れるものと。

 

クコの葉を煎じるクコ茶の作り方
1リットルの水に大さじ2〜3杯ほどの乾燥したクコの葉を入れて
火にかけ、沸騰後は10分程度とろ火にすれば出来上がります。

 

また煎じずに、急須に入れ熱湯を注いで出すこともできます。
この場合も、クコの葉の量は大さじ1〜2杯でお好みで。

 

 

    クコ入り茶3 お湯に入れる(あるいは水から煮出す)

 

 

 

クコ茶(クコの実を入れたお茶)

今回、写真に撮ってみたクコ入り茶は、
1  紅茶、2  お湯、3  緑茶、の3種類ですが、コーヒーのような強いもの
以外でしたら、中国茶やハーブティーに加えてみてもいいですね。

 

クコをあまり多くは入れないようにして、今回はそれぞれ10粒ずつに。
私は、ほとんどお湯という感じはつまらないので
クコの実をお水から煮出してみました。

 

カップに直接、クコの実を入れてお湯を注ぐ方法もあるようですが
実は柔らかくはなりますが、お茶としては薄く味気ない気もします。
煮出しても、結構薄めでしたから。

 

もっとも産地や購入したお店によって違うと思います
ので、色々試してみると楽しいかもしれません。

 

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ヘーゼルナッツのロースト方法 ヘーゼルナッツ(ロースト)「フルーティヤフーズ」

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初の「ロースト」ヘーゼルナッツ

今回、初めて「ロースト」をしたヘーゼルナッツを買いました。
以前は同じ「フルーティヤフーズ」でヘーゼルナッツの
生タイプを買ったことがありましたが、今回はローストを。

 

本当は,生を買って使うたびに自分で「ロースト」した方が酸化が
少なくて健康にはいいと思うのですが、どうも自分で上手に
「ロースト」する自信がないので、手っ取り早く買ってしまいました。

 

「ロースト」と聞きますと,まずはローストビーフや
ローストチキンなどという言葉が浮かびますが
そもそも「ロースト」ってどのような意味なのでしょうか?

 

 

ヘーゼルナッツの総生産量の75パーセントはトルコ産
日本に輸入されるヘーゼルナッツの95パーセントもトルコ産

 

 

 

「ロースト」とは?

『語源由来辞典』によりますと、「肉などをあぶり焼きにしたり、
蒸し焼きにしたりすること。また、その料理」のことで、
「ロースト」の語源・由来としては、英語の「roast,」からの外来語。

 

「あぶり焼き」を意味するゲルマン祖語の「raustjan」が
12世紀にゲルマン系のフランク語「rostir(ロスティール)」となり、
13世紀に英語に入り「roast」になりました。

 

一般的に「ローストチキン」や「ローストビーフ」など肉料理に使い。
「あぶり焼き」や「蒸し焼き」を意味するが「ローストナッツ」のように
「豆類を炒る」意味でも用いられるとのことでした。

 

 

          木になっているヘーゼルナッツ

 

 

 

生のヘーゼルナッツはちょっとクセがある

やっと最後になって,豆類のローストが登場しましたが
結局は豆(ヘーゼルナッツ)を炒ったものということですね。

 

一般的にナッツ類は、加熱によって栄養成分が失われてしまい
ますので、健康のためや美容上の効果を期待してヘーゼルナッツ
を摂る場合は、生のままの方が良いようです。

 

とはいえ、ヘーゼルナッツは生ですと少々、クセがあって
食べにくいという方もいらっしゃることでしょう。
そんな方には、自宅でのローストを是非、お勧めします。

 

 

ヘーゼルナッツの形には、1丸型( ROUNDED)、
2尖形(POINTED)、3長形(LONG)の3種類がある
これは1の丸型

 

 

 

ヘーゼルナッツのローストの方法

1 フライパン
まずは一番簡単なフライパンでローストする方法です。
弱火で、薄いキツネ色になるまでローストするだけ。

 

2 オーブン
160℃〜180℃のオーブンで10分ほどローストします。
香ばしい風味が立ち上ってくるロースト法です。
フライパンでのローストは焦げつきに注意が必要です。

 

