シナモン 「シナモンロール(成城石井)」と「八つ橋(匠、宇治彩菓)」

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世界3大スパイスの一つ

「コショウ」「クローブ」とともに世界の3大スパイスとして
有名な「シナモン」は「世界最古のスパイス」ともいわれています。
紀元前4000年頃にはミイラ作りにも使われてたそうですよ。

 

シナモンは、高さが10メートルにもなるクスノキ科の常緑高木で
淡い褐色の厚い樹皮が、お互いに内側に巻いた形態をしています。
樹皮の裏側がシナモンの香りがする部分で、木自体は匂いがしません。

 

この樹皮を剥いで乾燥させてたものがシナモンスティック、
フランス語では「カネール(cannelle)」。
こんなによい香りなのに、アリや虫は嫌いなんですって。

 

 

     セイロンシナモン 後ろがスティック、前がパウダー

 

 

熱帯地方が原産地と推測されているシナモンは、一年中花を咲かせる木。
葉脈の形が面白いこともあって、観葉植物として楽しむ人もいます。
日本名は「桂皮」「肉桂」です。

 

 

 

セイロンシナモン

「シナモン」の英語表記は「Cinnamon」で
学名は「Cinnamomum zeylanicum 」。
「zeylanicum」とは「スリランカの」を意味する言葉。

 

英語の「cinnamon」は、ギリシャ語の「kinnamon」が
語源といわれ、このギリシャ語はヘブル語の「qinnamon」
からきているといわれています。

 

インドネシア原産の「Cinnamomum zeylanicum 」を
オランダ人が18世紀にスリランカで栽培したため
「セイロンシナモン」とも呼ばれます。

 

 

              シナモンの木

 

 

 

カシア

普通、シナモンといえば「セイロンシナモン」を指しますが
中国南部やベトナム、アフリカでとれる「カシア」もあります。

 

「セイロンシナモン」は上品で甘い繊細な香り、
一方「カシア」は、濃厚で辛味が強いのが特徴。

 

両者は共に、はがした樹皮を丸めて乾燥させたものですが
「セイロンシナモン」より「カシア」の方が少々肉厚です。

 

「セイロンシナモン」や「カシア」以外では
インドでとれる「シナモン・タマラ」、
中国の「「シナニッケイ」や「ニッキ」があります。

 

 

       シナモンスティック 少し肉厚の「カシア」

 

 

 

偽装「セイロンシナモン」?

「セイロンシナモン」には「オイゲノール」という成分が含まれていて
「セイロンシナモン」独特のマイルドな香りを生み出しています。

 

ところが最近の日本では、「シナニッケイ」が
「セイロンシナモン」として売られていることもあるのだとか。

 

安さや供給の安定ばかりを望むことで、ホンモノがすり替わってしまう。
少し前の記事の杏仁豆腐の元となる「杏仁霜(あんにんそう)」
そうでしたが、消費者の姿勢が問われているようです。

 

 

         アラボンヌー「ゼリー杏仁」

 

 

 

シルクロードやスパイスロードを渡って

中国やタイ、インドネシア、セイロンと、東洋のシナモンは陸路のシルク
ロードや、「香料の道(スパイスロード)」、またインド洋やアラビア
海、紅海を経る海上ルート等で地中海沿岸地方へと運ばれました。

 

シナモンの産地を明かさなかったり、あるいは神秘的な付加価値を
つけたりすることにより、価格を上げていたともいわれるほど
シナモンは遠い異国の神秘的なスパイスだったよう。

 

こうして長い旅を経たシナモンは、紀元前6世紀ごろ書かれた
旧約聖書の『エセキエル書』や、古代ギリシアの詩人だった
サッポーの書いた詩にも登場することになります。

 

 

              スターアニス

 

 

 

フェニックスもミイラも、権力者も

エジプト神話のなかで不死鳥として知られるフェニックスは
死期が近づくと、シナモンの小枝を集めて火をともし自らの身を焼き
その灰の中から復活するという、永遠の時を生きるとされる火の鳥。

 

