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50年前のデラウェアはタネのあるブドウ
薄い緑の色のブドウってとてもきれいですね。
市場に出ているブドウで一番多い色
は、デラウェアのような色のブドウ
一般に「葡萄色」という色ですね。
デラウェアといえば現在ではタネなし
ブドウですが、50年ほど前までは
タネのあるブドウだったそうです。
デラウェアというのはアメリカのオハイオ州
のブドウの産地に由来する名前です。
日本では明治時代からデラウェア
の栽培が始まっています。
柄を長くする為の「ジベレリン」
デラウェアのつぼみができた時と
花が開いた時に「ジベレリン」という液に
つけると、実にタネがなくるのだそうです。
このジベレリンという液につけてデラウェア
のタネをなくす方法は、面白いことに、最初
からわかって行ったことではないのだとか。
タネをなくすためではなく、デラウェアの実
のついている柄を長くしようとして、ジベレリン
の液につけたのが最初の動機だったといいます。
なぜならば、デラウェアは一房に
実がなる時に、実が詰まり過ぎる
という欠点があったからです。
柄に実が詰まってつきますから、実が
育って大きくなるにつれ、実と実が
ぶつかりあい、つぶれてしまうのです。
それを防ぐために、実のついている柄を
長くしようとして使われたのが
ジベレリンだったのです。
ジベレリンは、イネの背丈を高くする
物質として発見されたものです。
茎を長くする働きを持つジベレリンを使って、
デラウェアの柄をのばすことができれば
実がつぶれることを防げるのではないか
と考えたのですね。
つぼみが開いた後にもう一度「ジベレリン」
そして実際に、デラウェアにジベレリンを
使ってみると……、デラウェアの実にタネがなく
なる、という別の効果が生まれていたのです。
しかし残念ながら、そのタネなしデラウェア
の実は、食用とするには粒が小さすぎました。
そこで様々な方法を試した後に、つぼみが
花開いた後に、もう一度ジベレリンの液につけ
ると、実が大きくなることがわかったのです。
タネなしブドウ、デラウェアのタネのない
理由は偶然と、努力の賜物だったのですね。