少々前の話になりますが、イタリアの最高裁が、
「何も食べられないような苦しい状況で、少量の食べ物を
盗むのは犯罪ではない」という判決を下しました。
2016年5月12日のHUFFPOSTの記事からです。
まさに「レ・ミゼラブル」の主人公、ジャン・バルジャン
を彷彿される出来事が起こったのは2011年、イタリアの
ジェノバのスーパーマーケットでのこと。
当時、36歳のホームレスのロマン・オストリアコヴさんは
500円ほどの1本のソーセージとチーズを盗んだ罪で
逮捕されました。
彼はスティックパンの支払いをしようとしながら
ソーセージとチーズを、ジャケットの下に隠していた
のですが、気づいたお客さんが警備員に知らせたため
逮捕に至りました。
2013年、有罪判決が下されて懲役6か月の実刑判決が
言い渡されましたが、2016年の5月、イタリアの
最高裁判所は、この有罪判決を覆します。
「飢えをしのぐために少量の食物を盗むことは、
犯罪には当たらない」という理由からです。
「窃盗が起こった時、被告は今すぐにでも何かを
食べなければ生きていけないような状態にあった。
必要に迫られた行為であることは明白だ」
とのコメントを最高裁が出しています。
イタリアの新聞「コリエーレ・デラ・セラ」によりますと、
貧困に苦しむ人の数は、毎日615人ずつ増加している
ということです。
同紙は「法律は、現実に沿ったものでなければいけない」
という考えを示しました。
翻って、同様のことが日本のスーパーマーケットで
起こった場合、裁判所は、特に日本の最高裁判所は
どのような判決を下すのでしょうか?