「ブドウ」は「エビ」だった! えびせん「坂角」

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坂角のえびせんべい

「坂角」と書いて「ばんかく」と読みます。
私はえびせんは自分では買ったことは
ありませんので、これは頂きものです。

 

お皿の上の左側にある、丸い形の
ものが一番有名な「ゆかり」です。

 

あとの2つは「きそひ」という名前で
それぞれ海苔が巻いてあります。

 

上の右側の正方形の方が「ふな旅」で
下の、短冊のような形のものは「ふな唄」。

 

 

141020bankaku「坂角」のえびせん

 

 

 

 百年以上の歴史を持つ「坂角」

坂角は百年以上の歴史があるそうですが
それよりも、もっと前の寛文6(1666)年のこと。

 

尾張藩主の徳川光友公が、愛知県東海市に
御殿を造営されている時に、漁師たちが
海辺でおいしそうなものを食べていました。

 

とれたてのエビのすり身を
あぶり焼きにして食べていたのです。

 

 

 

 

徳川光友公はそれを食されて
極上の美味と絶賛されたとか。

 

この時のエビのすり身をあぶり焼きにした
ものは「えびはんぺい」というそうです。

 

そして時移り、明治22年。
創業者である坂角次郎さんは
以前からあった製法に工夫を重ねて
「生せんべい」を作り上げました。

 

これが今日、御紹介の現在の「ゆかり」です。
「ゆかり」と命名されたのは、昭和41年
のことでした。(「坂角オンライン通販」)

 

 

「坂角」のえびせん

 

 

 

原料にはさまざまな種類のエビを使用

えびせんですから、原料は当然のことながら
「エビ」なのですが、製品によって
さまざま種類のエビを使用しているといいます。

 

車海老、芝海老、甘海老、桜海老という具合に。
この「ゆかり」に使用されているエビは、

 

近いところでは三河湾、瀬戸内海、そして
ニューギニア近海のエビも使用しています。

 

 

ebi-270x140「ゆかり」「きそひ」の原料
のエビ(写真/「坂角」)

 

 

「ゆかり」1枚につき、写真に写っている
体長10センチほどのエビを7尾使ってあるそうです。

 

また「ふな旅」、「ふな唄」に使われている
海苔は地元、伊勢湾産の黒海苔。

 

 

片岡食品の「えびせん」

 

 

 

「海老」と「蝦」

今、私は「エビ」と書いていますが、「エビ」
には「海老」や「蝦」という漢字がありますね。

 

「海老」は、歩くタイプのエビ(Lobster)
* ——イセエビをいい、

 

「蝦」は、泳ぐタイプのエビ(Shrimp、Prawn)
* ——車エビ、ボタンエビ、甘エビ、
   サクラエビをいうそうです。
*  「RICHO Communication Club」

 

 

カルビーの「かっぱえびせん」

 

 

 

「ブドウ」は「葡萄」と書いて「エビ」と読む?

また、現在ではブドウを漢字で書くと
「葡萄」と書きますが、

 

昔は「葡萄」と書いて
「えび」と読んでいたといいます。

 

 

ブドウ

 

 

果物のブドウの色が、紫がかった赤い色
でしたので、その色を「葡萄(えび)」色
と呼びました。

 

また、果物のブドウと同じような色を
している海の生き物も「葡萄(えび)」
と呼ぶようになります。
「エビ色(葡萄色)」の生き物というわけ。

 

そして生き物のエビには、「海老」や「蝦」
という漢字が当てられるようになりました。

 

一方、本来「葡萄(エビ)」と呼んでいた
果物は、ギリシャ語、またはウズベク語の
ブドウを音訳して「ブドウ」と呼ばれる
ようになったのです。(「季節の花  300」)

 

 

この色のぶどうではダメですね

 

 

 

だから「葡萄色」を「えびいろ」と読むんだね

う〜ん、海老・蝦という生き物は、
「葡萄(えび)」と呼ばれていたブドウ
       に似た色だった為に
「葡萄(えび)」といわれるようになり、

 

その後、「エビ」という音だけをもらって
「海老」や「蝦」の漢字を作ってもらったのですね。
つくってもらったという言い方も変ですが。

 

「海老・蝦」に「葡萄(エビ)」という
音を明け渡してしまったブドウは、本来
「葡萄(エビ)」と読んでいたものを
「葡萄(ブドウ)」と読むことにした、

 

 

 

 

ということです。
めちゃめちゃ、ややこし〜ですが。

 

でも、今わかりました。
前から、「葡萄色」と書いて、なぜ「えびいろ」
と読むのかわからなかったから。

 

現在では、色の名前にだけに
「ブドウ」が最初に名のっていた
「エビ」という音を残しているというわけですね。

 

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