「ハチミツ」と「ロイヤルゼリー」

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「花蜜」と「ハチミツ」の成分は異なる

ハチミツは、ミツバチが花の蜜から作ったもの
ではありますが、それぞれの成分は異なります。
自然界の中で、最も甘いものといわれるハチミツ。

 

その原料である花の蜜自体には
ハチミツほどの甘さはありません。

 

ハチミツに含まれる糖分の大半は
ミツバチが、花蜜を体内に入れることによって
作られたものであり、ミツバチがいなければ
人間はハチミツを作り出すことはできないのです。

 

 

 

 

最初、私はたくさん花からほんの少しずつのミツを
集めるという、膨大な手間のかかる仕事をミツバチに
してもらい、集めたミツを人間がいただいている
と思っていました。

 

要は、花からのミツ集めを効率よくしてもらうと。
ところが実際は、それよりはるかに重要な役目を
ミツバチは果たしていたのです。

 

 

 

 

 

ハチミツを作ることができるのはミツバチだけ

花の蜜をミツバチが集めて「加工」すること
により、初めてハチミツが出来上がります。

 

またハチならば、どの種のハチもハチミツを作る
ことができるのかというとそうではなく、ハチミツを
作ることができるのはミツバチだけだそう。

 

ミツバチの主なエネルギー源であるハチミツは、
1 花が咲かなくなる季節の食料や、
2 幼虫を育てる時の餌に、
3 ハチの巣を作る蜜蝋(ミツロウ)の
  原材料にもなります。

 

 

 

 

これらに使う以外のハチミツは
巣の中で濃縮され、貯蔵されます。

 

ハチミツが不足をすると、群れが増えなくなり
蓄えていたハチミツがなくなってしまうと
ミツバチは餓死してしまいます。

 

 

中央に見えるちょっと大きめのものが
女王蜂専用の飼育部屋「王台」

 

 

 

ハチミツ→ミツロウ(蜜蝋)

蜜蝋は、働きバチの「蝋線」と
呼ばれる器官で作られるものです。

 

分泌した瞬間は液状ですが、空気に触れると
固まる性質があり、お腹から分泌した蜂ロウを
足ですくい取って口まで運んで巣作りをします。

 

巣板の下に、女王蜂専用の飼育部屋・王台が作られ
ますが、幼虫の成長に従って、王台は増築されて
最後にはピーナッツの殻ほどの大きさにまでなります。

 

ミツロウは、これもまたハチミツ同様、ミツバチたち
から人間がいただいているものでもあり、古くから
ロウソクの原料として重宝してきたものでもあります。

 

 

 

 

 

花蜜+ミツバチの消化酵素=ハチミツ

ミツバチたちは花から花蜜を吸いとると
ミツバチの胃袋である「蜜胃」という
容れ物の中にためて、巣まで持ち帰ります。

 

この時にミツバチの体内の消化酵素や唾液酵素が
ミツに加わることにより、科学変化が起こります。

 

花の蜜はお砂糖と同じように、主成分はショ糖ですが
ミツバチの体内酵素等によりショ糖が、
ブドウ糖果糖に分解、熟成されて、巣に戻る
までの間に、花蜜はハチミツへと変化しています。

 

 

 

 

巣に戻った働きバチは、ハチミツを
仲間に口移しで渡します。

 

受け取った側の働きバチは、35度前後の巣温の中で
羽根を羽ばたかせて、ハチミツの水分を蒸発させ
糖度が80パーセントになるまで濃縮します。

 

こうして濃縮されたハチミツは、サラサラとした
花蜜から、トロリとしたハチミツに変わっていて
この状態になったハチミツを、働きバチは
貯蔵部屋に移して蓋をします。

 

 

       花の蜜   →    ハチミツ

_______________________

水分量   70パーセント →  20パーセント

 成分      ショ糖    →  果糖+ブドウ糖

 

 

 

 

 

「天然ハチミツ」

人間がハチミツを利用する場合、水分が80パーセント
になった時点で採取し出荷されるものを
「天然ハチミツ」と呼んでいますが、正確な定義はなく
少々、曖昧に使われているというのが現状のよう。

 

ミツバチにより、自然に水分が80パーセントになる
まで寝かせておくのは、時間がかかって効率が悪い
ために、機械を使って早く水分を飛ばすハチミツも
かなり流通しているようです。

 

公正取引規約では「ハチミツの水分量は21パーセント
以下」と定められていますが、その数値にするために
ミツバチに任せるか、あるいは人間が機械で
処理するかについての規定はないからです。

 

ただし、味の差は歴然だとか。

 

 

「ビーポーレン(beepollen)」花粉団子

 

 

 

花粉→花粉団子(ビーポーレン)

働きバチが花の中で蜜を吸う時に、花粉が
働きバチの体の毛についてしまいます。

 