3 ホームベーカリー
この方法は今回初めて知りましたが、ホームベーカリー
でもナッツのローストが出来るということです。

 

 

英語で「ヘーゼルナッツ(Hazelnut)」
フランス語で「ノワゼット(Noisette)」
日本語では「ハシバミ(榛)」

 

 

 

ロースト後にハチミツ漬けで保存

本当は、ヘーゼルナッツを使用するたびにローストする
というのが理想なのかもしれませんが、そうはいっても
毎回は面倒ですよね。

 

ある程度の量を一度にローストして、それを保存
しながら少しずつ使う、というのが普通のようです。

 

ただそれでも、出来るだけ酸化をおさえたいということも
あって、ローストをしたヘーゼルナッツの保存には
ハチミツ漬けをしている人がかなりいらっしゃるよう。

 

ローストしたヘーゼルナッツに限らず、ナッツ類のハチミツ漬けは
単に酸化を防ぐという意味だけではなく,おいしいということも魅力。

 

作り方は,というほど説明の必要もないほど簡単で、ローストした
ヘーゼルナッツがかぶる程度の蜂蜜を入れるだけです。

 

 

 

 

 

ヘーゼルナッツの効果

ヘーゼルナッツは、栄養価が高いといわれるナッツ類の中でも特に
生活習慣病の予防や老化防止などに効果があるナッツとして有名です。

 

老化防止に効果を発揮する抗酸化作用を持つ脂肪酸である
オレイン酸はアーモンドの1.6倍も多く含まれています。

 

そのほかには美肌効果や、腸内環境を整える効果もあり、
また骨粗しょう症の予防にも期待できるといわれています。

 

 

 

 

 

ヘーゼルナッツの栄養価
(可食部100グラムあたり)

エネルギー        684キロカロリー

タンパク質         13.6グラム

脂質           69.3グラム

炭水化物          13.9グラム

ビタミンE         28.3ミリグラム

ビタミンB2          0.28ミリグラム

カルシウム         130ミリグラム

食物繊維           7.4グラム

 

 

 

 

 

ヘーゼルナッツを効果的に食べるには

先ほどヘーゼルナッツの効果として、抗酸化作用を持つオレイン酸が
アーモンドの1.6倍も多く含むとお伝えしましたが、これを最大限に
活かすには、ヘーゼルナッツを食べるタイミングが重要なようです。

 

最もオレイン酸がよく働くといわれて炒るのは、食事の30分から
1時間半前までに食べるのがよいのだそうです。

 

なにやらお薬の服用のような感じもしますが、これが
抗酸化作用を最大限に活かせる時間帯なのだとか。
また1日の摂取目安は、約20粒ともいわれています。

 

ですが、まあこれは本当にお薬ではないのですから
これより少なくても多くてもよいのではないかと。

 

栄養効果を期待して摂るのもよいでしょうが、
私はそれ以上に味を楽しみ美味しくいただく方が
結果的には健康にもよいような気が私自身はしています。
美味しい方がいいよね。

 

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市田柿(干し柿)で作られた和菓子 粋甘粛「源吉兆庵」

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160208suikanshuku

 

 

ドライフルーツだけど和菓子

この写真を見ると一見、コロッとした干し柿かな?、とも
思われるかもしれませんが、これは源吉兆庵の干し柿を使った
「粋甘粛(すいかんしゅく)」というお菓子です。

 

丸ごとの干し柿の中に白あんを詰めたものを、羊羹で薄く
包み込み、そのまわりをみじん粉でまぶしてあります。

 

干し柿のもっている本来の甘さに、すっきりとした控えめな白あん、
そしてまたちょっと甘い羊羹という、3種類の甘さの
ハーモニィが楽しめるドライフルーツ和菓子。

 

 

160209suikanshuku   源吉兆庵の「粋甘粛(すいかんしゅく)」を切ったところ

 

 

 

柿の季節だけのお菓子「粋甘粛」

1つあたりのエネルギーは213キロカロリーで、商品発送から
賞味期限までの日保ちは、おおよそで20日間ということ。
季節限定のお菓子で、9月の上旬から2月の中頃まで販売されています。

 

