植物の悲鳴(SOS信号)

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

endoumame130916

 

 

植物もコミュミケーションをしている

この夏に、イルカはそのイルカの固有の音
(名前)を持っていて、他のイルカと海の中
でコミュニケーションをしているという
お話をしたことがありましたね。

 

このイルカの話は最近の報告による
ものでしたが、植物に関しては同様の
ことがかなり前から言われています。

 

私は、新聞や雑誌の切り抜きをしない
のですが、それでもそれに関する新聞記事
は切り抜いて持っていたくらいです。

 

朝日新聞にかなり以前に載った記事で
米山雅寛さんが書いていしたものでした。

 

京都大学生態学研究センター高林純示センター
長が2000年に発表した論文からです。

 

 

kyoutodaigakuseitaigakukenkyusenta

京都大学生態学研究センターのサイトの写真です。
とても素敵な写真ですね! 個人的に超お気に入り!
(写真/「京都大学生態学研究センターHP」)

 

 

 

キャベツがSOS信号を出す

それは、「ムシの幼虫に食べられている
キャベツが、その幼虫の天敵であるハチに
SOSを送って自分の身を守る」というもの。

 

 

(キャベツを食べる幼虫) (コナガの天敵)
キャベツ ←  コナガ  ←  コナガマルバチ
|__________________↑
SOS

 

 

キャベツ畑に、キャベツが大好物のコナガという
蛾の幼虫がきて、キャベツを食べ始めると…..、
キャベツはSOS信号を出します。

 

出した相手は、コナガの天敵「コナガマルバチ」。

 

SOS信号を受け取ったコナガマルバチは
キャベツ畑に行ってコナガを食べてしまう
というのです。

 

 

 

コナガとは菜っ葉を食べる小さな蛾と
いう意味で「小菜蛾」と書くそうです。
英名では背中にある菱形の淡黄白色紋がある
ことから「Diamondback moth」といいます。
コナガの写真をつけたいと思ったのですが苦手
な方もいらっしゃると思われますので自粛……。
かわりにキャベツの写真をどうぞ。
kyabetuhanaキャベツ 左はキャベツの花だそうです
(写真/「日々」)

 

 

 

食べるムシにより異なるSOS信号を出す

キャベツを食べるのは,コナガの幼虫だけでは
なく、モンシロチョウの幼虫のアオムシも同様。

 

この時も、キャベツはSOS信号を出しますが
今度の相手はコナガマルバチではなく
オムシの天敵のアオムシコマユバチ。

 

 

(キャベツを食べる幼虫)  (アオムシの天敵)
キャベツ ← アオムシ ← アオムシコマユバチ
|____________________↑
SOS

 

 

23032229

はらぺこあおむし
(写真/「プリ画像」)
これならばいいでしょうか?
でも、こんなふうにあおむしちゃんの
絵をつけていると、オアムシコマユバチに
食べられちゃうのが、かわいそうにも……。

 

 

驚くべきことは、キャベツがコナガの幼虫に
食べられている時と、アオムシに食べられて
いる時とは、別の信号を出していることです。

 

 

 

SOS信号は「みどりの香り」

この時キャベツが出しているSOSの信号
というのは、「みどりの香り」と呼ばれる
炭素数6個のアルコールやアルデヒド、
テルペン類
という揮発性の科学物質です。

 

 

こちらは「芽キャベツ」

 

 

このようなSOS信号は、キャベツだけでは
なく、リママメやトウモロコシなどの植物でも
みられることが報告されているといいます。

 

(トウモロコシを食べる幼虫)(アワヨトウの天敵)
トウモロコシ←アワヨトウ幼虫←カリヤコマユバチ
|__________________↑
SOS

 

(リママメを食べる) (ナミハダニの天敵)
リママメ ← ナミハダニ ← チリカブリダニ
|_________________↑
SOS

 

 

monsirotyouモンシロチョウ(写真/「図鑑ネット」)

 

 

 

「虫により化学物質のブレンドの仕方を変える」

これについて京都大学生態学研究センターの
高林純示センター長は次のように説明をしています。

 

「信号の化学物質は複数の成分からできていて、
植物は虫によってブレンドの仕方を変える。
免疫系のように、それぞれの天敵だけを
呼ぶ高い特異性がある」

 

む〜ん、キャベツたち、すごい!

 

でも、ここでお話は終わらないのですが
長くなってしまったので続きは明日ね〜!

 

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