全米で最も厳しい中絶禁止法成立

レイプや近親姦でも中絶を認めず

5月14日、アメリカ、アラバマ州議会上院は、
全米で最も厳しいといわれる中絶禁止法案を
可決したニュースを、2019年5月16日の「BBC
News  JAPAN」からお伝えします。

 

母体保護の目的でのみ中絶が認められるもの
の、妊娠何周目かを問わずレイプや近親姦に
よる妊娠であったとしても中絶を認めないと
というものです。
賛成25、反対6でした。
アラバマ州議会下院では賛成74、反対3。

 

翌15日、ケイ・アンヴィー知事はこの法案に
署名をしましたが、アンヴィー知事は中絶に
強く反対しているといわれています。

 

 

 

1973年に認められた権利を覆したい

今年に入って全米の50州のうち、16州で
中絶権を制限する州法案が提出され、複数
の州で可決されています。

 

中絶反対派は、州法が下級審で違憲と判断
されたとしても、連邦最高裁まで争う構え
です。

 

1973年に連邦最高裁が、人工中絶を女性の
権利として認めた「ロー対ウェイド」判決
を覆す頃と最終的な目的としているという
ことです。
あの画期的な「ロー対ウェイド」判決をを
覆したいのですね。

 

ドナルド・トランプ大統領による最高裁
判事2人の指名により、連邦最高裁の構成は
保守派優勢になっていることから、中絶派は
この期に人工中絶を全米で違法にする最高裁
判決を求めています。

 

 

 

様々なコメント

全米女性機構( PPFA)のステイシーフォック
スさんは14日に、
「アラバマ州と全米の女性にとって暗澹ある
日。
(アラバマ州の議員は)賛成票を投じたこと
を永遠に非難されながら生きていくことにな
るし、この事態が誰の式人なのか全ての女性
に知らしめていく」
とのコメントを出しています。

 

中絶反対派のクライド・チャンブリス議員
(共和党)は、法案が成立すればそれを元に
中絶を合法化した、
「『ロー対ウェイド』判決の是非について
最高裁に直接判断を求める」ことができる
ようになると述べています。

 

民主党のボビー・シングルトン議員は、この
法案は、
「医師を有罪にする」もので、
「女性に向かって、あなたたちの体はこう使え
と男が命令」できるようにするものだと批判。

 

法案審議にロジャー・スミザーマン議員
(民主党)は、
「近親姦とレイプによって妊娠した12歳の少女
に、(出産)する他にどうしようもないと告げ
るに等しい」
と主張していました。

 

 

 

禁錮99年の量刑の可能性も

アメリカでは、昨年からオハイオ、ミシシッピー、
ケンタッキー、アイオワ、ノースダコタ、ジョー
ジアの各州で、胎児の心拍が確認できるようになっ
た時点で、中絶を禁止とする厳しい中絶禁止法が
次々と成立。

 

胎児の心拍が確認できるのは、一般的に妊娠6週目
ごろとされています。

 

今回のアラバマ州で可決された法案は、妊娠中の
どの時期でも人口中絶を禁止するという、これまで
で最も厳しい内容となっています。
時期を問わず、妊娠を中絶すれば、最も重い重罪と
なる可能性があるからです。

 

医師が中絶手術を試みた場合は、禁錮10年、
実際に中絶手術を行った場合は禁錮99年の
量刑が言い渡される可能性がありますが、
中絶手術を受けた女性は刑事責任を問われ
ません。

 

法案には、旧ソ連の『スターリンの強制収容所や
カンボジア(ポル・ポト政権)のキリング・フィ
ールド」が殺した人数より多くの胎児が、人工
中絶で殺されたと書かれているということです。

 

 

 

ツイッターでは

リアーナ(Rihanna )は、自身のツイッターで
アラバマ州で中絶禁止法を可決した議員は
全員が白人男性だと指摘しています。

 

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