本当の感情がでてくる瞬間

chimoさん、
今日のブログは、あなたへの手紙のつもりで書き
ますので、よろしければ読んでくださいね。

 

 

 

 

10歳までの記憶がない人

もう20年以上前のことなのですが、私が参加して
いた市民活動で一緒だったA子さんは、機能不全
家族で育った子(アダルトチルドレン、AC)
でした。
親から虐待を受けていて、10歳位までの記憶が
ないそうです。

 

私がその活動に参加するようになった時、彼女は
大阪に帰っていたので、彼女とは2回しか会った
ことがありませんが、当時、彼女は30代後半か
40歳位だったでしょうか。

 

私が彼女に初めて会った1.2年後、彼女の父親が
退職して単身、関東に部屋を借り、私たちの活動
に2.3度参加したりしていました。

 

 

 

 

 

シャワーを浴びている時に……

そしてそのしばらく後、私は大阪で話をするため
に呼ばれることになったのですが、その会の前日
の夜、10過ぎた頃、A子さんから電話があったの
です。

 

私は彼女とは2度しか会ったことはなく、電話は
おそらく3回ほどという淡い付き合いだったので、
正直、その電話に驚いたものでした。

 

彼女は、
「今、シャワーを浴びていて……、
あなたの悲しさ、悔しさがよくわかった」
というのです。

 

もちろん、それ以前にもわかっていたのでしょうが
それとは異なって、本当に自分の心に響いてきた、
感情に働きかけられ、自らの感情も沸き起こって
きた、という意味のことが言いたかったのでしょう。

 

 

2017年12月25日に虐待死した
4歳の筒井歩夢(あゆむ)ちゃん

 

 

初めて本当の感情が湧き出てきた驚き

それは、彼女が「初めて本当の感情が出てきた」瞬間
だったのです。
本でも読んだことがありますが、本当の感情が出て
くる直接のきっかけに、シャワーという水が関わって
いることが多いようですね。

 

私は、明日大阪の会で会うことができるのに、と
少々不思議に思って、
「明日、来るんでしょ?」
と聞くと、行けない、という思いもかけない返事。

 

精神状態が悪くてとても参加できないということで、
彼女のみならず父親も不参加だとのことです。
私には元気に見えたお父さんでしたが、夜中に突然、
ガバッと起き、精神的にパニックというか苦しくなる
ことが続いていると彼女が説明してくれました。

 

そして彼女は、
「明日は行けないけど、あなたが感じた悲しさが
わかったということだけは伝えておきたい
と思って……」
と言って電話を切ったのです。

 

 

 

 

 

泣く女性

そして翌日、大阪の会場に着いた私は、打ち合わせが
終わって早めに会場に入ると、すでに数人の人が入場
していました。
その中の一人の女性が、泣いています。

 

今日の司会をしてくれるメンバーが、その女性に
何か話しかけ、私に「A子さんのお母さん」と
教えてくれたのです。

 

彼女は、会が始まってビデオを上映中も、その後の
私の話の最中も、質疑応答中も静かに涙を流して
いました。

 

そして自ら手をあげて、何人目かの質問者になり、
「ビデオの内容も、講演の内容も、何もかもが全
て私の心の中に入ってきて、響いて……涙が
止まらない」
というような意味のことを発言しました。

 

いうまでもないことですが、これは私の話が感動的
だったという意味ではなく、受け手である彼女が、
今まで何かを見たり聞いたりしても感じることの
なかった感覚で、ものごとが入ってくる、という
ことを、懸命に説明していたのです。

 

 

 

2017年12月16日に虐待死した2歳4か月
の今西希愛(のあ)ちゃん(真ん中)

 

 

 

母娘ともに迎えたその時

そうです、前夜のA子さんと同様、A子さんの
お母さんもまた今、初めて本当の感情が出て
くる瞬間を迎えていたのです。

 

「瞬間」というとあまりに短い時間の表現に
なってしまいますが、人生の長さからみれば、
その瞬間、その時を迎えていたという意味で。

 

A子さんに虐待をした母親もまた、被虐待児
でした。
そして父親も、ネグレクト等の問題のある
家庭で育ったようです。

 

はからずも、母と娘がともに、初めて本当の
感情がでてくる瞬間に巡り合うことができた
私は(カウンセラーとしての付き合いではあり
ませんでしたが、というかそうではないのに)
昨日と今日、と娘と母のその瞬間に立ちあえた
ことに、不思議な気持ちでした。

