花粉症 キク科「ヨモギ」

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「よもぎおはぎ」

 

 

 

「ヨモギ(蓬)」

お餅に入れることから「モチグサ(餅草)」
とも呼ばれ、お灸等沢山の薬効をもつこと
から「ハーブの女王」とも呼ばれるヨモギ。

 

ヨモギは小さい頃から見てはいま
したが、花粉症の原因となる植物
だとはまったく知りませんでした。

 

ブタクサの花粉症だと思っていたら、
「実はヨモギの花粉症だった」とか、
「ブタクサとヨモギの両方の花粉症
だった」などということもあるそう。

 

 

こちらは、市川「万葉植物園」
にある高さ1メートルのヨモギ
(写真/「季節の花300」)

 

 

 

日本在来種で、花期は秋

オオアワガエリ 、カモガヤ、ブタクサと
帰化植物の花粉症を御紹介しましたが
ヨモギは、もとは中央アジア原産と
考えられていますが、日本在来種。

 

キク科ヨモギ属の多年草で秋の
9月〜10月に花を咲かせます。

 

学名は「Artemisia」、
英名は「mugwort」。
漢字ですと「蓬」、中国語
では「艾」あるいは「艾蒿」。

 

 

 

 

漢方では「艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、
「艾」は日本では「もぐさ」と読みます。
(もぐさがヨモギで作られることから)

 

と書きましたが、ヨモギを「蓬」と書く
のは平安中期の歌人・源順(みなもとの
したごう)が『倭名類聚抄』(930年代)
に間違って書いたことが発端だそうです。

 

それ以前は日本でもヨモギと
いう漢字は「艾」でした。

 

 

ヨモギの花
(写真/「kotokoto花日記」)

 

 

 

風媒花  →  虫媒花  →  風媒花

スギなどは木本花粉といい、数十キロ、時
には数百キロも飛散しますが、草木花粉の
ヨモギの飛散範囲は、わずか数十メートル。

 

飛散距離は短いものの、目立った
花びらもない地味な花なのですが
大量の花粉を飛ばすそうです。

 

ヨモギの属するキク科の多くの
植物は、進化の過程で、風媒花
から虫媒花になりました。

 

ところが、ヨモギは虫媒花をやめて
再び風媒花に転換したという植物で
風に乗せて花粉を飛ばすのです。

 

 

「よもぎ麩(生麩)」不室屋

 

 

 

他の植物の発芽を抑制する物質を分泌

また、セイタカアワダチソウと同じく
地下茎などから、他の植物の発芽を
抑制する物質を分泌しています。

 

(この現象を「アレロパシー・他感
作用・allelopathy」といいます)。

 

という理由でヨモギは、野原や道端に
たくさん集団で生えているのでしょうか?
ヨモギ花粉症の人は近づかないようにね。

 

 

セイタカアワダチソウ

 

 

 

症状

症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、
目のかゆみ、充血、涙目など。

 

ヨモギ花粉の粒は、比較的小さいの
で、吸い込むと気管支まで入り込み
喘息のような咳が出ることがあります。

 

また、もともと喘息のある人は
症状が悪化することもあります
ので、くれぐれも注意しましょう。

 

 

 

 

ヨモギの口腔アレルギーを起こす食品は
メロン、スイカ、キウイ、セロリなど。
ニンジンに出ることもあるようです。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)

 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 原因は、花粉症の原因物質と似た
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

 

「よもぎ麩(生麩)」不室屋

 

 

ヨモギの花粉アレルギーがある人は
ヨモギ入りの草団子でもアレルギー
症状が出ることがあります。

 

また、ヨモギのようなキク科の花粉症の人
は、キク科の植物からとのった油、紅花油
やサフラワー油も、アレルギーを悪化させ
ることがありますので要注意です。

 

 

 

〜おまけ〜

約400年前、織田信長は「黒色火薬」
の原料としてヨモギを使いました。
「黒色火薬」とは、硝石(硝石カリウムの
結晶)と硫黄、黒炭を原料に作ります。

 

ヨモギには、硝石の原料となる硝酸
を約2000ppm含んでいるので、ヨモギ
を何度も醗酵させて、純度の高い硝石
を作り出して使用したのです。

 

花粉症とは関係がありませんが
ちょっと驚いたので書いてみました。

 

 

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花粉症 イネ科「ブタクサ」

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「ブタクサ(豚草)」

日本ではじめて花粉症症例が報告
されたのは、スギやヒノキではなく
1960年のブタクサ花粉症でした。

 

アメリカでは、全人口の5〜15%が
ブタクサ花粉症との統計もあります。

 

日本ではスギ、ヒノキに次いで花粉症
の原因となる植物で、学名は「Ambrosia
artemisiifolia」、雌雄同株の風媒花。

 

ブタクサの名前は、英語の通称名
「ホッグウィード(hogweed)」の
「hog(ブタ)」と「weed(雑草)」
からきています。

 

 

 

 

 

韓国では輸入禁止植物、日本は要注意外来生物

北アメリカ原産で、明治初期に日本に
入り、昭和初期に全国に広がりました。

 

シラカンバとは反対にブタクサは
北海道にはない、ある説とありますが
いずれにせよ多くはないのでしょう。

 