原材料名は、
干し柿、砂糖、白小豆、白あん、水飴、小豆、澱粉、寒天、赤酒、
トレハロース、ユッカ抽出物、ゲル化剤(糖粘多糖類)、調味料
(アミノ酸等)、酸化防止剤(二酸化硫黄)。

 

酸化防止剤として「二酸化硫黄」?、とちょっと驚きましたが。
源吉兆庵の「粋甘粛」に使われているのは、長野県下伊那郡
高森町の市田地方で栽培されている「市田柿」という渋柿。

 

2006年10月に、特許庁から長野県唯一の地域ブランド
として認定された、南信州を代表する特産品です。

 

 

121202kaki    こちらは低温乾燥をさせたかゆりファームの「かゆり柿」

 

 

 

干し柿

干し柿には大きく分けて「あんぽ柿」と「ころ柿」が
ありますが、それぞれの特徴は次のようなものです。

 

       あんぽ柿           ころ柿
   ___________________________

水分    50パーセントほど       25〜30パーセント
*粉     表面に粉がない         表面に粉が出ている
食感     やわらかい          羊羹のようにねっとり

 

市田柿は「ころ柿」で、「ころ」は「枯露」と書きます。
昼間は乾いて(枯)、朝夕は露で湿っている(露)という
ことを繰り返すことによって、干し柿ができあがります。

 

また「枯」「露」だけではなく、よく転がし揉んで仕上げるという
意味で「転がす(ころがす)」の「ころ」だとも言われています。

 

 

141125kaki

 

 

 

文献上に現れる柿

植物学上カキノキ属に属する柿の仲間は、約200種類あり
アフリカ以外の熱帯から温帯にかけて分布しています。

 

日本にもヤマガキが自生していたとの説もありますが
市田柿を作る渋柿は、奈良時代に中国から伝わったといわれています。

 

日本で文献上「柿」という文字が現れたのは『古事記』や『万葉集』で
人名や地名として登場、というとすぐ思い出すのは柿本人麻呂ですが
名前の由来は、自宅のそばに柿木が生えてたからだそう。(ホント?)

 

平安時代中期に編纂された律令の施行細則『延喜式』
には、柿百株を栽培したとの記載もあります。

 

 

kurokakiryomenzushi
           「黒柿両面厨子」正倉院

 

 

柿の栽培といっても食用ばかりではなく、高級用材としても用いられて
いたようで、正倉院にはカキノキ科の木材で作られた「黒柿両面厨子」
というお厨子や「黒柿蘇芳染金銀山水絵箱」等が納められているとか。

 

また『宇治拾遺物語』や『古今著聞集』にも柿は登場し、
そうそう『さるかに合戦』にも柿は出てきますね。

 

 

 

gokisitido

 

 

 

中国  →  九州  →  下伊那地方へ

飯田市下伊那地方は奈良を起点として、現在の岐阜県、長野県、群馬県
などの本州の内陸部から東北へ通じる(古)東山道の道筋にあたります。
中国から九州へ伝わっていた渋柿は、下伊那地方へも広まってきました。

 

鎌倉時代の1278(弘安元)年、日蓮大聖人から信徒であった伊賀良庄
(現在の飯田市)の地頭代・四条金吾頼基(しじょうきんご  よりもと)
へ送られた礼状には「串柿五把」の文字が見えます。

 

このことから、当時は素朴な製法だったと思われるものの
700年以上も前の鎌倉時代に、飯田市下伊那地方では
すでに渋柿の栽培や加工が行われていたことがわかります。

 

 

kakiakasakaaono131116

 

 

江戸時代にはお米を納める年貢が有名ですが、飯田・下伊那地方は
干し柿による収入も多かったことから干し柿にも年貢がかけられていて
1656(明暦2)年、飯田城主の脇坂安元が柿改を行った記録があります。

 

当時は「立石柿」という柿が主流で、江戸でも人気の干し柿でした。
しかし次第に人気は、立石柿から「焼柿」へと替わっていきます。
この「焼柿」が後に「市田柿」と呼ばれる柿です。

 

 

160209suikanshuku       「粋甘粛(すいかんしゅく)」源吉兆庵

 

 

