魂がドアから出て行くのを見た人

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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S不動産会社のN村さんに聞いたお話 

私は大学を卒業して以来ずっと
現在の会社に勤務しております。

 

自分でいうのもなんですが、この仕事が
合っているようでして、とても幸せな
ことだと感謝する日々です。

 

おかげさまで不動産業界の中でも大手と
いわれるわが社で、好成績をおさめた
社員として表彰されたこともあるほどで。

 

好成績といっても、遮二無二お客様に
ぶつかって行くことは決してしておりません。
熱心さのあまり、しつこい勧誘になるのは
絶対に避けるように心しておりますから。

 

 

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しかし、必要な連絡は欠かさないように
誠実に、と心がけて。

 

ありがたいことに、その度合いがお客様
から評価されている所以のようです。

 

不動産という、人の一生の中でも普通は何度も
しない売買をお手伝いをさせていただくことは、
その方の人生の一部をかいま見させていただく
ことでもあります。

 

 

 

 

そしてなんといっても不動産は
決して小さな買い物とはいえませんし。

 

気に入らなかったからといって捨てて
しまったり、すぐに別のもに取り替える
ということも普通はできないことです。

 

それまでは面識のなかったお客様と
我々不動産に携わるもの同士が信頼し合い
協力し合って成し遂げるの一つの仕事。

 

 

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お客様と御一緒にお宅を訪ねると

今回、お話しするお客様はネットでわが社
を見つけて連絡をして下さった方でした。
20年前でしたらこのようなことはなかったでしょうね。

 

そのお客様のお宅に伺うことになりました。
私はこの職業ですので、地図を見るだけで
どのお宅にも伺うことができます。

 

ですがその時はお客様の御都合で、家に直接
訪問するのではなく、最寄り駅のそばで待ち
合わせてから向かうことにしました。

 

 

 

 

駅からほど近い場所でした。
初対面の挨拶などをして歩いているうちに
すぐに、お客様の家につきました。

 

もちろん、そのお客様の家を私が
訪れるのは初めてのことです。

 

お客様の部屋は、そのマンションの5階の
東側に位置しているお部屋でした。

 

よくあるマンションの外階段と
外通路ではなく、古いタイプのものに
多い内階段、内通路といった造りです。

 

 

 

 

 

 ドアーを開く直前に

お客様がドアにカギを差し込みました。
私はお客様の左側に立っています。

 

お客様がカギをくるっ、とまわして
ドアが開く直前のことでした。

 

ドアの下半分から、煙のかたまりのような
ものが凄い勢いでうわ〜っ、という感じで
飛び出してきたのです。

 

 

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私は、思わず
「アッ!」
と、大きめの声を出してしまいました。

 

後ずさりこそしなかったものの、上半身は
確実に後ろに仰け反るような形に。

 

幸い、お客様はその直後にドアを開けて私に
入るよう促してくだり、私の不自然な反応には
何もおっしゃらなかったことにホッとしました。

 

 

 

 

それから部屋の中で少々話した後に、
外のカフェに行って、御依頼の諸々の
説明をいたしました。

 

内心、先ほどの私のアクションについて
聞かれたら、どのように答えたら良いか
との不安もありましたが、

 

さいわいお客様がそのことに触れる
ことはありませんでした。

 

 

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 煙のようなものが出て行った後には

実は私は……、
見えてしまうのです。
普通の方が見えないものを。

 

ただ、見えるといっても、見えているもの
自体やその見え方が、見える人が全て同じ
ものを見ているのではないらしいです。

 

と他人事のように申していますが
私は、他の方がどのように
見えるのかは存じませんので。

 

 

 

 

例えば、人の姿のようなものを見る人も
いるようですが、私のようにひとがたではなく
姿のない生命そのものが煙か霧のような形で
みえるものと、さまざまなようです。

 

そして、ここまでお話ししましたらおわかりだと
思いますが、私はその時にドアからそれが
すごい勢いで出てくるのを見てしまったのです

 

あまりの勢いの強さに、思わず大きな声を
出したことも、先ほど申し上げた通りでして。

 

 

 

 

そして、それが出た後に何がおこるかは
これもまた、皆様の御想像通りのことです。

 

私は、誠実なきちんとした連絡に関しては
心しておりますし、有り難いことにその点に
関しては評価もされてきました。

 

ですが私はそのお客様に、それ以降、一度も
連絡をすることができないでいるのです。

 

 

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幸いなことに不動産業者には恵まれて

このお話をしてくれたN村さんは
とても誠実な感じのする好青年でした。

 

もっとも御本人は、
「もうすぐ初老ですよ」
などと冗談をおっしゃっていましたが。

 

どのような事柄であっても、やはり
相性の良い方に巡り会えるのは幸せなことです。

 

 

 

 

私は幸い、今まで不動産関係でお世話に
なった方は、全て信頼できる方々でした。

 

そして今回も、信頼できる
N村さんに巡り会うことができました。

 

ですが他の要因があって、このお話を進めて
行くかどうかは決めかねています。
まだ、はっきりとした返事はしていないのです。

 

 

 

 

そういえば、かなり時間がたって
いますのに、N村さんからは何の連絡も
ないのはどうしたのでしょう……。

 

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