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「光琳菊(万寿菊)」
菊の花を単純に図案化した「万寿菊」と
よばれものですが、こんな感じの菊も
実際にありますよね。
溜池山王駅アートの菊は、実際にある菊の色
とは全く違う、渋い色でまとめてあります。
しかも単純に図案化をしてありますので
明らかに菊の葉っぱとわかる葉がついて
なければ、「ひょっとしたら、おまんじゅう?」
なんて思ってしまうかもしれませんね。
「菊」の和菓子、いろいろ
というわけで、菊のお菓子を御紹介しましょう。
これは「菊尽くし」という、菊の花だけで
12種類の生菓子を作って詰め合わせたもの。
富山県高岡市にある「引網港月堂」さん
という和菓子屋さんのお菓子です。
「引網香月堂」と書いて
「ひきあみこうげつどう」と読むようです。
お客様のお母様の長寿を願っての創作和菓子
ですが、その方は、とてもお喜びになったとか……。
「菊」はいっぱい名前を持っている
また、こちらも菊のお菓子なのですが
銘は「百代草(ももよぐさ)」。
御覧の通り、こちらのお菓子も菊ですが
「百代草」というのは菊の異称だそうです。
「百代草」以外にも菊の異称はたくさんあり
「齢草(よわいくさ)」、
「千代見草(ちよみくさ)」、
「霜見草(しもみくさ)」、
「契り草(ちぎりくさ)」
等々、みんな菊のこと。
この菊の花の花びらは、針の先で
一枚一枚切り出して作るそうです。
「鶴」は青野の方が美しいけど……
そしてこちらも同じお店のお菓子。
これは結納の時のお菓子だそうです。
左から、「菊」、「千代鶴」、「跳ね鯛」、
「万寿亀」、そしてまた「菊」。
「千代鶴」は、赤坂「青野」の「鶴」
の方が美しいかなぁ。
赤坂「青野」の「鶴」「梅」「竹」
本当に「万寿菊」は「まんじゅう菊」だった!
とここでビックリしたことが。
今日の菊の花のようなデザインを
「万寿菊」と呼ぶのは知っていました。
これは「光琳菊(こうりんぎく)」
ともいいますね。
尾形光琳が、やや横に長い楕円の中央に
下弦の月のような細い弓形(下の図のような)、
あるいは小さい丸(今日の冒頭のもの)を
配して菊の花を表しているものをいいます。
こういうのね。
そこに書いてあった解説に驚いたのです。
「丸い形が饅頭(まんじゅう)に似ている
ことから「饅頭菊」、縁起がよい漢字を当て
はめて「万寿菊(まんじゅぎく)」とも呼ぶと。
えっ、私、あっていたのではありませんか!
食いしん坊だから、菊の花がおまんじゅうに
見えてしまうのかと思っていたら、本当の
おまんじゅうから来ていたのですね。