 

その後、1度A子さんが東京で仕事があり、私も
参加したことがあり、彼女と会ったのはそれが
最後となりました。

 

本当の感情がでてきたのは回復の大きな一歩
ではありますが、その後も彼女は良い状態と
悪い状態を、スパイラルに繰り返していたよう
です。

 

 

 

 

さあ〜、出発!

chimoさん、諦めずに進んでいけば、
必ず到着しますよ、幸せに。

 

よくいわれる言葉ですが、というかあまりに
いわれすぎて陳腐でさえありますが、でも
本当のこと。
「昨日と人は変えられないけれど、
明日と自分は変えられる」
ってね。

 

そのためには、chimoさんの今までの苦しみを
吐き出して、捨てて、放ってしまいましょう。
その作業が必要だと思います。

 

「もう過ぎたことなんだから、早く忘れて」
「いつまでも、同じことをグチグチ言って」
なんていう人は、無視してOK!

 

無理して、フタをギューギューしめたとしても
あとで、とんでもない時に飛び出してくるのが
関の山ですよ。

 

 

 

 

 

幸せが入るスペースも確保しなくちゃ

きちんと棚卸しをして、少しでもスッキリして、
そのあいたスペースにこれからは、たくさんの
幸せを詰め込んでいきましょう。

 

chimoさんのおっしゃる通り、自分しか
自分を助けられる人がいないというのは
本当ですが、少しでも支えになってくれ
る人がいるのも事実です。

 

そんな人はいない、と決めてしまったら
本当にいなくなってしまうでしょう。

 

明日からのchimoさんの日々が、少しでも
幸せに近づけますように!
お祈りしています。

 

8件のコメント
  1. 赤坂さん、ありがとうございました。私は今も頭が圧迫されたような感覚を毎日抱えただ楽になることを望んで生きています。私はカウンセリング.comで人のせいといった方から個別に連絡していて最後は罵倒されました。ずっと通院していた病院からも事務員から患者いじめを受けていました。怒って事務員の態度で担当医の先生も親子関係、私の辛さは決して理解してくれませんでした。ただいいように扱われ怒られ私のせいにされたそんな思いしかありません。赤坂さんに少しでも辛さをわかってもらえたこと嬉しく思いました。私の近くにはいません、いるかもしれませんが、もうはじめから頼ろうとする感覚すらないです。またいじめにあう、理解されないと思うと最初から助けを求めることがなくなっています。自殺したら楽と思います。でもしたくない。お母さんはいつもつらそう。人の話が伝わらないんです、ただいるだけで辛い。赤坂さんがいるような都会へ助けてくれる所へ行きたい。楽になりたい。

    1. Chimoさん、
      「今も頭が圧迫されたような感覚を毎日抱え」と書いて
      いらっしゃいますし、カウンセリング.comの方には
      「希死念慮」や「離人感」があると書かれていましたね。
      これらは多くのアダルトチルドレン(機能不全家族で
      育った子)」が抱える問題です。
      また人間関係がうまくいかないのも同様で、仕事やプラ
      イベート、医療従事者との関係も例外ではなく、トラブル
      続きということがよくあります。

      カウンセリング.comにも書きましたが、 Chimoさんには
      自助グループが役にたつと思います。
      自助グループは、言いっ放し聞きっ放しで、人が話した
      ことについて批判をしたりすることは一切ありません。
      どんなことでも、気のすむまで同じことを、何度繰り返して
      話してもいいのです。

      少し調べましたら、
      「SHG-セルフヘルプグループ-徳島県社会福祉協議会
      というものがありますね。
      「アダルトチルドレン」というグループはここには記載されて
      いませんが、「人間関係に悩む人たちのグループ」というも
      のはあります。
      また、ここに記載されているものの他にもあるようですので
      とにかく一度、場所的に可能でしたら参加されてもいいの
      ではないかと思います。

      最初から言っていることですが、Chimoさんには吐き出す
      作業が必要だと感じています。
      カウンセラーに話してもいいのですが、それですとかなり
      の回数が必要になると思われますので、費用も嵩むで
      しょうし、また費用の問題だけではなく自助グループなら
      ではの長所もありますから。

      と同時に、アダルトチルドレンに関する本を(図書館にあ
      るはず)たくさん読むことをお勧めします。
      私のオススメは「斎藤学(さいとうさとる)」先生の本です。
      斎藤先生は、精神科医であり、東京都港区麻布十番の
      「さいとうクリニック」院長で、私はアダルトチルドレンに
      関しては日本で第一人者だと思っています。
      もちろん、他の著者の本もたくさん出版されていますし、
      外国の翻訳を含めたらおそらく何百冊とあるのではない
      でしょうか。