そして永遠の時を生きるミイラもまたシナモンによって作られます。
クミンやアニス、マジョラムなどで作られていたミイラは、紀元前
4000年頃からは、シナモンやクローブで作ることが主流になりました。

 

ミイラ作りにおいては、殺菌作用や防腐作用を期待されていたシナモン
ですが、その芳香は当時のエジプトの権力者たちの日々の生活や、
聖なる儀式に欠かせないものとなり、重要な位置を占めてゆきます。

 

またシナモンは愛情を表すためのプレゼントでもありました。
ローマ帝国第2代皇帝のネロは、妻が亡くなった際に1年分もの
大量のシナモンを焚くことで愛情を表したともいわれています。

 

 

 

 

 

日本に伝わったのは奈良時代

一方、中国でシナモンが初めて登場するのは後漢時代(25〜220年)。
薬学書である『神農本草経』にシナモンは、「牡桂」や「菌桂」という
名前で記載されおり、漢方薬として扱われていたことがわかります。

 

日本にも聖武天皇の時代(724〜749年)には中国から伝わっていた
ようで、コショウやクローブ、香木などと一緒に中国産のシナモンが
正倉院に「桂心」という名の生薬として現在でも保存されています。

 

奈良時代に日本に入ってきてはいましたが、当時「桂心」と
呼ばれていたシナモンは天皇や貴族たちのもので、一般庶民に
親しまれるようになったのは江戸時代になってからのこと。

 

「シナニッケイ」という品種の樹木が、江戸時代の享保年間に日本に
伝り栽培が始まったため、一般庶民にも浸透するようになりました。

 

 

              香木「伽羅」

 

 

 

八つ橋やお屠蘇にも

日本で栽培されていくうちに、シナモンは「日本肉桂」や
「ニッキ」と呼ばれるようになっていきます。

 

シナモンは普通、樹皮を利用するものですが、ニッキは根の
部分を乾燥させて作るため、シナモンより一層スパイシー。
これを利用したものが、京都の有名なお菓子「八つ橋」です。

 

ニッキの油を生地に加えて、おせんべいのように
焼いたもので、江戸時代から作られていました。
焼かないものの方は「生八ツ橋」と呼ばれています。

 

またお正月に頂くお屠蘇にも、シナモンは入っています。
三国時代の中国で医師により作られたという
お屠蘇は、病を防ぐ飲み物とされていました。

 

 


      ニッキ油を使った「生八ツ橋」(匠、宇治彩菓)

 

 

 

煮込み料理やお菓子に

シナモンの香りの主成分は「桂皮アルデヒド」です。
「桂皮アルデヒド」とは、「シンナムアルデヒド (cinnamaldehyde)
示性式 C6H5CH=CH?CHO 」という芳香族アルデヒドの一種。

 

この桂皮アルデヒドは、40度前後で香りが最もよく
発散するといわれ、さまざまなお料理に使われています。
もちろん、カレーにもシナモンは欠かせない香辛料ですね。

 

煮込み料理にローレル(月桂樹)の葉っぱを入れることがありますが
インドでは、シナモンの葉を同様に煮込み料理に使うことから
シナモンの葉を「インディアンベイリーフ」とも呼ぶそう。

 

シナモンはお砂糖との相性も抜群なため、パンやクッキーにジャム、
特にアップルパイやシナモンロールなどはシナモンの独擅場。
グラニュー糖とあわせるシナモンシュガーも、トーストやヨーグルト、
アイスクリームなどで大活躍すること間違いなしです。

 

 

 

 

 

薬効

漢方の「桂皮(ケイヒ)」は、体を温める作用、発汗作用、
健胃作用をもつとされ、多くの方剤に処方されていますので
シナモンもその働きに近い効果があるといわれます。

 

血行促進
冷え性の改善も期待でき、むくみの予防にもなります。

 

風邪の症状の緩和
粘液の排出を促進してくれるので、風邪の症状が
和らぐだけではなく、悪寒や暑熱にも良いそう。

 

消化促進作用
食後に飲むと胃腸を守ってくれます。

 

