松(マツ)1

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「白砂青松(はくさせいしょう)」

マツ・松は日本人にとって最もといえる
ほど身近な木でもあり、特に日本のお正月
といえば何といっても松の木ですね。

 

「日本の白砂青松100選」などと使われる
海岸線の美しい景色を表現する「白砂青松」
という言葉に入っているのも松です。

 

ちなみに「白砂青松」の読み方は、
  「はくせいしょう
   or  はくしゃせいしょう」。

 

「はくさ」と読む人が約6割、
「はくしゃ」は約3割だそうです。

 

 

 

 

 

各地の松原

静岡県静岡市清水区の「美保の松原」

7Kmにも及ぶ海岸線に、約3万本の
松がしげる三大松原の一つです。

 

2013年6月26日に、富士山が世界文化
遺産として登録された際の構成資産の
一つが三保の松原。

 

天女が羽衣をかけたとされる
「羽衣の松」も有名ですね。

 

初代の羽衣の松は、1707(宝永4)年
の富士山宝永山噴火の際に海中に没し
たといわれ、2代目の松も齢600年以上
となり衰弱したために、現在の「羽衣
の松」は三代目。

 

 

「三保の松原」の三代目の「羽衣の松」

 

 

 

佐賀県唐津市の「虹の松原」

4.5Kmにわたる約100万本の
クロマツのみの群生は圧巻。
こちらも三大松原の一つ。

 

唐津藩初代藩主の寺沢広高が
防風と防潮のために植林した
のが始まりといわれています。

 

虹の松原には、七不思議があるという
ことですがその中の一つ、海岸近くに
塩分を含まない真水が湧き出る井戸が
あるというのが気になりました。

 

 

 

 

「虹の松原」の由来は、虹が弧を描くよう
な形態だからということですが、江戸時代
には「虹」を「にり(二里)」と聞き間違え
「二里の松原」ともいわれたそうです。

 

今回ご紹介の松原で、私が唯一行ったこと
があるのがこの「虹の松原」なのですが
その時はマツクイムシによる松枯れの被害
が出ていると聞いたような気もします。

 

 

 

福井県敦賀市の「気比松原」

「美保の松原」、「虹の松原」と並び
三大松原の一つですが、気比の松原の
代わりに京都府宮津市の「天橋立」を
入れることもあります。
雪を纏った姿も格別だそうですよ。

 

 

 

秋田県能代市の「風の松原」

江戸時代から植林が続けられて、現在
700万本のクロマツ林は、日本最大規模。

 

以前は、「能代海岸防砂林」「砂防林」
と呼ばれていましたが、素晴らしい景観
が見直されて名称を一般公募し、昭和
62年12月から「風の松原」になりました。

 

 

 

 

 

静岡県熱海市「お宮の松」

物語の舞台として有名で、松はさほど
でもありませんが、有名なものに
静岡県熱海市東海岸町の「お宮の松」
があります。

 

しかし、実在の話ではなく単に物語の
登場人物の舞台設定にすぎない場所が
観光名所となるというのも面白いですね。

 

ネロとパトラッシュの地、ベルギー・アン
トワープにも人が沢山訪れるといいます
ので、同じようなものかもしれませんが。

 

ただ、現地では「フランダースの犬」は
さほど有名ではなく、記念碑であるベンチ
は日本人観光客が多いため日本のTOYOTA
が寄贈したものだそうですよ。

 

 

 

 

 

 

塩害に強く、風と砂を防ぐ

塩分を含む海水のそばで生育すること
ができる樹木はそう多くはありません。

 

しかも、近くの集落や畑に海岸の砂
が風で運ばれて、埋まってしまうの
を防ぐことができる木となると……、

 

そのような塩害に強く、背も高く
よく風を防ぐことができる木
それがクロマツでした。

 

細いクロマツの葉は、強い風に逆らう
ことなく風の力を弱め、風に乗った砂を
地面に落とすという働きをしたのです。

 

そして日本各地の海岸にはマツの木が
植えられ、風光明媚な景色を讃える
「白砂青松」という言葉にも「松」
の字が入ることになりました。

 

また、それを写したのでしょうが
お風呂屋さんといえば、これまた松
ですね。

 

 

 

喜多流能楽堂 東京・目黒
(写真/「しながわ観光協会」)

 

 

 

能楽堂「影向の松」

松といって忘れてはならないのが
能舞台の「影向(ようごう)の松」。

 

影向の松とは、神仏が現れる時に
依り代(よりしろ)となるもので、演者
は影向の松に向かって能を舞います。

 

 

        鏡板(に松が写って
          ↓ いると見立てる)
 _______ ===== _______________
   |           |
舞台 |           |
   |__________|


客席 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

         松の木
      (影向の松)

 

 

その影向の松が、舞台の板に写って
いると見立てたのが「鏡板」です。

 

といっても能舞台に鏡板がつくように
なったのは、さほど古い時代のことでは
なく、江戸時代になってからのこと。

 

演劇の背景のように、演じているものに
関連するものではなく、鏡板の松は演目
に全く関係がないものではあります。

 

 

山本東次郎家の杉並能舞台

 

 

ですが今となっては、能舞台に影向
の松はなくてはならないものですね。

 

 

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