小児喘息の原因植物ともいわれ
韓国では輸入禁止植物だそう。
日本では、外来生物法により、要
注意外来生物に指定されています。

 

 

 

 

 

オオブタクサ(大豚草・クワモドキ)

ブタクサの大きいバージョンで、背丈は
50cm〜3mにも達するという、オオブタ
クサも花粉症の原因となる植物です。

 

葉が桑に似ているため、クワモドキとも
いいますが、ブタクサ同様、北アメリカ
原産で、日本に入ってきたのは1952年。

 

アメリカから輸入したダイズに付着
していた、オオブタクサの種子が
お豆腐屋さんなどで廃棄された際に
発芽したもの、と考えられています。

 

 

 

 

 

花粉サイズが小さいのが特徴

ブタクサの丈は1m〜2mで、夏の終わり
から秋にかけて、2mmほどの小さな
黄色の花が細長く連なり穂を作ります。

 

ブタクサ花粉の特徴は、サイズの小ささ。
スギ花粉の大きさですと、鼻に侵入しても
鼻毛などに捕まって奥へ行けないことが
ほとんど。

 

ところが小さなブタクサ花粉は
鼻をすり抜けて、気管支まで侵入
することが可能なのです。

 

 

ブタクサ
(写真/「金沢動物園」)

 

 

粘膜を刺激して咳などを引き起こ
し、喘息の原因にともなります。
またすでに喘息の人は、症状
が悪化することもあります。

 

 

 

ブタクサ花粉症の症状

主な症状は、他の花粉症と同様、くしゃみ、
鼻水、鼻づまりで、花粉皮膚炎による
肌荒れをおこすこともあります。

 

目や鼻、ノドのかゆみ、また咳が出や
すい特徴から風邪と間違えることも。

 

風邪の場合は熱があっても1週間ほどで
治りますが、熱がなく長引いているような
場合はブタクサ花粉症の可能性もあります。

 

 

 

 

ブタクサ花粉症の人の口腔アレルギー
が出る食物は、メロンやスイカなどの
ウリ科の果物ですので注意が必要です。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)
 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 原因は、花粉症の原因物質と似た物質
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

 

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花粉症9 イネ科の植物「カモガヤ」

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カモガヤ

今日はイネ科の花粉症の原因の
一つであるカモガヤのお話です。

 

イネ科カモガヤ属のカモガヤは、
学名「Dactylis glomerata」、
英名「オーチャードグラス
(orchard grass)」「cock’s-foot grass」。

 

和名の「カモガヤ(鴨茅)」は
英名の「cock’s-foot grass」の
cock(ニワトリ)」を
   ↓
duck (カモ)
と間違えたということだそうです。

 

間違えなかったら、カモガヤではなく
「ニワトリガヤ」だったのでしょうか?

 

 

 

 

 

飛散時期は晩春から秋まで

カモガヤは、オオアワガエリと共に
世界的に有名な牧草で、1860年代に
アメリカから日本に導入されました。

 

牧草として広く栽培されているほか
道端や河原、また土留めとして高速
道路沿いに植えられたりしています。

 

花粉の飛散時期は、晩春から秋まで
と結構長めなのもやっかいですが
スギやヒノキの樹木とは異なり
飛散距離はそれほどありません。

 

そばを通らなければならない時は
帽子やサングラス、マスク等を使用
すればかなり防ぐことができます。

 

 

カモガヤ(イネ科)
(写真/「清水耳鼻咽喉科」)

 

 

 

スギ花粉症の人の50%がカモガヤ花粉症

高さは、60cm〜120cmほどで
小さな白い花が集まって咲きます。

 

カモガヤという名前は知らなくても
写真を見ますと、どこかで見たこと
がある植物ですよね。

 

現在では、日本各地のどこにでも
生育しており、イネ科の花粉症の
中では一番多いといいます。

 

 

 

 

また、スギ花粉症の人の約半数が
カモガヤの花粉にもアレルギー反応
を示すといわれています。

 

 

 

アレルギー結膜炎の他、小麦の食物アレルギー

症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか
スギ花粉症よりも目のかゆみ、充血という
アレルギー結膜炎の症状が出やすい傾向が
あります。

 

また、イネ、コムギの食物アレルギー
を発症しやすくなることもあるそうです。

 

 

 

 

カモガヤ花粉が関連する口腔アレルギー
症候群(OAS)は、スイカやメロンなど
のウリ科のもの、
トマト、オレンジ、セロリ、バナナなど。

 

(口腔アレルギー症候群・OAS
    (oral allergy syndrome)

 果物や野菜を食べた時に、数分
 以内に唇や舌、口の中やノドに
 刺激、かゆみ、しびれがでる症状

 

 原因は、花粉症の原因物質と似た物質
 物質が含まれている食物に対しても
 反応してしまうからといわれている)

 

そのほかでは、イネ科の植物を原料と
するパンやうどんにも注意が必要ですの
で大量摂取は控えた方がよさそうです。

 

 

 

 

午前中の8時〜10時が、イネ科植物の
花粉の飛ぶピークとされますので、気温
が高い晴天の日は注意をしましょう。

 

外出から家に帰った時は、入る前に花粉を
払ってから家に入る習慣をつけたいもの。

 

また、家の中に入ってしまった花粉を
減らすための、こまめな掃除と空気清
浄機の活用が効果的です。

 

 

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