柳家小三治親子

「あぷりのお茶会」へようこそ!

 

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やっと小三治

今日は小三治の話をちょっと。
小三治が好きといいつつ、談志や志の輔の話ばかりを
していてやっと小三治にたどり着きました。

 

今日のこの話で、今回の落語関係話(?)を
終えることにしましょう。

 

実は今日の昼間、かなり前のことを思い出しました。
小三治が、黒柳徹子の「徹子の部屋」に
ゲスト出演した時のことです。

 

大学を出たばかりのその日、私は午後から仕事で
出かけることになっていたので、大好きな小三治が
出演する「徹子の部屋」の番組の、最初の数分間
しか見ることができませんでした、

 

そこで母に「この続きをあとで教えてね」
と頼んで出かけたのです。
そして帰って来て、母から聞いのか今日のお話。

 

 

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カエルを可愛がる男の子

小三治の子どもが、まだちっちゃかった時のこと。
3人のお子さんのいる小三治の
一番下の男の子は当時、幼稚園児でした。

 

その男の子は、ベランダでカエルを飼っていたそう
ですが、その子はカエルを大事そうに手に乗せて、

 

「かわいい、かわいい」
と、とても可愛がっていました。

 

 

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「補習授業に出るか?」

その彼が通っている幼稚園で、ある時
時間外の補習授業を行うことになりました。
参加するか否かを問うお知らせが保護者に来ます。

 

小三治はその男の子に聞いてみると、カエルを
飼っている男の子の返事は、参加しないというもの
だったので、小三治はその通りを幼稚園に伝えます。

 

すると、再び連絡が来ました。
「補習に出席しないのはお宅のお子さんだけで
彼以外のクラス全員の子どもは参加するという
返事でしたが、どうしましょうか?」と。

 

そこで小三治は、またその子に問います。
「他の子は全部出るんだってよ。どうする?」と。

 

しかし、その子は、それでも参加しない
というので、また、その旨を小三治は
幼稚園に連絡したということでした。

 

 

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素敵な親子

たったこれだけの話なのですが、私は何ともいえない
ほわ~んとした温かいものと、しかし同時にきっちり
筋の通ったものを感じて、とても感動しました。

さすが小三治親子だわい!
とちょっとおかしいのですが、何か自分のこと
のように晴れがましくも感じたりもして。

 

今は(というにはかなり昔の話なのですが、その当時
であっても充分に)小さいうちからお勉強、お勉強と
親子共々しゃかりきになっていることが多いもの。

 

幼稚園からそんな連絡が来たら、子どもには
聞かずに当然のように「出席」に◯をつけて
提出してしまう親もいることでしょう。

 

 

 

 

しかし小三治はそうはせずに
ちゃんとそれを子どもに聞いてみる、
そして子どもの答えを尊重する。

 

すると、出席しないのはその子一人だったことを
案じた園側が再度、連絡をくれるものの子どもの
返事が同じだったので参加しないと伝える。

 

「お勉強を強要しない」、
「子どもも自分の意見をきちんと言える」、
「親が子どもの意思を尊重する」、
「人がみんなするからといって親も子ども流されない」
という親子なのですね、小三治父子は。

 

普通のことのようでいて、実は結構当たり前
ではないのではないかという気がします。

 

 

 

 

 

何ガエルだったでしょうか?

その男の子の可愛がっていたカエルの種類
なのですが、昔のことですのでアマガエルだったか
ガマガエルだったかは忘れてしまいました。

 

ですが、勝手に作ってしまった私の記憶の中
では、普通はあまり可愛いとは思えない
ガマガエルだったような気もするのです。

 

あまり可愛いとはいえない(?)ガマガエルを
「かわいい、かわいい」と愛でる男の子……。
いいなぁ~。

 

 

 

 

そしてこの話をビデオではなく、その2年後に
亡くなった母から聞いたということが私にとって
より一層、良い思い出として残ることになりました。

 

子どもがカエルを「かわいい、かわいい」と
撫でる仕草を、母が真似ながら話してくれたことが
今でも鮮やかに私の記憶に残っています。

 

小三治父子のお話が、母と私の
思い出と重なることになりました。

 




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