発芽の重要なカギをにぎる「フォトクロム」

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タネの発芽時 必ずしも光は必要ではない

植物には、「水」「温度」「空気(酸素)」
と「光」が必要不可欠と思われますが
タネが発芽するときには、必ずしも光が
必要というわけでもないようです。

 

発芽に光を必要とするタネ
光発芽種子(レタス、タバコ、マツヨイグサ)

 

暗いところで発芽するタネ
暗発芽種子(カボチャ、トマト)

 

光の影響を受けない・・・中間性のタネ
というように。

 

ただ、光発芽種子であるゴボウは、1日の
温度の変化がある状況下では中間性になると
いうように光は温度と複雑に関係しています。

 

 

 

 

 

発芽を「促す色」と「阻害する色」

そして光の中にも、
「発芽を促す色の光」赤色光(660m)と
「発芽を阻害する色の光」遠赤色光(730m)
があります。

 

タネが光の当たらないところで発芽をした場合
芽は生き残ることができませんので、タネは
光が当たると発芽をする術を身につけています。

 

光は「何色の光」が最も適しているのかという
研究が1935年にアメリカでなされました。

 

まず、レタスのタネに弱い光を当て50%の
タネが発芽をするようにした後、様々な色
の光を当てて、発芽率を調べてみました。

 

結果は、赤色の光をあてるとよく発芽し、
遠赤色光をあてると発芽しないことが判明。
遠赤色光は、近赤外光ともいわれる光です。

 

 

 

 

 

「赤色光」「遠赤色光」を交互に当てると?

それでは、発芽を促す「赤色光」と、発芽
を阻害する「遠赤色光」を交互に当てたら
どうなるか、という実験をしました。

 

レタスのタネ100個を使った実験で
タネを暗い所で12時間吸水させた後に
発芽を促す赤色光を3分間照射します。

 

次に、発芽を阻害する遠赤色光を3分間
照射した後、さらに赤色光を3分間照射。
最後に、遠赤色光を3分間照射しました。

 

給水後のタネに

赤色光(発芽促進)を 3分間照射
      ↓
遠赤色光(発芽阻害)を 3分間照射
      ↓
赤色光(発芽促進)を 3分間照射
      ↓
宴席色光(発芽阻害)を 3分間照射

 

 

 

 

その後、タネを暗い場所に戻して
約2日後に結果を見てみましたが
なんとも不思議な結果がでました。

 

赤色光、遠赤色光、どちらの光も
前に与えた光の効果を打ち消して
しまう作用がをするそうです。

 

ですから、レタスのタネが発芽をするか
否かは、最後に当てた光によって決まります。

 

今回の場合ですと、最後に当てた光が
「発芽を阻害する  遠赤色光」なので
結果は「発芽をしない」ということに。

 

もし逆に、最後に当てた光が「発芽を
促進する  赤色光」だったら、当然答えは
「発芽をする」になるのです。

 

 

 

 

 

光を感じる「フォトクロム」

タネには、光を感じる「フォトクロム」
という色素タンパク質が含まれています。

 

フォトクロムの2つの型
赤色光吸収型(Pr)
遠赤色光(近赤外光)吸収型( Pfr)

 

Prは、 赤色光をよく吸収して、
   吸収すると  Pfr  に変化します。

 

Pfrは、遠赤色光をよく吸収して、
    吸収すると  Pr  に変化するのです。

 

 

 

 

Pfrは、発芽を促進しますので、
タネに赤色光をあてれば「Pr  →  Pfr」
に変わり、発芽がおこります。

 

反対に、遠赤色光をあてると
「Pfr  →  Pr 」 に変化するので、発芽
はおこらないということになるのです。

 

葉を通過した太陽光は、赤色光の多くが
吸収されて遠赤色光の割合が高くなります。

 

そのため森林の上部が多くの木々の葉など
で覆われた「林冠」と呼ばれる状態の森林
では、光発芽種子は発芽しないのです。

 

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