火傷の妹を案ずる5歳の兄 神奈川県横浜市

22歳の母親と同居男性、逮捕

重い火傷をした3歳の娘に治療も受け
させず、横浜市鶴見区の自宅アパート
に放置したとして、神奈川県警鶴見署
は2019年3月5日、22歳の母親、橋下佳歩
容疑者と、同居する21歳の男性、田中聡
容疑者を保護責任者遺棄の疑いで逮捕
しました。
2人はともに容疑を認めている
ということです。

 

橋下佳歩容疑者は、5歳の長男と長女
とともに、2018年11月ごろから田中聡
容疑者と生活しており、5歳の息子は
以前から、近所の人に母が不在だと
訴えていたといいます。

 

 

 

 

 

見知らぬ事務所にパジャマで

3月4日も、午後4時半ごろ5歳の息子が、
雨が降る中傘もささずにパジャマ姿で
突然、近所の会社の事務所にすごい
勢いできて、
「お母さんがいない。会いたい」
と震えながら、半べそ状態で訴えました。

 

数人の男性が、
「おじさんたちが一緒に家に連れて
行ってあげるから、お家に帰ろう。
寒いし、こんな薄い格好で風邪
ひいちゃうから帰ろう」
というと男の子は、「いやだ」
というものの、
「お母さんも帰ってきて(家に)僕いな
かったら、お母さん心配しちゃうし、
怒られちゃうよ」
というと、今度は逆に手をガッと掴み
男性を引っ張って、自宅アパートの
部屋に向かいました。

 

アパートに到着して男の子が家に
入った後、男性が職場に戻ろうと
すると、男の子が再び出て来て言い
ました。

 

 

 

 

 

妹を案ずる5歳児

「妹がいるの」
「妹、皮がむけちゃってるの」
というので、男性が、
「皮がむけてるって、怪我しているのか?」
と聞きましたが、男の子は何も言いません。

 

駆けつけたアパートの大家さんが、
「入って見せて」
と言いましたが、男の子は
「大丈夫」と部屋を見せるのを
拒む様子。

 

男性らは、「これはちょっとまずいな」
と、橋下容疑者に電話をしてみました
が留守電になっていて、数回とも繋が
りません。

 

男性が部屋のドアを開けると、中から
鼻をつくような匂いがしました。
玄関先からは、部屋で子どもが暮らして
いるような生活感が感じられず、不審に
感じた男性が警察に通報しました。

 

警察官が来ると、男の子は怯えたよう
な様子を見せたものの、
「お母さんに会いたい」
とも言っていました。

 

 

 

 

 

朦朧とした意識の妹

室内には、背中から腰にかけて重度の
火傷をした子どもが、布団に寝かされ
ているのを発見。
女の子は、やけどの上からラップを
巻かれ、紙おむつを履いた状態で
衣類は身につけていませんでした。

 

意識が朦朧としており、救急搬送され
ましたが全治3か月の重症で、入院が
必要と診断されましたが、幸い命に
別状はないとのことです。

 

5歳の兄には、目立った外傷はありま
せんでしたが、鶴見氏南区の児童
相談所に一時保護されました。

 

 

田中聡容疑者(左)と橋下佳歩容疑者(右)

 

 

 

「パチンコに行っていた」

橋下佳歩容疑者と、田中聡容疑者は
4日の午後9時ごろに帰宅し、同署員に、
「正午ごろからパチンコに行っていた」
と話しているそうです。

 

長女のやけどについては、橋下佳歩
容疑者が、
「3月の初めにシャワーを浴びた際に、
謝って熱湯をかけた」
「やけどを治すには、体をラップで
覆うとよいと、インターネットで見た」
などと供述。

 

3月5日、午後9時ごろ自宅へ戻って
きた2人の容疑者は、任意同行を求め
られ、その後、逮捕されました。

 

3月6日には、鶴見署が自宅アパートを
2時間かけて家宅捜索したところ、
室内は衣服が雑然と脱ぎ捨てられて
おり、子ども用の服もあったという
ことです。
冷蔵庫は見当たらず、大量のカップ麺が
床に置かれていました。

 

お風呂場の水道は、冷水と熱湯の
蛇口ハンドルをそれぞれ捻ってえ、
湯温を調整するタイプでした。

 

 

 

 

 

軽度の虐待(!?)