ミツを吸い終わった働きバチは、足に生えている
ブラシ状の毛に、ミツを少しだけつけて
湿り気を与え、体についた花粉を湿らします。

 

そして器用なことに、飛んでいる間に
それらをまとめるのだそうでです。

 

前足と中足で花粉をまとめ終わると、後ろ足の
体毛でカゴのようになっている花粉カゴに入れ
1本の長い毛に花粉を団子のように串刺しにします。

 

この花粉団子は、ミツバチ(bee)の花粉( pollen)で
「ビーポーレン(beepollen)」と呼ばれるものです。
「ミツバチのパン」とか「蜂パン」ともいいます。

 

 

花粉カゴに花粉団子を入れて運ぶミツバチ

 

 

串刺しにして持ち帰った花粉団子は、巣の中の
働きバチに渡され、噛み砕かれて巣房に蓄えられます。
その後、ハチミツを塗られて
「蜂パン」と呼ばれる保存食になります。

 

 

 

花粉は大切な食糧

働きバチの幼虫は孵化後、3日までは女王バチと
同じように、ロイヤルゼリーを与えられますが
それ以降は、花粉にハチミツを混ぜたもの
が食料になります。

 

アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラル等を豊富に
含んでいる花粉は、ミツバチの体の基になる重要な
食糧ですので、巣の大きさにもよりますが、年間に
集める花粉量は、10〜30キログラムにもなるそう。

 

一匹の幼虫が成虫になるまでには、0.1グラムほどの
花粉が必要ですが、これは働きバチ一匹の重さと同じ
くらいの量であり、それが1日に1000匹、2000匹と
孵るのですから、大量の花粉が必要というわけです。

 

 

 

 

 

貯花粉量をどのように認識しているのかは不明

巣に花粉が足りなくなると、働きバチの免疫力が低下し
たり、寿命が短くなったりして、働きバチが卵や幼虫を
食べてしまうこともありますので、蓄えている花粉が
少なくなると、花粉を集めに行く働きバチが増えます。

 

幼虫がフェロモンを出して、働きバチたちに
花粉集めを促進させるといわれていますが
群れが必要とする花粉量をどのように認識して
いるのかは、まだ解明されていないようです。

 

ミツバチは幼虫の時が、最も花粉を必要とする
ようで、羽化した働きバチは羽化後、10日ほどで
育児係になった時までが花粉消費量が最大となり、
その後は急激に少なくなります。

 

羽化後20日以降、門番係や外回りになると
あまり花粉を必要としません。

 

 

 

 

一方、ハチミツを作る花蜜は、巣に蓄えているハチミツ
の量に関わりなく、いつでも集めてくるのだそうです。

 

働きバチの仕事の変化
 生後3日〜    掃除、世話 巣の掃除、幼虫の給餌、
         女王蜂の世話

 生後7日〜    巣作り、ロイヤルゼリー作り

 生後10日〜  貯蔵 採集してきた働きバチから
        受け取ったミツを貯蔵

 生後14日〜  門番 出入口で敵の侵入を防ぐ

 生後20日〜 外回り 花蜜、花粉の収集

 

 

 

 

 

花粉→ロイヤルゼリー

花粉はミツバチたちの食料であるとともに
女王バチの食料のロイヤルゼリーの材料でもあります。

 

巣房に蓄えられている「蜂パン」を働きバチが
食べると腸に送られた花粉は、アミノ酸となって顎に
ある唾液腺に送られ、そこで生合成が行われます。

 

他のハナバチ類では、花粉と花蜜をただ混ぜ
合わせるだけですが、ミツバチは、一度体内に
取り込み、生合成を経ることにより、栄養価の
高いロイヤルゼリーが出来上がるのです。

 

ロイヤルゼリーは、ハチミツのような甘さはなく、酸味
が強く、舌を刺激するような収斂性があるのが特徴です。

 

 

 

 

 

栄養成分の違い

ハチミツは、80パーセントが果糖で、残りはほぼ水分。
そのうち数パーセントにビタミンやミネラルが含まれます。

 

ロイヤルゼリーは、糖分は10パーセントに過ぎず、
水分が60パーセント、後の30パーセントは
40種類以上もの豊富な栄養素で構成されています。

 

中にはロイヤルゼリーにしか含まれていない
「デセン酸」成分などを含んでいるのも特徴の一つ。

 

 

 

 

文献に初めてローヤルゼリーが現れたのは
古代ローマ時代で、アリストテレス(B.C.384~
B.C.322)の著書の『動物誌』の中に「濃厚な蜂蜜
に似た淡黄色の柔らかいもの」と記されています。

 

また「ロイヤルゼリー」という名前は、約200年前
から使われていて、フランソワ・ユベールの
『ミツバチの新観察』には、「ゼレー・ロワイヤル」
という言葉が見えるそうです。

 

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