葉芽や花芽はいつできる?

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

冬芽は夏頃から作られ始める

冬を越して次の春に芽を出す花芽や葉芽を
「冬芽(ふゆめ、とうが)といいます。

 

冬芽は、早いものですと夏ごろから作られ
始め、目立ち始めるのは落葉後の11月末頃、
冬の前に冬芽になります。

 

ということは、昨年の春に芽が出た植物の
場合、その葉が枯れ落ちる前に既に今年の
春に出る芽ができているということですね。

 

秋になり夜が長くなると、葉でアブシジン酸
という物質が作られて、芽にアブシジン酸
が多くなると冬芽になるのです。

 

時々、晩秋に桜が咲いたりしますが
これは毛虫などに葉っぱが食べられて
しまいアブシジン酸が作られずに、ツボミ
が冬芽になれずに開花しまったものです。

 

 

枝の途中に2本長く見えているのは「花芽」
でしょうか?、あるいは新芽ならぬ新枝?

 

 

 

「葉芽(ようが)」「花芽(かが)」

時々「混芽(こんが)」

冬芽には、
葉っぱになる「葉芽(ようが)」と、
花になる「花芽(かが)」があります。

 

両者は形で区別することができます
が、わかりにくいものもあるよう。

 

また、葉と花が一緒に入っている冬芽も
ありこれを「混芽(こんが)」といいます。

 

 

オークの花は、こんな地味な花です

 

 

 

冬芽の3つのタイプ

1 「鱗芽(りんが)」
(魚の鱗のような皮や毛で覆われている)

最も多いタイプで、
サクラ、ケヤキ、コナラ  =  魚の鱗タイプ
モクレン、コブシ、ホオノキ  =  毛で覆われた

 

2 「裸芽(らが)」
(覆われていない芽)

アジサイ、ムラサキシキブ、マンサク

 

3 「隠芽(いんが)」
(葉痕や樹皮の中に隠れている芽)

プラタナス、ネムノキ、ニセアカシア

 

 

真ん中が「葉芽」
両側の丸いのが「花芽」
この木は「アブラチャン」というそうです
(写真/「鎌倉発  旬の花」)

 

 

 

メインがダメだった時は「副芽 ・ふくが」

春になって出る新芽「主芽(しゅが)」
の他に、予備の芽を準備する木もあり
その芽を「副芽(ふくが)」といいます。

 

副芽は、主芽が成長できなかった時に
その代わりを務める、いわばスペアー。

 

何かの時の備えとしての副芽ですが
何事もなく主芽が順調に生育した時
には、消えてしまうそうです。

 

 

 

 

 

「わかったこと」と「わからないこと」

以上のことから、前回のブログで書いた
わが家のオークが、昨年秋と今年の春に
新芽が出たことを考えてみますと……

 

 

わかったこと

春に出るべく用意していた「主芽
(しゅが)」が、昨秋出てしまったため
今春は予備の「副芽(ふくが)」が出た
ということ。

 

秋に新芽が出てしまったので、今春分が
ないのでは?、と心配していましたが
ちゃんと副芽の用意があったようです。

 

 

わからないこと

秋の夜長に葉に出てくるアブシジン酸が
多くなると冬芽になるが、毛虫などに葉
が食べられ、アブシジン酸が作られない
と冬芽になれない、ということです。

 

ですが、わが家のオークの葉っぱに
そのような痕跡はみられませんでした。

 

アブシジン酸が作られず(多分)、冬芽
にならずに秋に新芽が出てしまった理由
がわかりません。

 

なぜ昨秋、本来は今春の分の新芽が
あんなに多く出たのかは、未だに謎です。

 

 

 

冬芽の様子

(イラスト/「冬芽と葉痕」)

 

 

上のイラストは、とてもわかりやすい
ものでしたので「鎌倉発 旬の花」さん
から拝借しました。
使用されている用語について
簡単な説明をしておきましょう。

 

 

「頂芽(ちょうが)」

茎の先端にある芽のこと。

 

「側芽(そくが)」

頂芽に対して、下の方にあるわき芽のこと。

 

「頂芽」と「側芽」が共存する時は、
頂芽がよく成長しますが、その理由は
頂芽から側芽への植物ホルモンの働き
により成長が抑えられているためと
考えられています。
頂芽が成長できなくなった場合、その
ホルモンがなくなり、今度は側芽が
成長を始めるのです。

こちらはうちのオークです。「頂芽」は
わかりますが、「側芽」はわかりません……

 

 

 

「芽鱗(がりん)」

先ほどの冬芽の鱗状の器官のこと。

 

 

 

「芽鱗痕(がりんこん)」

芽鱗がついていたあとのことで、枝の
先端から見ていき、最初にある芽鱗痕
までが前年に伸びた枝になります。
中には古い芽鱗が落ちないで
ついているものもあります。
枝先から芽鱗痕を数えていくと、その枝
の部分が、何年前のものかわかります。
冬芽が裸芽の枝には、芽鱗痕はみられません。

 

 

 

「葉痕(ようこん)」

葉が枝から落ちたあとにできる
葉がついていた部分のこと。
葉痕の輪郭は円形、三日月型、
線状など様々です。

 

 

 

「維管束痕(いかんそくこん)」

維管束とは、水分や養分が通る管のこと
で、葉、枝、幹、根とつながっています。
葉痕に、その管の断面が斑点のように
残っているのが維管束痕。
人や動物の顔に見えるおもしろいもの
もあります。

 

 

 

「腋芽(えきが、わきめ)」

葉腋にできるので腋芽と呼ばれますが
「側芽(そくが)」と同じ意味。

 

 

 

「皮目(ひもく)」

樹木の樹皮に形成され、気孔の代わり
に植物の空気の流通をさせる組織。
コルク層の発達した部分に、コルク層
を破って割れ目状に見え、シラカバ
では細長い縦の線に、キリやニワトコ
では縦の線として見えます。

 

いっぱい見えるのが「皮目」でしょうか?
(赤坂サカスのサクラ)

 

 

 

「髄(ずい)」

茎は、維管束が円筒状に形成されて
いますが、その中心部にみられる
柔組織のことを髄といいます。
草木植物の中には、イネやタケ、トクサ
のように、茎の急激な成長によりこの部分
が破壊され髄腔になるものもあります。

 

 

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