ひきこもり 5 自立支援施設で当事者から相次ぐ訴え

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

訴えの相次ぐ「自立支援ビジネス」

ひきこもりからの自立をうたい、入居施設に
入れる「自立支援ビジネス」で、ひきこもりの
当事者からの訴えが相次いでいるといいます。

 

今日はこれに関して 2019年2月6日(水)
「Yahoo   JAPAN ニュース」の記事を
まとめたものをお伝えします。

 

自宅から施設に入居する際、自宅から無理
やり連れて行かれ、施設でも軟禁状態だった
り、最低賃金以下で働かされたり、中には精神
病院に入れられたなどという苦情もあります。

 

このような入居施設には法律に基づく
設置基準がなく、行政側も運営の実態
をつかみきれていないのが実情です。

 

 

 

 

 

進むひきこもりの長期化と高齢化

内閣府が、15〜39歳を対象に行った2015年
の調査によりますと、ひきこもり状態に
ある人は、推計約54万1000人で、2010年の
調査結果からは約15万人ほど減っています。

 

その一方、ひきこもりが「7年以上続いて
いる」は34%で、前回の16.9%から倍増。

 

ひきこもりの長期と高齢化が進んでいると
みられ、内閣府も40歳以上のひきこもりの
実態を把握するための調査に乗り出しました。

 

内閣府の2015年の調査では約54万人という
数字でしたが、当事者や家族で作るNPO法人
「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」では
40歳以上も含めた人数は約100万人と推計。

 

 

 

 

 

ようやく支援にのりだした国や自治体

同NPO法人本部のソーシャル
ワーカーの深谷守貞さんは、

 

「ここ数年で国や自治体は、ようやくひき
こもり問題に対する支援に乗り出しました。

 

一方で、世間からはいまだに本人の甘え、
親の育て方が悪かった、自己責任だ、
などと批判されがちです。
周囲に『助けて』と言えず、地域社会から
孤立してしまう本人や家族は少なくありません」
と言います。

 

ひきこもり当事者も50代、その親世代は80代
という「8050問題」も表年化しつつあります。

 

親も精神的に追い詰められているなか、
自立支援ビジネスの広告を見て頼ってしまう
ケースもあるのでは少なくないと思われます。

 

 

 

 

 

暴力的に拉致されて

昨年、2018年の夏に入居施設から救出の
依頼を受けた弁護士が、30代の男性を
脱出させました。

 

彼は住んでいたマンションから、大勢の
住人が見ているなか、片腕を背中に回され、
上半身をテーブルに押さえつけられました。

 

最後は施設側が依頼した警察官や、民間の
移送業者も一緒に押さえつけられた彼は、

 

「こんなの誘拐じゃないか!
拉致じゃないか!」

 

と叫びながら車に引きずり込まれる
という、暴力的な方法で連れ去られた
ということでした。

 

 

 

 

 

24時間体制で監視、監禁→精神病院へ

施設に行った後もなお入居を拒んだ彼は、
マンションの地下1階の部屋に収容されます。
職員が室内で見張っているか、施錠されるかと
いう24時間体制で監視され、監禁されました。

 

不安で食べられない状態が1週間以上も続き、
今度は精神科病院へ連れて行かれました。

 

そこで3日間、彼はストレッチャーに
仰向けに拘束され、オムツを着用、
トイレに行くことも許されませんでした。

 

後ほど、彼の母親が医療保護入院の同意書
にサインしたと説明されましたが、脱出後
に母親に聞くと「強制入院だという説明は
されなかった」とのこと。

 

 

 

 

地下の部屋にいる時に暴力的になったわけ
でもないのに、なぜ拘束までされなければ
ならなかったのか、何をされるのだろうか
と怖かったという彼は、3ヶ月の入居で
体重は10キロ以上減りました。

 

心身ともに疲れ果てた頃に、通院・服薬
を続けることと家族に連絡を取らないこと、
これらのルールを守れない場合は、再度
入院することに同意します、などと
記された契約書を提示されます。

 

彼にはサインをするしか
方法はありませんでした。

 

 

 

 

 

高額費用を支払いながら、時給200円の仕事

幸いなことに彼は、弁護士に救出依頼を
して施設を脱出することができましたが、施設
の実態はにわかには信じがたいものでした。

 

なかには時給200円で農作業を
させられたり、外出も許されず、
冷蔵庫の開閉にも職員の許可が必要。

 

施設の2階から飛び降りて
脱出を試みた人もいたといいます。

 

しかもこの自立支援ビジネスは、費用が
高額なのも特徴のようで、3か月間で総額、
432万7299円、6ヶ月間で685万円等。

 

 

 

 

 

誰にも相談できなかった母

契約をしたある母親は、子どもがひきこもり
になったことは誰にも相談できず、子どもも
自分たちも年を取っている焦りのなかで
インターネットで施設を見つけました。

 

問い合わせてみると、職員から
「時間の余裕はありません」
「今日契約しないとダメ」
とせかされたといいます。

 

でも結局、子どもの体も心も傷つけて
しまい、施設から逃げ出した子どもの
所在は今もわからないといいます。

 

 

 

 

 

斎藤環医師「高齢者詐欺の一つ」

このような問題のある施設はあちこち
にあると言うのは、筑波大学教授で
精神科医の斎藤環さん。

 

入居などの強制で本人の尊厳は著しく毀損
され、問題の解決には有害となるケースが
圧倒的に多く、そもそも入居者の訴えている
問題行為は不法侵入や監禁であり、その時点
で許される余地はありませんと言い、

 

「親の藁にもすがる思いにつけ込んだ、
高齢者詐欺の一つ」と批判しています。

 

 

 

 

このような施設は入居者や親とトラブルに
なると施設を閉鎖し、その後別の場所で
別の名前で同じような施設を開設したり
ということもあるといいます。

 

厚生労働省は、ひきこもりを
「学校や仕事に行かず、かつ家族以外の
人との交流をほとんどせずに、6か月以上
続けて自宅に引きこもっている状態」
と定義しています。

 

スポンサードリンク