「月下美人」の香りがわからない!

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

 

 

香りがわからない!?

前回、月下美人を初めて見ること
ができたことをブログに書きました。

 

噂される花の美しさもさること
ながら、私は香りの方にもいたく
興味をもっていたのです。

 

ところが、ところがです。
10m四方に漂うほどの強烈な芳香
が私にはわからなかったのです。

 

たまたまその月下美人の香りが
薄かったというわけではありません。
他の方はわかったということですし。

 

側に近づいても、甘い香りといわれている
芳香がしなかったので、私は花に顔を思い
きり近づけて、クンクンしてみました。

 

確かに、パフパフした花粉っぽい香りは
したのですが、甘い香りはしません。

 

 

 

 

 

初めての人には「?」な香り

前回、御紹介したように、初めて月下美人
の香りを嗅いだ人には、さほど魅力的とは
思えないこともあるそうです。

 

ですが、慣れてくるとクセになるほどの
芳香と書いていらっしゃる人もいました。

 

また、距離を取っていると芳香だけど
間近で嗅ぐと「甘い湿布の匂い」とか
「薬箱の中の包帯」といった感じと
表現する人もいます。

 

 

「月下美人」のつぼみ

 

 

香りは、そのものに直接鼻をつけるより
も、適度な距離を置いた方が良い香りと
感じられることも多いもの。

 

しかし、私の場合はその両方とも
わからなかったのです。

 

『植物のたくらみー香りと色の植物学』
(有村源一郎、 西原昌宏 ベレ出版)
という本の中には、

 

月下美人の香りについて
「硫黄を含む強烈な香りを放出します」
とも記載されているのですが。

 

 

上の写真の膨らんでもうすぐ
開きそうな「学科美人」のつぼみ

 

 

 

月下美人を見た夜の帰りに

香りは、体調や年齢、病気などによって
も影響を受けることがあるといいます。

 

入院等が影響したのだろうか?、などと
思いながら月下美人の花を見た夜の帰り
に一人で乗ったエレベーターで、

 

前に乗った人が吸っていたのであろう
タバコの匂いが強くて閉口しました。

 

この強さですと、喫煙者が乗ったという
のみならず、エレベーターの中で吸って
いたのではないだろうか、と思われる
ほどのタバコ臭です。

 

 

 

 

 

エッセンシャルオイルはいつもの香り

その匂いに辟易しながら、家についてエッ
センシャルオイルをいくつか嗅いでみまし
たが、いつものような匂いがしました。

 

というか毎日、オレンジやグレープフル
ーツを剥いていても、コーヒをいれる時
にも、香りは常に感じているのですが。

 

ということは少なくとも私は「嗅覚脱失」
ではないように思われますが、特定の
香りだけがわからない「嗅盲」とか?

 

まさか「月下美人の香りだけわから
ない症候群」なのでしょうか?

 

 

 

 

実は、数年前のことですが今回、月下
美人を見せていただいた御宅の奥様に
興味深いお話を聞いていました。

 

月下美人を家族で見ていて、母親と子ども
たちは香りがわかったのですが、お父様だけ
が「わからない」と仰ったというのです。

 

今回、月下美人の香りがわからなかった
時に私は、この話を思い出しました。

 

実は数年前に、このお話を伺った時
からもしかしたら、と思っていること
があったのです。

 

 

 

 

 

「えっ? 私、臭う??」

これも数年前のことですが、赤坂駅の
そばのお店で買い物をした時のこと。

 

私がイチゴの含まれるかごをレジに置く
と、小さなお店の顔なじみの店員さんが
「いい香りですね」と言いました。

 

「本当に」と私も答えると、
「イチゴではなくお客様ですよ」
と彼女は言ったのです。

 

当時私は、ブルーチーズにはまっていた
時期でしたので、とうとう体から発散する
ようになってしまったかと慌てました。

 

不安に慄いている私に彼女は笑顔で、
「いい香りですよ、アロマテラピーですか?」
と。

 

 

 

 

 

香木かも……

その時に初めて私は、もしかしたら
お香が染みついているのかもしれない
と気づいたのです。

 

狭い部屋に住まう者の常として、お香を
焚いている香炉から、いつも私のいる所
までは、2〜3mと離れていない距離。

 

お香を焚いている時間と、その後の香りが
残っている時間がどれほどかはわかりませ
んが、外出せずに家にいる時は、私は常に
香炉のそばにいることになります。

 

 

 

 

 

香りは慣れると感受性が弱まる

そして重要なことは、私自身がその香り
を全く意識していないということです。

 

香水をつけている人がその香りに慣れて
しまい、他の人が驚くことがありますが
常に香っているものには感受性が低く
なってしまうのでしょう。

 

月下美人の香りの成分が科学的にどの
ようなものかはわかりませんが、私が
普段焚いている香木が似た成分を含ん
でいるのでしょうか?

 

それが私が月下美人の香りを判別でき
なかった理由なのかもしれない、など
とぼんやりと考えています。

 

 

「月下美人」の花 2020年

 

 
月下美人の香りについて調べていて、
以下の文章を見つけました。

 

現在では、内容の意味がわからないのです
がいつかは理解できることを願って
記しておきたいと思います。

 

 

「月下美人の花の香気分析」
長谷川香料株式会社総合研究所
  2014年9月20日〜22日 和歌山

開花中DHS(Dynamic  Headspace)法で
8時間香気捕集し調整した香気濃縮物につ
いて AEDA(Arma Extract Dilution Analysis)
をおこなった結果、15成分がFD(Flavor
Dilution)1 以上で干出されました。
「earthy」な2-isopropyl-3-methoxypyrazine、
「rose spicy」などgeramiol、「floral green」
なbenzyl salicylate がFD 2187と最も高く、
月下美人の花より発散する香気に寄与する
重要成分と考えられました。
また、花の香りの官能評価の結果、開花後
3〜4時間が最も良好であることを確認しました。
この時間帯の揮発性成分について分析した結果、
geraniol、benzyl salicylate、methyl salicylateを
含む8成分は、開花後3〜4時間で発散量が最大
となり、その後減少していることを確認しました。
さらに、開花後2〜3または5〜6時間に発散量が
最大となる成分が存在することも確認しました。
これらの成分の発散量の変化は官能評価と相関
があることを見出しました。」

 

 

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