12歳の長女への強姦で父親に無罪判決 静岡地裁 

2019年3月28日に、長女への強姦容疑で無罪に
なった父親に対する静岡地裁の判決を報じた
ニュースを「産経」「毎日」「ヤフー」の
記事を紹介します。

 

「THE SANKEI NEWS」

「12歳長女への強姦で無罪 静岡地裁判決
『被害者の証言は信用できない』

当時12歳の長女に乱暴したなどとして、強姦と
児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた
男性被告の判決公判で、静岡地裁は28日、
強姦罪について「唯一の直接証拠である被害者
の証言は信用できない」として、無罪を言い渡した。

判決などによると、被告は平成29年6月に自宅で
当時12歳だった長女と無理やりみだらな行為をした
として、昨年2月に起訴された。

公判で検察側は、長女が約2年間にわたり、週3回の
頻度でみだらな行為を強要されたと主張したが、
伊東顕裁判長は、被告方が家族7人暮らしの上、
狭小だったと指摘。
「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かなかった
というのはあまりに不自然、不合理だ」と退けた。

被告が携帯電話に児童ポルノ動画を所持したとする
児童買春・ポルノ禁止法違反罪については、
罰金10万円を言い渡した。」

 

 

 

「デジタル毎日」

「12歳長女への強姦で無罪判決 静岡地裁

当時12歳の長女に乱暴したなどとして、強姦と
児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた
男性被告の判決公判で、静岡地裁は28日、
強姦罪について「唯一の直接証拠である被害者
の証言は信用できない」として、無罪を言い渡した

判決によると、被告は2017年6月に自宅で当時12歳
だった長女と無理やり性交したとして、昨年2月に
起訴された。

公判で検察側は、長女が約2年間にわたり、週3回
の頻度で性交を強要されたと主張したが、
伊東顕裁判長は、被告方が家族7人暮らしの上、
狭小だったと指摘。
「家族がひとりも被害者の声に気付かなかった
というのはあまりに不自然、不合理」と退けた。
(共同)

 

 

 

「YAHOO! JAPAN ニュース」(「静岡新聞」)

「静岡地裁『強姦』無罪判決 * 児童ポルノ所持で罰金10万円

当時12歳だった長女に対し性的暴行をする
などしたとして、強姦と児童買春・児童ポルノ
禁止法違反の罪に問われた県中部の男に対し、
静岡地裁は28日、強姦罪を無罪とした上で
罰金10万円(求刑懲役7年)を言い渡した。

伊東顕裁判長は判決理由で、強姦について
「犯罪行為を裏付ける適確な証拠がない」
と無罪判決の理由を説明した。
児童相談所職員に長女が当初訴えた被害詳細
と非公開で行った証人尋問の内容が変遷した
点などから「児相の一時保護解除を控えた
被害者が虚偽の被害を訴えた可能性がある」
として証言の信用性を認めなかった。

男は2017年6月ごろに自宅で長女に性的暴行
をしたなどとして起訴された。
性犯罪を厳罰化した改正刑法の施行前だった
ため強姦罪が適用されていた。
判決によると男は18年1月下旬、自身の携帯
電話に児童ポルノ動画3点を所持した。
長女の保護のため、裁判は被告人の氏名や
年齢などを公開せずに行った。」

 

 

児童の保護等に関する法律の名称

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び
処罰ならびに児童の保護等に関する法律は、
児童買春・児童ポルノの取締まりなどを目的と
した日本の法律。
2014年の法改正までは「児童買春、児童ポルノ
に係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する
法律」という題名でした。

 

 

 

この判決に対するツイッター等のネットの意見

「YUKImama@ok_urtcd 2019年3月28日

みだらな行為っていう言い方!!!!!
彼女はこれからどうなるの??
嘘をついたと言いたいの??
そしたらそんな環境こそ地獄やん!!!!」

 

 

「とり 2019年3月28日

12歳長女を強姦してた父親を無罪判決って
地裁はなんのためにあるの?
罪人を守るためにあるの?
家族が気づいていないから無罪って
頭おかしくない?
何回でも言うけど地裁って頭おかしいの?」

 

 

「ゆかり 2019年3月28日

この女の子は家族にとって人身御供だった
んだと思う。
ひどすぎる。
おとんが持ってた動画の児ポよりも
軽い扱いだぞ!!!」

 

 

「もぴ(主に趣味垢)

これはどこまでちゃんと調べたんだろう
家族誰一人男に逆らえず知らんぷりしとる
可能性あるからな
実際にそういう事例はある
あるんだ」

 

 

「優奈 2019年3月28日

家族が1人も気づかなかった、じゃなくて、
男が怖くて証言できない、またはその異変が
普通だと男が洗脳したような状況だったん
じゃないの?
少女があまりにも不憫すぎる」

 

 

「飛翔 2019年3月28日

いや、これはその子が言わなかった、
又は言えなかった状況にいたからじゃ
無いのか」

 

 

「12歳の子がそんな大事になる嘘を吐く
のだろうか?
てか、いろんな状況で声が出ないとか、
出せないとかあると思う。
二年間もっていうけど、二年間も放置してた
家族って?法律って謎。
誰のためのものなのか」

 

 

「『証言が信用できない』のだとしたら、
わずか12歳の少女が家庭という閉鎖空間で
尊厳を侵された時、どうすれば加害者の罪
を立証し罰することができるのか、教えて
ください。
な遠くできない」

 

 

「胸が潰れそう……12歳の女の子が嘘を
つく理由はあるのかよ……他に証拠は
本当になかったのかな……
つらすぎる」

 