 

明治の終わりから始まる市田柿作り

明治の末、市田柿を生み出すことになる上沼農園では、柿の栽培と
出荷を続けましたが、事業は失敗の連続だったといいます。
ようやく軌道に乗るようになったのは、なんと戦後になってから。

 

戦時中、果樹は贅沢品とされ、新たに植えることが禁止された
のみならず、1944(昭和19)年には、強制伐採が進められ
長野県内の柿の木の半分近くが切られてしまいました。

 

食料が不足している戦時中ですので、市田柿は珍重され
甘い柿の皮をお砂糖代わりに販売する人さえいたといいます。
なぜ、貴重な実が成る木を切ったりしたのでしょうね?

 

 

141209aogaki

 

 

 

戦後、硫黄燻蒸の取り入れ

敗戦後は果樹の生産・販売に関する統制が廃止されて
市田柿の加工の研究も盛んになり、あんぽ柿ではすでに大正時代から
導入されていた、硫黄燻蒸の研究を上沼農園でも行うようになります。

 

硫黄薫蒸(いおうくんじょう)とは、熱で硫黄の粉を燃やし、
発生した二酸化硫黄で、つるした柿を燻蒸することをいいます。
皮むき直後の柿に硫黄燻蒸をすることで、

 

1 干し柿の酸化を防止し、果肉の色をきれいに仕上げる
2 制菌作用によりカビや雑菌の繁殖を抑える
3 干し柿の乾燥を促進する

 

という効果が得られます。
なお、硫黄燻蒸による二酸化硫黄の残留量は食品衛生上、問題の
ない量ですので心配いらないとのことです。(「市田柿のふるさと」

 

 

 

turushigaki          市田柿を干している「つるし柿」

 

 

 

二日酔いの予防効果も

干し柿は栄養価も高く、一番多く含むのは炭水化物ですが、βカロチン、
タンニン、食物繊維、ミネラルを含み、特にマンガンやカリウムが豊富。
カリウムは心臓や筋肉の機能を調節し、血圧を正常に保ち、
食物繊維は便通改善や大腸がんの予防効果があります。

 

干すことによりビタミンCは失われてしまいますが、代わりに
Bカロチンは3倍に増えるともいわれ、体内でビタミンAにかわる
カロチンは、免疫機能を高めたり発ガン予防の働きも期待できます。

 

また、意外なことに干し柿は二日酔いの予防にもよいのだとか。
江戸時代の『本朝食鑑』にも、柿が酒毒を解すると記載されています。
その上,脾臓を健康にし下痢を止め、咳や吐き気をおさえて、
お酒の悪酔いを防いだり、火傷にも効くなどと書かれています。

 

「火傷に効く」というのは、Bカロチンが粘膜を強くする
働きがあることを指しているのかもしれませんね。

 

 

160208suikanshuku       市田柿を使ったお菓子「粋甘粛」源吉兆庵

 

 

 

干し柿はショ糖が分解される

干し柿はカロリーは高めとよくいわれますが、そうはいっても
も大きさによりますが、1つ100キロカロリー前後。
ダイエットをしている人は気をつけてというほどでもありませんね。

 

でも貧血気味の人は摂り過ぎに注意をした方がいいかもしれません。
干し柿に多く含まれているタンニンは
鉄分の吸収を妨げることがありますので。

 

生柿の状態での糖分は、ショ糖が60〜80パーセントを占めて
残りはブドウ糖(10〜20パーセント)と果糖(10〜20パーセント)。
干し柿は、ショ糖が分解されてブドウ糖(50パーセント)と
果糖(50パーセント)に変化します。

 

 

生柿  ********ショ糖********ブドウ糖果糖*

              ↓

干し柿 *****ブドウ糖***********果糖******

 

 

干し柿の表面の白い粉はブドウ糖ですが、体内吸収が早く、
筋肉や脳へのエネルギー源として重要な物質として有名。

 

前々回の「ブルーソーラーウォーター」から始まり、前回の「紀ノ川柿
お日様が作る柿色」
、そして今日の「市田柿」と太陽光を浴びること
により成分が増えたり、変化したりというのはとても興味深いですね。

 

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