聴覚刺激療法(嗅覚トレーニング) 

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嗅覚刺激療法(嗅覚トレーニング)

嗅覚障害の改善方法に、鼻洗浄や、点鼻
薬、内服薬という治療と並行して、欧米
で科学的効果が認められているリハビリ
テーションがあります。

 

「嗅覚刺激療法(嗅覚トレーニング)」
という療法ですが現在、日本においては
名称も含めてまだ確立されていません。

 

とはいえ、すでに積極的に取り
入れている病院もあるようです。

 

風邪をひいた後に、においがしない
状態が続いている「感冒後嗅覚障害
や「外傷性嗅覚障害」において
その有効性が報告されています。

 

 

 

 

 

嗅覚刺激療法をした群は優位に改善

2009年、ドイツのドレスデン大学
耳鼻咽喉科のHummelらが、56名の
患者を2群に分けて調べてみました。

 

1群には、4種類の臭素
・フェニルエチルアルコール【バラの香り】
・ユーカリプトール【ユーカリの香り】
・シトロネラール【レモンの香り】
・オイゲノール【クローブの香り】

 

1日2回、朝晩にこれらの香りを
12週間にわたって嗅ぐ治療を行い、
もう1郡は、リバビリテーション
を行わない患者群。

 

嗅覚刺激療法の前後に嗅覚テスト
をそれぞれの群で行ったところ
嗅覚刺激療法群で、嗅覚スコアが優位
に改善していたと報告されました。

 

なお、この嗅覚刺激療法(嗅覚トレーニ
ング)は、においの有無を判別する能力
(嗅覚閾値)の改善には効果が小さいが、

 

2つの匂いが同じか、異なるかを判別
する(嗅覚弁別能)を優位に改善させる
という結果となっています。

 

 

 

 

 

Hummel以降の研究結果では

この発表以降、さまざまな嗅覚刺激
療法の研究結果が報告されています。
それによりますと、

 

Hummelらの行った治療よりも、

 

1 期間(12週間=3か月)を長くする
2 高濃度の臭素を用いる
3 より多種の臭素を用いる

 

という治療の方が効果が高いという
常識的に考えてみてもそうではないか
と思われる結果が出ています。

 

 

 

 

 

香りを日本人向けに変更

嗅覚刺激療法(嗅覚トレーニング)を
毎日自宅で行うことは、嗅神経の再生
を促すよい方法といわれています。

 

しかし、この嗅覚刺激療法がもともと
ドイツで始まったことから、使用する
香りが日本人にはあまり馴染みのない
ユーカリなどが使用されていました。

 

そこで日本人向けにバニラエッセンスや
レモンのアロマオイルなど、スーパー
マーケット等で簡単に手に入りやすい
ものに変更している病院もあります。

 

今、調べてみましたら製薬会社から
「嗅覚トレーニングキット」なるもの
もすでに販売されているようです。

 

これは80種類の香りが用意されていて
その中の好きなものを選ぶ(1つから
可)システムになっています。

 

 

 

 

 

嗅覚刺激療法のやり方

* (休憩を挟みながら)

「1種類 各10秒程度を4種類

朝晩2回、毎日を12週間」

 

という簡単なものですので
無理なく続けられそうですね。

 

上に書いたものが基本のやり方ですが
3か月ででなく半年と期間を長くした
治験(適正な投与量や投与方法などを
確認する目的で行われる臨床試験)も
まさに現在、行われているようです。

 

また半年の間、同じにおいではなく
開始して3か月経ったらにおいを入れ
替えてみるのもよいかもしれません。

 

 

 

 

 

素敵な香りの中で

「何の香りだろう?」と、意識をしな
がらにおいを嗅ぐことは、においを
感じる経路を強めると考えられています。

 

また、鼻づまりなどを放っておくと
嗅覚細胞が使われないために衰えて、嗅覚
障害を加速させてしまう場合もあります。

 

普段から、香りを意識した暮らしを
送り、毎日をお気に入りの香りで
彩ることがよいようです。

 

   (参照/「嗅覚障害診療
    ガイドライン日本鼻化学会」)

 

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