 

「長女は今現在、ちゃんと保護されているの
だろうか」

 

 

等々、きりがありませんのでこれくらいに
しておきます。
もちろん、この判決を批判するものばかりで
はなく、「長女がウソをついたというよりは
妄想なのでは?」というものもありました。

「もし本当なら、自分で証拠を押さえておけ」
に至っては……。

 

 

「強姦」を表す言葉

今回の判決を報道に関して、3つの
新聞の記事をご紹介しました。

 

産経「みだらな行為をした(強要された)」、
毎日が、「性交した(を強要された)」、
静岡新聞「性的暴行をした」
と三者(三社!)三様です。

 

この様な場合、いつも思うのですが「みだらな
行為」とか、「性的暴行」という言い方の方が
「強姦」という言葉を使うより、婉曲的で良い
(被害者に対しても、あるいは読む側への配慮
の両方に対して)と思って使用するのかもしれ
ませんが、それは違うのではないかという気が
します。

 

以前、落合恵子さんの『セカンドレイプ』という
本のあとがき(だったと思いますが)に書いて
あったのですが、

 

落合さんは「強姦」という言葉より「レイプ」と、
ワンクッション置くという意味で英語の表現を
使用したが、はっきりと「強姦」という言葉を
使ったほうがよかったのではないか、という
意味のことを書いていらしゃいました。

 

たしかにそうだと思った私は、それ以降、言葉
の使い方を気をつけるようにしています。

 

もっともある意味、被害者に配慮をして、あえて
「性的暴行」という言葉を使っているのかもしれ
ませんので、そのあたりは考え方の違いとなり
ますが。

 

なかには「性的暴行」という表現がふさわしい
事件もあるかもしれませんが、今回は「性交強要」
であり、もっとはっきりと「強姦」という言葉
でいいと思います。

 

また「みだらな行為」という言い方は、小説等
は別として、今回のような裁判に関して使う
のはふさわしくないように思えるのですが。

 

「強姦・性的暴行・性交強要」等は、悪いことで
あり犯罪ですが、「みだらな行為」というのは、
犯罪というニュアンスとは異なるような気が
します。

 

と言葉使いについてちょっと長くなってしまい
ましたが、肝心の内容についてです。

 

 

判決の方がむしろ「不自然・不合理だ」

伊東顕裁判長は、被告方が家族7人暮らし
の上、狭小だったと指摘し、
「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かな
かったというのはあまりに不自然、不合理だ」
としています。

 

 

伊藤顕裁判長への反論としては、
1 7人家族でも父と長女2人になる機会はある

 

2 強姦が、父と長女2人だけの時に起きたとは限らない

 

私の知り合いは、実の両親ではなく、一時的に
親のような保護者的な立場にいた夫婦だったの
ですが、彼女はその夫婦と一緒の部屋に寝て
いて、父のように思っていたその男性に犯され
ています。
7人暮らしで、父と長女がどのように寝ていたかは
わかりませんが、他の兄弟が一緒にいても強姦を
することは可能です。

 

 

3 「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かな
 かったというのはあまりに不自然」とあります
 が家族の誰かは、あるいは家族中が知っていた
 可能性もある

 

ネット上には、
「これはどこまでちゃんと調べたんだろう
家族誰一人男に逆らえず知らんぷりしとる可能性
あるからな」

 

「この女の子は家族にとって人身御供だった
んだと思う。
ひどすぎる」

 

「男が怖くて証言できない、またはその異変が普通
だと男が洗脳したような状況だったんじゃないの?」
等々の意見があふれています。

 

3番目の「その異変が普通だと男が洗脳したような
状況だったんじゃないの?」という意見には、特に
納得しました。

 

長女が12歳ということは、きょうだいはみな幼い子
ですので、普通のことだと思い込ませることは充分
可能です。
まあ、そうであったとしても前提として、父親が
していること、言うことには逆らうことは許されず、
結果的に洗脳状態ということなのでしょうが。

 

 

性虐待は、家族の誰もが知らないから起こるわけ
ではありません。
知っていることもあり、また積極的に関わって
いることさえあります。

 

虐待で亡くなった子どもの母親が、父親の虐待を
止めることができないのは、もし止めると攻撃の
矛先が自分に向かってくるからというのは、良い
か悪いかは別として、よくあることです。

 

 

4 そもそも長女がそんなウソをつくとは思えない

どのような過程を経て、強姦の話を長女が人にした
のかはわかりませんが、まだ子どもといっていい
彼女が、よほどでなければ父親に犯されていた
などということは、事実であっても言いたくない
のが普通でしょう。

 

私は父親に犯された人を何人か知っていますが、
彼女らは父親を訴えるどころか、そのことを
ほとんど口にしていません。

 

暴力もそうですが、性暴力はそれ以上に言い
づらいものです。

 

そしてまた、被害者でありながら、自らの恥、自分
も悪いのだと思いこまされていて、性虐待は隠され
ていることが多い犯罪です。

 

これら、普通の人でも簡単に思いつくことを、
裁判官がわからないとは到底思えません。
残念なことに親に暴力を振るわれて亡くなって
しまう子どもが少なからずいるというのに、親は
子どもに暴力は振るっても、強姦はしない、とでも
思っているのでしょうか?

 

この長女が本当に心配です。
父に犯された上に、裁判官からウソつき扱いされて、
まさにセカンドレイプ状態。

 

それも、公的に裁判官が下した判決です、どれほど
の傷が残るのか想像すらできません。
そばで精神的に支えてあげられる人がいることを
望むばかりです。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です