血糖値を下げる
毛細血管の修復を促し、心筋梗塞の予防にも。

 

神経の痛みを除去
手が痺れるなどの軽い神経の痛み、筋肉痛などに効果があり、
精神面での不安を取り除きリラックスされてくれます。

 

 

        「シナモン」のスティックとパウダー

 

 

 

手軽に作れるシナモンレシピ

シナモンをお料理に使うだけではなく、もっと手軽に
いつもシナモンを摂りたいという方へのお手軽レシピを。

 

さっと焼いた食パンに、ココナッツオイルとシナモンシュガー
(お砂糖にシナモンパウダーを混ぜたもの)+塩
を乗せて焼くだけのシナモントースト。

 

シナモンをもっとも簡単に摂ることができるのは飲み物でしょうか。
カプチーノコーヒーに添えるものはいうまでもありませんが
ココアなどにシナモンを入れたり、

 

クエン酸にハチミツを加えてレモネードのようにしたものに
シナモンを加えるなどなど、色々なドリンクにシナモンを
試してみるのも楽しそうです。

 

 

       シナモンロール「成城石井」麻布十番店

 

 

 

使用に際しての注意点

ただし注意も必要で、シナモンはクマリンを含むため
過剰摂取をすると肝障害を起こすこともあります。
1日に3グラムまでを目安にするとよいよう。

 

シナモンパウダー1振りは0,1グラム、と聞くと全然、平気と思いますが
シナモンロール1つは2,5グラムですので、やっぱり注意が必要かも。

 

「チャイナシナモン」より「セイロンシナモン」の方が
肝臓にかかる負担が少ないといいますので、いつも摂りたい方は
「セイロンシナモン」を選ぶ方がよいようです。

 

もう一点、シナモンには子宮収縮作用があり、子宮出血や流産の危険性
もありドイツ連邦リスクアセスメント研究所ではシナモンに含まれる
シンナムアルデヒドが胎児に悪影響を及ぼすと注意を促しています。
妊娠中の方は避けてくださいね。

 

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エッセンシャルオイルの7つ分類

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エッセンシャルオイルのさまざまな香り

エッセンシャルオイル(精油)にはさまざまな香りがありますが
それらの特徴を大まかにまとめてみると7つに分類することができます。

 

前回、御紹介をした2つの石鹸「タスマニアラベンダー」と
「ブラックボーイローズ」はお花の香りを使用したものでした。
このラベンダーオイルやローズオイルは、フローラル系と呼びます。

 

フローラル系以外では、シトラス系、ハーブ系、ウッディ系、
スパイス系、樹脂系、エキゾチック系があります。

 

 

 

 

 

1 フローラル系

この精油は多くは花から抽出されたもので、甘く優しい香りが特徴です。
精油といえばまず思い浮かべるのはこのフローラル系かもしれませんね。

 

エレガントで華やかな香りは、不安を和らげたり、気持ちを落ち着ける
働きをもっていますので、ストレスなどでイライラが嵩じた時や
ちょっと落ち込んでいる時、華やかさを感じたい時にも最適です。

 

ラベンダー。ローズ(ローズオットー/ローズアブソリュート)、
ジャスミン、ミモザ、カモミール、ネロリ、パルマローザ、
イモーテルなどがフローラル系の精油です。

 

 

 

 

 

2 柑橘系(シトラス系

柑橘類の精油で、爽やかさで親しみやすく、ちょっと美味しそうな香り。
甘さと柑橘類の酸味も含んでいて誰にも好まれる香りです。

 

元気になったり、楽観的な気分にさせてくれたり。
胃腸の調子を整えるものも多いそうです。

 

そういえばグレープフルーツのエッセンシャルオイルは
ダイエットにもいい、などと言われていましたね。

 

オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、レモングラス、ユズ、
シトロネラ、ベルガモット、マンダリン、レモンバーム(メリッサ)など
ユーカリ・シトリオドラ(ユーカリ・レモン)、バーベナなどがそう。

 

 

             グレープフルーツ

 

 