5日の横浜市の会見では、
「軽度の虐待といえる状況はあった」
ということです。

 

橋下佳歩容疑者と子どもたちは、
昨年2018年5月に埼玉県草加市から
横浜市に転入。
その際、要保護児童としての引き継ぎ
があり、11月には、親族から横浜市の
自動相談所に相談がありました。

 

児童相談所は、複数回親子と面談をし、
今年に入ってから長男が通園していない
との連絡が保育園からあったため、区の
職員が家庭訪問をしましたが、子ども
たちに特に変わった様子は見られなかっ
たということです。

 

私はこれが「軽度の虐待」なのかは
かなり疑問に思われます。
かなりひどいネグレクトという感じが
しますが。

 

 

 

 

 

病院にさえ連れて行かず

普通なら3歳児の大火傷には、母親は
あたふたと取り乱して、病院に連れて
行くような気もしますが、それどころ
か病院にも連れて行かずに、ラップを
巻いてオムツをしただけで裸で布団に
寝かせておくなど、考えられません。

 

火傷を負った3歳児はもちろんですが
私は5歳のお兄ちゃんの言動が不憫で
なりません。

 

知らない事務所に、パジャマのままで
飛び込みお母さんに会いたいと言い、
大人が一緒にお家に帰ろうというと
一度は「いやだ」といい、

 

部屋の前で大家さんが「(中を)
見せて」というと、「大丈夫」と小さい
ながらも彼なりに考えて、部屋を見せる
のを躊躇する。
警察官が来ると、怯えたそぶりを見せな
がらも「お母さんに会いたい」と訴えず
にはいられない寂しさ。

 

どうしたら良いのかわからずに、それ
でも懸命に事態をよくしようと、健気
に振舞っている姿と、
「妹がいるの。
皮がむけちゃっているの」という言葉は
本当に涙なしでは読むことができません。

 

 

 

 

 

2人が幸せで過ごせますように!

前回、母親から虐待をされている6歳
の弟を助けようと、動画に撮って
ツイッターにあげた13歳の兄の話を
お伝えしました。

 

このお兄さんも、覚悟を勇気をもって
弟を助けようとしてましたが、こちら
の5歳のお兄ちゃんも、妹が心配でな
らなかったのでしょう、自分もまだ
幼児だというのに。

 

雨の中、パジャマ姿で突然知らない
事務所に駆け込むしかなかったという
状態は、まごうことなき虐待ではない
かと思います。

 

 

 

2件のコメント
  1. 母親から虐待をされている6歳の弟を助けようと、動画に撮ってツイッターにあげた13歳の兄の話

    の記事を読みたいです。

    1. 市民様

      コメントをありがとうございます。

      おっしゃっているのは、福岡市の
      13歳の男の子のことでしょうか?

      「母から虐待されている弟を、動画をあげて助けた兄 福岡県春日市」

      こちろでよろしければそうぞ。
      読んでいただけたら嬉しいです。
      この事件を知った時、お兄さん
      の胸の内を思うと……。

      そして、コメントを下さった
      この記事の、もっと小さな
      お兄ちゃんの、妹を気遣う
      優しさに涙しました。
      まだ幼くて、何をしたら妹を助け
      ることできるのかさえわからず
      思いあまって雨の街に出て知ら
      ない会社に飛び込んだなんて
      ……、本当に健気で勇気
      があるお兄ちゃん。

      今、幸せでいたほしいと心から
      願うばかりです。

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