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押収した絵画の保管場所
ドイツ南部ガ―ヒンク(Garching)にある
税関の建物に現在、ドイツのミュンヘン
(Munic)で発見された、ナチス・ドイツが
略奪した絵画が保管されているそうです。
第二次世界大戦の前から戦中にかけて、
ナチス・ドイツがユダヤ人から「頽廃芸術」
と称して略奪した絵画の数々です。
11月3日、ドイツの週刊誌フォークス
(Focus)が報じました。
見つかった作品の数が凄いです。
なんと1500点近くもあるといいます。
パブロ・ピカソやアンリ・マチスの絵画も
その作品の中には、パブロ・ピカソ
(Pablo Picasso)やアンリ・マチス
(Henri Matisse)のものも含まれているとか。
時価総額は10億ユーロ、日本円で約1330
億円相当の価値があるとみられています。
見つかった場所は
ミュンヘン市内のアパートの一室。
コルネリウス・グルリット(Cornelius Gurlitt)
所有の部屋でした。
こちらがそのアパートの写真。
見つかったのは、2011年に
脱税容疑で、警察が彼の部屋に
家宅捜査に入った際のことでした。
部屋の住人の父親が没収等であつめたもの
彼の父親は、ナチス幹部と親しかった
美術収集家ヒルデブラント・グルリット
(Hildebrand Gurlitt)氏で、彼が1930〜1940
年代に入手した絵画の数々だということです。
ユダヤ人を祖母に持つヒルデブラント・
グルリット氏は、美術品を見る眼をもち、
また人脈も広かったことから、ナチスの幹部達
にとっては有用な人物でもありました。
ナチ党が退廃的だとみなした、いわゆる
「頽廃芸術」といわれた美術作品の
売買責任者にヒルデブラント・グルリット氏
が任じられていました。
当時ナチスは、ヨーロッパ各国で
ユダヤ人の所有する美術品を没収、
また安く買いたたいて略奪しています。
青少年には見せられない「頽廃芸術」
上の写真は、ドイツの
「頽廃芸術展」での写真です。
この展覧会は「青少年にはみせられない、
いかがわしい代物」とされ、18歳以下は入場禁止。
ですが、逆にそれがセンセーションを呼び
4ヵ月で200万人を超える入場者が
きました。(「独破戦線」)
次の絵は「青少年には見せられない、
いかがわしい代物」とされた
「頽廃芸術」の一つです。
フランツ・マルクの代表作
『青い馬の塔(Turm der blauen Pferde)』。
『青い馬の塔』フランツ・マルク
(写真/「Wikipedia」)
「青い馬などいない」
この絵は1913年の制作。
ヒトラーはこの絵に対して
「青い馬などいない」と言い放ったといいます。
1937年、政府がベルリンのナショナル
ギャラリーからこの絵を没収して以来、
行方不明になっているとのこと。
この『青い馬の塔』の絵も
今回発見された1500点近くの絵画の
中に入っているのでしょうか?
まだ個々の作品についての、詳しい発表
はないようですが、どんな絵が出てくるか
ワクワクしますね。
「頽廃」ではない「芸術作品」
一方、それでは「頽廃芸術」ではない作品
とはどのようなものなのでしょうか?
それが次の写真です。
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」
ということで筋骨隆々、なんていうのが
お勧めだったようです。
(実はこの「健全なる精神は〜」という
言葉ですが、本来の意味とは間違って
人口に膾炙されているそうですが
今回は現在広まってしまっている、そちらの
間違いバージョンの方でつかっています)
こちらはナチス御推薦の「非」頽廃芸術
(写真/「独破戦線」)
古いジャムのビンと一緒に
「頽廃芸術」と汚名を着せられた数多の美術品が
コルネリウス・グルリットのアパートの薄暗い
一室に、なんと50年以上も隠されていました。
しかも、ガラクタや古いジャムのビンと一諸に
置かれていたといいますから、なんとも……。
ちなみに容疑者であるコルネリウス・
グルリットは、これらの絵画を売っては
生活費にしていたそうです。
ふう〜っ、そんなことってあるんですね……。
でも、とにもかくにも救出(?)されて
よかったですね。(「AFP BB News」)