「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
選挙事務所のお手伝い
もう15年位前のことですが、選挙事務所の
お手伝いを一度だけしたことがありました。
私には全くあわない仕事ですので2度お断り
したのですが、深夜12時頃に切羽詰まって
というか念を込めた(?)ような電話を
もらった時に、逃げられないと覚悟を決めました。
10坪弱の小さな事務所
探した事務所は小さな部屋で
椅子に座るタイプの机が一つと電話が一本。
床にすわって作業をする大きめの
テーブルが一つに長椅子が一つ。
全て事務局長のおうちからの借り物です。
日本中の村・町・市・区・都・県・道・国
どのレベルの選挙事務所であっても、この
事務所よりははるかに立派だということは
誰の目にも明らかな事務所でした。
ボランティアに来てくれた人が言ったものです。
「いかがわしい出版社みたい……」と。
その人の弁によれば、いかがわしい出版社
とは、小さい部屋に電話を2、3本引き
段ボール箱がいくつか部屋に置いてあるとのこと。
「数ヶ月で姿を消しちゃったりしてね……。
まさに、こんな感じなのよ」と。
選挙事務所?
ちなみにここは選挙事務所といっても
よくあるような、1階の道路に面している
いわゆる選挙事務所ではありません。
四谷三丁目のANAホテルの近くではあるもの
の、小さな古いビルの5階か6階(忘れました!)。
同じビルにお住まいの大家さん以外は
選挙事務所だと知っている人はいません。
後日、党の職員が来て
「せめて扉の外にポスターを一枚はったら?」
と言われたほどです(でもって貼りました)。
近くの立派な選挙事務所
いかがわしい出版社と見まごうばかり
の事務所開きから、少し経った頃。
近くに◯明党の、当時の代表の
◯四津さんの選挙事務所ができました。
そちらは、めちゃめちゃ大きくて
立派で、人も溢れんばかりです。
こちらの事務所に来るボランティアの人が
ため息まじりに必ず口にしたのを思い出します。
「◯四津さんの選挙事務所、すっごい立派だよ〜」
と言った後に「ここと違って!」という言葉を
続ける人もいれば、飲み込む人もいましたが。
開票速報
そんな選挙戦の日々も終わり投票日の夜
ボランティアの一人が、カンパをしてくれて
ささやかな慰労会をすることになりました。
わが候補は、党からホテルで開票を
待つようにといわれたようですが
「それは私らしくないから……」といい
つつまし過ぎる慰労会に一諸に参加することに。
日本中飛び回っていて、彼女自身が来たのは
ほんの数回というこの選挙事務所に
日暮れ後にパートナーとあらわれました。
そろそろ開票が始まる頃なのですが、この事務所
にはTVなどといった気の利いたものはありません。
10人ちょっとで地味なお疲れ会を
始めようとした時です。
電話が鳴りました。
当確
受話器を取ると、党の職員からでした。
開票速報が始まってすぐ、わが候補が
いち早く当確を決めたとのこと。
電話を切って、私は候補にそれを告げました。
◯四津さんの事務所の何分の一しかない
選挙事務所で、何十分の一、いえ何百分の一
の人手だったのに……。
「過ぎてしまえば」
しかしそんなことは全く関係がなかったのでしょう。
初めての選挙で、誰よりも早い当確が出た理由は
紛れもなく彼女自身の力に他なりませんでした。
ささやか過ぎる慰労会の席が
あたたまる暇もなく、お二人は党本部に。
そしてこの流れ先に、数日前の
国会での出来事があったのだと
今、私は不思議な思いにとらわれています。
懐かしい……です。
「過ぎてしまえば、みな美しい」
という歌詞もありましたっけ……。
キティちゃん電報
そんな四谷三丁目の選挙事務所に
通っていたある日のこと、事務所に
キティちゃん電報が届きました。
この事務所は選挙のためだけの事務所
ですので借りていたのは4ヵ月位です。
電報が来たのは、当選祝いが
バサッときた以外は、これ1度きり。
私のうさぎの1歳の誕生日祝う
友達からの電報でした。
表の宛名は、さすがに私の名前でしたが
中の文面の宛名は私ではなく
うさぎの「ももち」宛。
天使の羽がついたキティちゃんが、電報の
入ったピンク色の入れ物(筒?)を持っています。
筒の中には電文が。
「東京都新宿区」と見えるのは
当時の事務所があった四谷三丁目の住所。
ピンクの筒の齧りあと
次の写真に写っている、ピンク色の筒の左端が
ちょっと紙が剥がれているのがおわかりですか?
これは、キティちゃん電報を送ってくれた
友達がうちにきた時に、この筒を、ももちに
ふざけて齧らせてしまったからなのです。
私が「だめ、やめて!」というと、その友達は、
「ももちがいなくなった時に
ああ、これはももちが齧ったあとなんだなぁ
って、いい思い出になるよ」
と、冗談で言っていたものなのでした。
……、ホントに、そうなっちゃったなぁ……。