 

3 ハーブ系

植物のタネや、葉っぱ、花から抽出する精油。
爽快感とともにほろ苦さも感じる香りです。
気分をすっきりさせてくれたり、リラックスさせてくれます。

 

振るから民間薬としても使われ、またお料理などに
使うハーブと重なるものもありますね。

 

アンゼリカ、オリガナム、キャロットシード、クラリセージ、
ゲットウ、スイートマジョラム、スパイクナード、スペアミント、
セージ、セロリ、タイム、タラゴン、バジル、パセリ、ヒソップ、
フェンネル、ペパーミント、マジョラム、マヌカ、メリッサ、
サロウ、ローズマリーなどです。

 

 

              メリッサ

 

 

 

4 ウッディ系(樹木系、グリーン系)

樹木の皮や枝、葉などから抽出されたもので
森林を感じさせてくれる香りです。

 

すがすがしく深い落ち着きを感じさせてくれるので
ストレス解消やリラックスしたい時におすすめ。

 

カユプテ、クロモジ、サイプレス、シダーウッド、ジェニバーベリー、
ティートゥリー、ニアウリ、パインニードル、パーチ、ヒノキ、
プチグレン。ユーカリ、ローズウッドなどがウッディ系。

 

 

 

 

 

 

5 スパイス系

こちらもお料理でお馴染みでもあるスパイスの香りですが
お料理のものよりは少し柔らかい感じの香り。

 

スパイス類のタネから抽出する精油で
独特な雰囲気を持ち、印象に強く残る香りでもあります。

 

体を温める作用もあるといいます。
刺激、活性化に優れ、ポジティブな気持ちにさせてくれますが
刺激が強いので使い方には注意も必要な精油です。

 

カルダモン、クローブ、クミン、コショウ、コリアンダー、シナモン、
ジンジャー、スイートフェンネル、ナツメグ、ブラックペッパー、
ローレルなどです。

 

 

             ジンジャー

 

 

 

6 樹脂系(レジン系

樹木からにじみ出た樹脂から抽出した濃厚で、甘い香りの精油。
香りが長続きをするのも特徴。
粘度の高い精油が多いです。

 

樹脂系の精油には個性的な香りのものも多くみられ
気持ちを落ち着けてくれる作用もあるため
儀式などに用いられることもある精油です。

 

カンファー、フランキンセンス(乳香)、
ベイゾイン(安息香)、ミルラ(マー、没薬)など。

 

 

            イランイランの花

 

 

 

7 オリエンタル系(エキゾチック系)

東南アジアや中東の植物から抽出された
エキゾチックで濃厚で甘い香りの精油です。

 

とても個性的でもありますが、それはまたクセがある
とも表現できる香りで、官能的な雰囲気を持ちます。

 

イランイラン、サンダルウッド、パルマローザ、
バチュリ、ペチバー、ロータスなど。

 

 

                ハス

 

 

 

エッセンシャルオイルをブレンドする時

主なものだけでも100種類近くあるというエッセンシャルオイルですが
これらをブレンドする時には、先ほど分類したエッセンシャルオイル
同士ですと、香りの印象が似ているために違和感がなく調和します。

 

また同じ分類のものだけではなく、それぞれの両隣に位置する
エッセンシャルオイルも相性が良い組み合わせとなりますので
いろいろ試してみるのもおもしろいかもしれません。

 

そして、あなただけの香りを作るという
ちょっと贅沢で高度な香りの遊びも楽しいですね。

 

 

                フローラル系
             ↑ ↓         ↑ ↓
         エキゾチック系        柑橘系
           ↑ ↓            ↑ ↓

          樹脂系           ハーブ系
            ↑ ↓          ↑ ↓

            スパイス系  ←  ウッディ系
                   →

 

 

 

注意点 !

