1000人の人員整理をした彼を待っていたものは?

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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こんなに大きなニンジン、見たことある? 

麻布十番の「びっくり屋」で買った
でっかい、でっかいニンジンです。

 

特別なニンジンではないのですが
この大きさはちょっと驚きましたので
皆様に是非見て頂きたいと。

 

のせてあるお皿は、ローゼンタール〈魔笛〉の
ディナー皿ではなく、ディナー皿より
二サイズ大きいお皿です。

 

さすが麻布十番「びっくり屋」
名前にいつわりなしですね。

 

 

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「人員整理」のプロフェッショナル 

今日お話ししたいのはニンジンのことでは
なくて去年、お友達から聞いたお話です。
昨日の記事を書いている時に、急に思い出しました。

 

昨日、日本は非正規雇用者が3人に1人とお話
しましたが、御存知のように正社員でなく非正規
雇用で働いていますと様々なことで不利益を被ります。

 

日本では、

1980年代から非正規雇用率が増加し

1990年に20パーセントを超えました。

1999年には25パーセント、

2003年には30パーセント、

2012年に35,2パーセント、

ついに3人に1人が非正規雇用となったのです。

 

 

草月会館のレストラン「薔薇」

 

 

 

お友達の義理のお兄さん 

昨年、ここしばらくゆっくり話したことが
なかった友人と仕事で話す必要があり
赤坂の草月会館の2階にある
レストラン「薔薇」で会いました

 

彼女は3人姉妹の真ん中で、お姉さんがいる
ことは知っていましたが、お姉さんの夫に
ついては、ほとんど知りませんでした。

 

彼女の姉の夫、彼女からいえば義理の兄は
有名な会社に勤めていました。

 

 

草月会館のレストラン「薔薇」

 

 

昨日の統計でいいますと、日本の99.7パーセント
を占める中小企業ではなく、0.3パーセントの方
の大企業です。

 

彼女の義理の兄は、かなり出世をしていたようです。
次期社長の椅子も射程に入っている出世ぶり。
彼も、彼のまわりの人間もそう思っていました。

 

 

 

1990年代から大量の人員整理

日本が大量人員整理の時代に突入した1990年代、
彼はまさに、その仕事をしていたといいます。

 

 

イサム・ノグチ作
「花と石と水の広場」《天国》
草月会館

 

 

次期社長の椅子を目前に、黙々と、いやバシバシと
数多くの同僚でもある社員をクビにしてきたのです。

 

その数、なんと千人以上。
人員整理が進めば進むほど
社長の椅子が近づいたと彼は思ったかもしれません。

 

しかし、きつい仕事を着々とこなした
彼を待っていたものは……。
彼には、全く想像もつかないことでした。

 

 

草月会館

 

 

 

「人」の次は「自分」

彼自身がクビになったのです。
まさか、自分が……、と彼は思ったに違いありません。

 

その後、彼は自殺をしています。

 

私の友人曰く、そんなことがあっても
自殺で夫を亡くした彼女のお姉さんは
一言も会社を悪く言わないと。

 

 

 

 

これは長い説明が必要ですので省きますが
会社を批難しないのは、彼女のお姉さんが出来た
人間で我慢しているということではないそうです。

 

彼女は、人生に起きる様々なことを
いわば「否認」して生きている人
だということでした。

 

これは彼女に限らず、多くの人がそうかもしれません。
事実があまりにも自分にとって絶えられないほど過酷な時
人は無意識のうちに否認をすることがありますから。

 

 

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 取り上げられたものは仕事だけではなく

次期社長候補として、会社に忠誠を尽くし
バサバサと同僚を切って行く。

 

この役目はかなり辛いもだと聞いたことが
ありますしまた、当然そうに違いありません。

 

仕事を失ったからといって、命まで
とられるわけではないのですが
命をつなぐ糧がなくなることではあります。

 

 

 

 

もちろん次の仕事を探せば解決します。
とはいえ、年収200万円以下が1090万人も増えて
いる今の日本では、それはかなり難しいこと。

 

彼位の年齢になった人間が、今まで以上に
良い条件はもとより、今までと同じ程度の
就職さえ難しいに違いありません。

 

そしてそれ以上に、会社が全てだった会社人間の
彼にとっては、辛い仕事を黙々とこなした後に
会社を辞めるようにいわれたことは、自分の存在の
全てが否定されたように感じられたのかもしれません。

 

 

 

 

会社も仕事も、大切なものではありますが
本当は、人生の一部に過ぎないことなのですが……。

 

ただ渦中にいる人にはそれが見えないことも
また、想像に難くありません。

 

このような小説のような辛い話は、残念ながら
ここ数十年の日本には少なくなかったのでしょう。

 

 

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