      「頼ろうとする感覚すらない」という以前に、自分でできる
      ことをすることが重要です。
      といいますか、回復作業は自分しかできないことです。
      他の人は手助けをしたり、ほんの少しだけ支えることが
      できるかも、という程度で、あくまでも基本は自分。
      誰かの代わりに息を吸ってあげたり、水を飲んであげる
      などということはできないのですから。

  2. 赤坂さん、親身にありがとうございました。すみません少し聞いて下さい。
    私は病気になる前から両親に強く精神的に縛り付けられかつ従うことを強要されたような生き方をしてきました。学校へ行かないことは義務教育だからと一蹴され許されず無理をしすぎて塞ぎ混み爆発しました。本当に生きる屍のような生き方をしてきて日中ずっと寝て天井ばかり見ていた気がします。他人の言葉が頭にはいらないのです、父からは「お前は自分のことまともと思ってないか?」母からはお前は病気なんよといわれたことがあります。(それだけではありません)
    私は小さなころからずっと孤立していたため女性と触れあうことにずっと興味をもっていました。そして女性と付き合えればコミュニケーション能力もつき自分の生き方を逆転できると街中へこんな状態なのにナンパに行きました。なんでこんな無理をするのか自分にもわからなかった、苦しいのに何度も何年も一人で行きました。二人親密になれた人がいましたが病気と精神的な幼さからうまくいくはずがなく、好きになってしまい色々貢いで執着しその人がいました、受け付けを見に行ったりストーカーになり、最後は切られ(裏切られたように感じた)そこから今のもう手遅れなような状態になりました。少しのことで他人に怒りをぶつけてしまい、意識しないようにしたきしねんりょや恨みそれがむき出しになりました。そんな中でアルバイトもしていました。色々なものがぼろきれに擦りきれ他人とトラブルばかり、死にたい、でも生きたい死にたくない。ただひたすら気をまぎらわす為に景色がかわる何時間もドライブをしていました。煽られたり車をぶつけられたりしました。幸せになりたい。その資格はありますか?思考能力も塞ぎこんでいるんです、本当にボロきれのような状態ですが吐き出したい楽になりたい。斎藤さんの本やグループ必ず読みます。

    1. カウンセリング以外でできることを、カウンセリング.com
      の回答でも、こちらの返事でも書きました。
      Chimoさんには、吐き出すことが必要だと思ったからです。

      ですが、それらを何一つする前に
      「すみません少し聞いて下さい。」
      というほど、話したいことがあるのならば、
      Chimoさんのカウンセラーに話してください。

      今回のカウンセリング.comへの回答は
      これで終了させていただきます。

  3. 私がしなければいけないこと、自分のことをやりもしないのに頼るな、ということですね。生きるとはそういうことなんですね。貴重なお時間頂いてありがとうございました。

    1. 「自分のことをやりもしないのに頼るな」とありますが
      頼るなどころか、私はChimoさんに依頼すらされて
      いませんが。
      コメント欄に、メールカウンセリングのように書いて
      いらっしゃいましたので、他のクライアントの方に
      申し訳なく思い、一言書きました。

      「生きるということ」というほど大層なことではなく、
      信号無視をしてはいけないというのと同じで、単に
      ルールの一つです。

  4. 赤坂さん、私は色々な問題ある行動をしてしまったと思います、本当はこの世に産まれなければ良かったかもしれない、都会では考えられない田舎の考えられないような親の元に産まれ暗く塞がれた生き方をしなければ育たなかった。少しでも人並みの幸せを感じたかった。誰もわかってくれないかもしれません。正しい人生の選択を行えなかったかもしれない、誰も肯定してくれなかった。救われる価値もないかもしれない、贖罪の毎日でもかまわない。本当に地獄のなか私は生を与えられそれでも生きてきました。それでも人生を全うしなければいけません。少しでも知って欲しかった。自分を救うために行動し生きます。さようなら。

    1. Chimoさん、
      「心の傷」を「心の宝」に変えた人を
      たくさん見てきました。
      大変なことではありますが、できることです。
      今までの辛さを取り返すほどの、いえ
      これまでの苦しさを補ってあまりある
      幸せな日々を過ごすことができますように!

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