ただ、とても奥深くお洒落なエッセンシャルオイルのブレンド
ではありますが、注意しなくてはいけないこともあります。
それは以下の2点です。

 

1 妊娠初期の方は、エッセンシャルオイルの使用は
 避けた方が良いといわれています。

 

2 低血圧の人はエッセンシャルオイルの使用で、疲労を
 感じてしまうこともあるそうですので注意しながら
 試してみる方がいいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

ノート

香りの説明にはよく「ノート」という言葉が出てきますが
これは香りが立ち上がってから香る速度を表しています。

 

早いものをトップノート(Top note)、
中程度のものをミドルノート(Middle note)、
遅いものをベースノート(Base note)と呼びます。

 

香りは、揮発性が高いエッセンシャルオイルほど
立ち上がりのスピードが早くなります。

 

ですからトップ、ミドル、ベースを上手に組み合わせることに
よって、より奥深く厚みのある香りを作り出すことができます。

 

 

 

 

 

ノート別 代表的なエッセンシャルオイル

トップノート(Top note)

揮発性が高いため、最初にすぐ香るが長続きしないタイプです。
30分から2時間程度。

 

レモンなどの柑橘系や、ペパーミントなどの
メントール系はトップノートです。

 

オレンジ、カユプテ、グレープフルーツ。コリアンダー、シトロネラ、
ジンジャー、スペアミント、たんジェリン、ティートゥリー、ナツメグ、
ニアウリ、パルマローザ、バジルペパーミント、ベイ、ベルガモット、
マンダリン、メイチャン、ライム、ラベンダー、レモン、レモングラス、
レモンバーベナ、レモンユーカリ、ユーカリなど。

 

 

 

 

 

ミドルノート(Middle note)

中程度の揮発性をもち、トップノートに続いて香る
いわば香りのメインをなすものです。
2時間〜6時間。

 

ジャスミン、イランイランなどのフローラル系は
ミドルノートに分類されるものが多いです。

 

イランイラン、カモミール・ジャーマン、カモミール、ローマン、
クラリセージ、サイプレス、ネロリ、ジャスミン、ジンジャー、
ジェニバー、ゼラニウム、ティートゥリー、パイン、フェンネル、
プチグレン、ブラックペッパー、マージョラム、マートル、メリッサ、
ラベンダー、ローズウッド、ローズオットー、ローズマリー、
ローズゼラニウムなど。

 

 

 

 

 

ベースノート(Basa note)

最も揮発性が遅いもので、他の香りが消えた跡もほのかに香るもの。
6時間〜数日程度。

 

樹木や樹脂系の香りの多くは
ベースノートに分類されます。

 

クローブ、サンダルウッド、シダーウッド、シナモン、
バチェリ、フランキンセンス、ペチバー、ベイゾイン、ミルラなど。

 

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ラベンダーエッセンス 石けん「TILLRY(ティリー)」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

オーストラリアの老舗石けんブランド「TILLRY」

少し前にお友達からオーストラリアの石けんを頂きました。
ピンク色とパープルの美しい石けんで、「TILLRY AUSTRALIA」
と記されていて、とても香りの高いもの。

 

この石けんを作っている「TILLRY(ティリー)」は1865年、アーサー・
ティリーが石鹸や香水を使った製品を作るために起こしたコスメティック
ブランドで、160年以上の伝統を誇るオーストラリアのメーカーです。

 

ピンク色の石けんには「ブラックボーイローズソープ」。
ブラックボーイローズというバラの花びらが練り込まれているようで
原料はヤシやココナッツオイル、シアバターと天然ビタミンEなど。

 

 

 

 

 

「タスマニアラベンダーソープ」

パープルの方は「タスマニアラベンダーソープ」。
タスマニアラベンダーのリッチで魅惑的な甘い芳香が漂います。

 

リラックス効果といえば、まず最初にラベンダーの名前があがる、
というよりアロマテラピーといえばまずラベンダーというくらい
ラベンダーは超有名なエッセンシャルオイルですね。

 

ではありますが、実は私は色は大好きなのですが香りはちょっと
苦手だったのですが、この石けんは不思議なことに平気。

 

 

           ルネ・ラリックの香水瓶「シダ」

 

 

 

