「木賊(とくさ)」 溜池山王駅(南北線)アート9

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

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ザラザラしたかたい茎

「木賊」と書いて「トクサ」と読みます。
「砥草」とも書くそうです。
別名は「歯磨草」と書いて「はみがきぐさ」。

 

「砥草」は「砥石になる草」「砥ぐ草」ですし
「歯磨草」はそのまんま、硬くて何かを磨く、
研磨するという感じがする名前ですね。

 

そしてその「砥草」という名前通りに
茎がかたくてザラザラしているそうです。

 

この茎は珪酸質を含んでいて、表面に
細かい突起があり、いろいろなものを
磨くために利用されています。

 

 

 

「トクサ」は常緑のシダ植物

普通イメージするシダ類とはかなり見た目が違いますね。
こちらは「トクサ」の花。

 

 

tokusa300(写真/「修理人たくちの徒然日記」)

 

 

つくしみたいですね。
そう、「トクサ」ってスギナ科なのです。

 

じみ〜、な感じがするの「トクサ」ですが
こんな風に見るととても美しいですね。

 

 

 

tokusa370-300x225(写真/「シュウホームページ」)

 

 

 

デザインや薬にも活躍する「木賊」

冒頭の「トクサ」はやはり、という
言い方も変ですが、溜池山王駅アートでは
かなりの数を占める狂言の装束です。

 

「木賊と松皮の段文様肩衣」という名前で
岡山県の林原美術館が所蔵しています。
(「MARSHALLの好きな場所」)

 

そしてつぎは「トクサ」を蒔絵で棗の模様
としたものが次の写真ですが、これは現代の
作品で、ネットショップに出ていた大棗です。

 

 

natumetokusa300(写真/「佐藤大観堂」)

 

 

このように様々なもののデザインにも
活躍している「トクサ」、最初にお話
しました細工物を磨くと用途とは別に
腸出血などを抑える薬にもなるそうです。

 

 

 

お能の「木賊」

そこで昔は、この有用な「トクサ」を刈る
お仕事をしている人も いたそうですよ。

 

そういえばお能には「木賊」
という演目もありましたっけ。

 

 

tokusaawayanounokai370(写真/「木賊 粟谷能の会」)

 

 

って、話が逆になってしまいましたが
私が初めて「木賊」という言葉を聞いた
のは お能の「木賊」が最初でした。

 

この「おもちゃ尽掛素襖(かけすおう)」
という装束は、お能の喜多流で「木賊」を
演じる時のためだけにある装束だそうです。

 

「掛素襖」とは、袴などをはいた上に打ち
掛けて羽織るものをいい、能や歌舞伎では
身分の低い人や旅人などが着るものです。

 

「おもちゃ尽くし」というのがいいですね。

 

omotyadukusiayawanounokai370

喜多流「木賊」専用の装束
「おもちゃ尽掛素襖」 「写真/「粟谷能の会」)

 

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