「あぷりのお茶会赤坂・麻布・六本木」へようこそ!
黒と金の虎の袋ができたのは1970年
虎屋にちょっと長居をしてしまいましたので
今日でいったん一区切りといたしますが、今回
取り上げるのは虎屋の「虎」関連についてです。
皆さんお馴染みの「The 虎屋」ともいうべき
黒に金の虎の絵のついた有名な袋が出来たのは
1970(昭和45)年のことでした。
金属工芸作家(鋳金)の
永井鐵太郎氏の手によるものです。
1776(安政5)年作の雛井籠(ひなせいろう)に
描かれた虎をもとにできたものだそうです。
「雛井籠(ひなせいろう)」って?
デザインのもとになった安政5年作の「雛井籠
(ひなせいろう)」が上の写真ですが
この容器は、どのように使うものなのでしょう。
(ふりがながなければ、私は
「せいろう」とすら読めませんでした!)
「井籠(せいろう)」とは「虎屋」のサイトには
「菓子をお届けする折に使用するお通箱
(かよいばこ)のことです。
『外居(ほかい)』『行器(ぎょうき)』
などの呼び方もあります」
とありますので、おそば屋さんでいう岡持ちを
上品にしたものなのでしょうか(違う?)。
ですから「雛井籠(ひなせいろう)」とは
その雛菓子版の、ひな祭り関係のお菓子を
届ける時の箱というわけですね。
「雛井籠(ひなせいろう)」のサイズですが
これは意外に小さくて五段重ねでも
10cm×13cm×18㎝ほど。
まあ、お雛菓子ですのであまり
大きくても可愛さに欠けますが。
現在はこの「雛井籠(ひなせいろう)」
を模した化粧箱が作られ、雛菓子を
つめて販売されているそうです。
「虎屋」という時のイントネーションは?
前回は、虎屋文庫での展示会のお話をさせて
頂きましたが、その展示会とは別のお部屋で
短めのビデオが上映されていました。
その内容も興味深かったのですが、ちょっと違う方向
(?)で実は私はかなり驚いたことがありました。
それが「とらや」という、3文字のイントネーション。
私は、今までずっと「と ら や」という3文字を
( 。 ° 。 ) と、2番目の「ら」を高く
「と」「や」を低く言っていました。
ところが虎屋制作のビデオでは( 。 ° ° )と
「ら」と「や」を高く続けて言っているのです。
そういえば昔は京都が本店だった虎屋は、やはり京都の
といいますか関西方面のイントネーションなのでしょう。
考えてみればあたりまえなのですが、私にはかなり驚き
で、一瞬、別のお店の名前かと思ったほどでした。
なにはともあれ、工事中は東京ミッドタウンの虎屋に
お世話になることにして、3年後に新しい虎屋で再び
美しいお菓子を悩みながら選ぶことができますように!