「ソメイヨシノ」の伐採 赤坂サカスの桜巡り

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

「日本中のソメイヨシノは遺伝的には1本の木」

もう2年前になりますが、「あぷりのお茶会」で
「日本中のソメイヨシノは、たった
1本のクローン」
ということを書きました。

 

日本中にあるソメイヨシノ、赤坂サカスの
ソメイヨシノも、青森のソメイヨシノも、
ポトマックで咲くソメイヨシノもぜ〜んぶ
たった1本の木のクローンなんてすごいですよね。

 

『日本人は桜のことを何も知らない』
という本に書いてあったことです。

 

 

 

 

私はこれを知った時に、驚嘆、と
いうよりは、そのあまりの不自然さに
ちょっと不気味な感じさえしたほど。

 

そしてその本には、ソメイヨシノの
寿命は、だいたい60年ほどだと
いうことも書かれていました。

 

東京オリンピック前後に、日本中に
一斉に植えられたソメイヨシノが、
これまた一斉に寿命を終えるのではないかと、
本の著者は危惧していたように思います。

 

 

140401akasakasacasこちらが赤坂サカスの入り口

 

 

 

始まっていたソメイヨシノの伐採 

その事実を知った後、あちらこちらで
ソメイヨシノが倒れたり、病気にかかったり
という情報を目にするようになりました。

 

大阪豊中の池田市では、市の3分の1ほどを
しめる五月山には 3万5000本という桜が植えら
れているそうですが、その大半はソメイヨシノ。

 

こちらは昭和30年代に多く植えられたのだそうです
が、2002年に「桜の苑(その)」と呼ばれる場所
を中心に2000本のサクラの調査をしたそうです。

 

すると、病気と診断されたソメイヨシノが約9割も
あり、そのうちの1200本は伐採されたといいます。
(「マチゴト・豊中池田」12.3.21)

 

 

 

 

また長野県上田市では一昨年、ソメイヨシノが老木
となったために「断腸の思いで」サクラを伐採し、
その桜の木から花瓶と花台を300セット作った
そうです。(「東信ジャーナル」13.5.11)

 

そしてこれは、今回初めて知ったことなのですが
ソメイヨシノの伐採と伐根にかかる費用は
227,000円で、新たに植えるには56.000円
がかかるということ。

 

これは昨年の記事ですので、消費税も含めると
1本あたりでは30万円近くかかるのですね。
(「竹田のブログ」写真も)

 

 

 

 

 

全国で生まれている「桜守」

等々書ききれないほどあるのですが
では、全てそのまま伐採していまうのか
といえば、そうでもなさそうです。

 

各地でサクラを守ろうという動きも
ちらほらとできています。

 

東京は国立(くにたち)市では
サクラを守ろうというボランティア
「桜守」が100名以上のいるとのこと。

 

 

kunitatisakura

(写真/「全国花のまちづくりネットワーク
『くにたちの花守』」)

 

 

JR国立駅前からまっすぐのびている
大学通りの両側は、見事な桜並木。

 

また、桜の名所である吉野でも
同様の動きがあるそうです。

 

 

p2(写真/「吉野の桜を守る会」)

 

 

この写真は、いかにも
「ザ・吉野の桜」という雰囲気ですね。
一つ上の、国立駅前からのびている
大学通りの写真とは対照的で。

 

ですが、両者とも美しいです。
「みんなちがって みんないい」
あっ、ごめん、パクりました。

 

国立と吉野の距離をはるかに超して
こちらはワシントンDCのポトマックの桜。

 

 

potomakkusakuraポトマックの桜(写真/「4travel.jp」)

 

 

ポトマックは樹齢100年を越すソメイヨシノ
もあり、手をかける人がいると
寿命が延びると聞いたことがあります。

 

うろ覚えですが、青森の桜も懸命な桜守の
おかげで、寿命を延ばしているとか。

 

 

 

なぜソメイヨシノがこんなに多いの?

ソメイヨシノは江戸末期に、江戸染井村
(現在の豊島区)の植木屋さんが
売り出したのがはじめといいます。

 

そもそもなぜ、桜としては新参者のソメイヨシノが
こんなにも日本中にはびこっているのかについて
日比谷花壇のサイトにこのような説明がありました。

 

 

140401inko450赤坂Bizタワーの周辺

 

 

「ソメイヨシノを植えるように
推奨したのは明治政府と
いわれています。

 

明治維新後の新政府は、徳川時代から続く
もろもろの体制を、
積極的に排除しました。

 

サクラの世界においても同様なことが行われ、
今までのサクラの
名所にあったヤマザクラは
政府の意向で新しく登場した
ソメイヨシノに
植え替えられました。

 

ソメイヨシノは富国強兵の波に乗り
あっという間に
全国に植え広まったのです」
(「HIBIYA-KADAN 桜だより」)

 

 

140330sacasu赤坂ACT Theater の裏手

 

 

今までのサクラの名所にあったヤマザクラを
ソメイヨシノに植え替えた、というところが驚愕!

 

新たに植えたのではなく、ヤマザクラを
抜いてしまったということですからね!

 

確かにソメイヨシノは成長が早いという
長所はありますがその分、寿命も短い。

 

 

 

 

そして何よりクローンですので
全て同一遺伝子を持つ同じ木であり
遺伝的に「他の木」が存在しないのです。

 

そもそもサクラは同じ木同士では、実を結びません。
(自家不和合性といいます)

 

ソメイヨシノには「他のソメイヨシノの木」は
存在しないのですから、実を結ぶことは
ありません(結んだとしたら雑種)。

 

したがって、ソメイヨシノは接ぎ木
でしか増やすことはできません。

 

 

 

 

私には、
「存在しているソメイヨシノの全てがクローン」
も「ヤマザクラを抜いて一斉にソメイヨシノに
植え替えた」という事実も、ともに違和感を
覚えずにはいられない不自然さとうつります。

 

先ほど紹介した本には、ソメイヨシノに
「画一的、みんなと一緒という
日本人のあり方が重なって見える」
というようなことも書いてあった
ように記憶しています。

 

 

 

赤坂サカスの紅しだれ桜は「滝桜」の子孫

赤坂サカスのシンボルツリーでもある紅しだれ桜は
福島県三春町の「滝桜」の子孫です。

 

昨日のツイッター情報では
三春の「滝桜」はまた咲いていないとか。

 

 

imgpic01福島県三春町「滝桜」

 

 

ソメイヨシノが席巻する前の日本では、和歌にも
詠まれ、お花見の名所にある桜はヤマザクラでした。

 

ヤマザクラは1本の木の花で
あっても、開花する時期が違っていて
花を長く楽しめる桜だともいいます。

 

ソメイヨシノはクローンであるからこそ
開花予想もできるそうですが、みんな
一緒に咲いて一斉に散ってしまいます。

 

 

140401pakutawa

右の建物は赤坂サカスの端にある
「赤坂 ザ レジデンス」
一番最初の写真の左側の建物と同じ
これで赤サカスを一周しました

 

 

私には、1本1本がそれぞれの個性を
持つというヤマザクラに惹かれます。

 

なおヤマザクラの寿命は長く、100年〜400年
ともいわれますが、福島県三春町の「滝桜」
紅しだれ桜は樹齢1000年以上だそうです。

 




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