有名なのはタスマニアデビルだけじゃないよ

その理由はもしかしたら、このティリーの石けんが使用している
ものが、タスマニアラベンダーだからなのかもしれません。
ラベンダーも産地によって、かなり香りの違いがあるそうです。

 

もっともこれは石けんで、エッセンシャルオイルそのものでは
ありませんから、石けんから発する香りとエッセンシャルオイルが
厳密に同じとはいえないと思いますが。

 

タスマニアと聞いて私がまず真っ先に思い浮かぶのは、今までは
タスマニアデビルだったのですが、タスマニアラベンダーも有名だそう。
紫のラベンダーが一面に広がる夏の風景は、タスマニアの風物詩だとか。

 

 

オーストラリアのウォーンバットとタスマニアデビル
ぬいぐるみ「ハンサ」東京ミッドタウン

 

 

特に、オーストラリアの北のロンセストンの近く、ナボーラにある
ブライドストー・ラベンダーファームの広さは、なんと44ヘクタール。
世界一の規模を誇るファームといわれています。

 

それは単に広さだけではなく、このファームのラベンダーの純粋性、
オイルの香りや鎮静効果の優秀性もまた同様です。

 

1921年にロンドンの調香師・デニー一家が、本場フランスアルプスに起源を
もつ真正ラベンダーの種子「Lavandula angustifolia」をつかって栽培を
始めた場所は現在ファームがあるナボーラの北部、リリーデールでした。

 

デニーは品種改良とともに純粋性を保つことにも努めましたが、品種間の
交配が進みやすいラベンダーの純粋性を保つには難しいと考え、現在の
ナボーラに移動し、90年以上の月日を重ねているのです。

 

フランスのアルプス地方からは地理的に、はるかに離れたタスマニアの地
とはいえ、人々の努力によって、真正ラベンダーの純粋性においては
全く遜色なく保たれているため、タスマニアラベンダーは高品質なのですね。

 

 

 

 

 

虫除けのための成分「カンファー」

ラベンダーは標高の高いところで出来たものの方が
低い方でできたものよりも、香りが良くなるといわれています。
その理由は、標高の高いところの方が害虫が少ないから。

 

害虫を寄せつけないようにするため、ラベンダーはカンファーという
成分を作りだしていますが、その含有量は生育した場所により
1パーセントだったり、15パーセントだったりとさまざま。

 

私は多分、ラベンダーに含まれている
このカンファーの成分が苦手だったのです。

 

 


 

 

 

カンファーはクスノキ・樟脳の香り

とはいえ「カンファー=良くない香り」というわけではありません。
カンファーは「クスノキ(樟木)」の成分でもある、衣類の虫除け
などに使う樟脳(しょうのう)の香りです。

 

(この「クスノキ」は漢字では「樟木」と「楠」の2つがあります。
「楠」と書くと本来は別の木である「タブノキ」を指すということです)

 

このちょっとツンとするカンファーを好ましいと思う人も
少なくありませんし、また同一人物であっても体調や時によっては
同じ香りを好ましく感じたりそうでなく思う時もありますからね。

 

ちなみに、樟脳のツンとする香りといって、多くの人が思い
浮かべるのは、実際は樟脳ではなくナフタリンの香りだそうですよ。

 

カンファーの香りには刺激性がある一方、鎮静、リラックスの効果も
あるとされ、神経過敏や興奮状態を沈めてくれる働きもあります。
落ち込んでいる時にシャキッとさせてくれる効果もあるとか。

 

 

 

 

 

環境によって遺伝子を変化させるラベンダー

フランスのアルプス地方が原産地のラベンダーは、ギリシャ時代
から栽培されていた植物で、タネから育つ実生植物です。

 

実生植物は環境の影響を受けやすいために
世代を経るにしたがって遺伝子(DNA)が変化します。

 

もとは同じ品種だったとしても、生育場所によっては
カンファーを多く含むラベンダーになったり。そうでなかったり。

 

香りの違いはカンファーの含有率の違いだけではありませんが、日本で
最も多く流通しているフランスのものでも、フランス産ラベンダーと
一口に括れないほど香りに違いがあるのは容易に想像ができるところ。

 

 

 

 

 

国別ラベンダーの香りの違い

《フランス産》

シンプルで純粋な香り。
特に高地で生育したものはカンファーも少なく優しく甘い香りがします。

 

フランス産でも「スパイクラベンダー」と記載されたものは
低地で生育したラベンダーで、少々きつい感じもあります。
スパイクラベンダーのカンファー含有率は15パーセントほど。

 

ラベンダーには多くの種類があり「スパイクラベンダー」はラベンダーの
亜種の1つで、これ以外には「ラバンディン」などがあります。

 

それらを区別するためにいわゆるラベンダーを「真正ラベンダー」と
呼ぶこともあり、「Lavandula officinalis」「L.angustifolia, L.vera」
と記載されているものは、真正ラベンダーです。

 

 

 

 

《ブルガリア産》

ブルガリアではラベンダーを栽培する土地は標高が高いためカンファーは
少なく、フランス産より柔らかい、すっきりとした美しい香りが特徴。
ラベンダー栽培にはブルガリアが最も適しているという人さえいます。

 

 

《タスマニア産》

柔らかで高貴な香り。
タスマニアは、日本のラベンダー産地として有名な北海道と似ている土地
といわれ、苗が越冬することによりしっかりした香りになるそうです。

 

カンファーは少なく、「リナロール」と呼ばれるフローラル系の
香り成分を多く含むため、華やかな香りが楽しめます。

 

 

 

 

 

ラベンダーは火傷にも効果がある!

アロマテラピーという名前の命名者ともいわれる、フランスの
調香師であり化学者でもあったルネ・モーリス・ガットフォセ
(1881〜1950年)のこんな有名なお話があります。

 

彼が実験をしていて手に火傷を負ってしまった時、そばにあった
ラベンダーオイルの容器に手を入れたところ、痛みが消え傷跡も残らな
かったというもので、様々な場所で喧伝されているものだそうです。

 

ところが実際の事故はもっと大変なもので、実験室の爆発事故により
引火された物質を浴びたガットフォセは、芝生の上を転がって消火。
その後、両手は急速にガス壊疽で覆われてしまいました。

 

ガス壊疽とは、傷口から細菌が入って筋肉が壊死する致死性の疾患。
その大変なガス壊疽が、ラベンダーエッセンスで一度洗浄しただけで
食い止めることができたというのが、実際の体験だったそうです。

 

 

            イランイランの花

 

 

 

ラベンダーエッセンスで洗うだけ

ラベンダーエッセンスがガス壊疽にだけ効果があって
火傷やその他の傷には効果がないというわけではないので
「伝説」の内容が間違っているというわけではありません。

 

ですが「事実は小説より奇なり」ではありませんが、ガットフォセの
話しに限っていえば「伝説より事実の方が奇なり」という感じをうける
ほど、実際に負った傷の方がはるかにひどかったように思えます。

 

それが、たった一度のラベンダーエッセンスの洗浄でよくなったとは
本当に驚くべきことですが、ラベンダーエッセンスを洗浄に使うのは
ガットフォセが考えだしたことではなく昔から行われていたことでした。

 

 

 

 

 

語源は「(洗う)ラワーレ」から?

ラベンダーの語源と思われている言葉はいくつかあるようですが
その一つはラテン語の「ラワーレ(洗う)」からきたというもの。

 

これは古代ローマの人々が、消毒作用、傷の洗浄および
普段の沐浴時にも浴槽にラベンダーを入れていたことによります。
それほどラベンダーで洗うということは普通のことだったわけですね。

 

ちなみにもう一つは、花の色を表す「Liveo(青みがかった鉛色)」
という言葉からきたともいわれていますが、いずれにせよラベンダー
を直に肌につけることが火傷に効くということは事実のよう。

 

よくエッセンシャルオイルは、肌に直につけないようにといわれますが。
わっ〜、試してみたい、という好奇心でなにやら火傷をするのを
待ち望んでいるかのような気分にもなっているのがおかしいですが。

 

 

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