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女王蜂は1つの巣に一匹
太古より人間が危険を冒してまで
手に入れようとしてきたハチミツ、
それを作り出しているのはミツバチたちです。
ミツバチは、体長10〜30ミリ以上の、ミツを集める
ハチの総称で、世界に2万種ほどいるといわれています。
そんなミツバチのコロニーは、たくさんの
不思議に満ち溢れているようですよ。
皆さんもご存知のように、ミツバチの巣には
「女王蜂」「オスバチ」「働きバチ」と3種類の
ハチがいますが、1つの巣の内訳はこんな感じです。
1つのコロニーの構成メンバー
* (全部で数千〜数万匹ほど)
女王蜂(queen bee) 1匹 体重 170〜250mg
オスバチ(drone bee) 10% 160〜280mg
働きバチ(worker be) 90% 80〜130mg
それぞれの大きさは、女王蜂が一番大きくて
働きバチの2倍ほどあります。
オスバチは、働きバチよりも一回り大きいくらい
ですので、大きさを順にいうとこうなります。
* 女王蜂 > オスバチ > 働きバチ
女王蜂と働き蜂は、本来同じハチ
性別は、オスバチのみがオスで、
女王蜂と働きバチはメスです。
女王蜂と働きバチは、もともとは全く同じハチ
の卵なのですが、育てられ方の差により
「女王蜂」と「働きバチ」に分かれます。
女王蜂は、次の女王蜂を育てるために卵を産みつけ
ますが、その産卵部屋であり、育つ場所である部屋
は働きバチ用とは異なり、働きバチ用よりも
もう少し大きな女王蜂専用の飼育部屋です。
女王蜂専用の飼育部屋は、働きバチたちが
用意しますが、「王台(おうだい)」、
あるいは「王房」といわれるものです。
女王蜂は1つの王台に、1つのメスの卵を産み
つけますが、一度に王台は5,6個作ります。
赤い矢印の部分が女王蜂の
飼育部屋「王台」(写真/「浦添養蜂園」)
王台の卵が女王蜂に
3日ほどすると卵は幼虫に孵化します。
その時に女王蜂の幼虫に与えられる食事が
「ローヤルゼリー(王乳)」で。
女王蜂の幼虫は、羽化するまで
王台の中で育てられます。
一方、働きバチの卵は、王台より少し
小さな部屋に産みつけられ、女王蜂と
同じように3日で卵から幼虫になります。
幼虫になってからの3日間は働きバチも、女王蜂と
同じように、ローヤルゼリーを与えられます。
違うのはその後で、4日目からは女王蜂は
いままで通りローヤルゼリーですが、働きバチ
には花粉が多く与えられるようになること。
その結果、女王蜂はさなぎになるまでの
期間が「5日」であるのに対して
働きバチは少し多く「7日間」かかります。
さなぎから成虫になるのも同様で
女王蜂は「7日」ですが、働きバチ「12日」ほど。
「女王蜂」と「働きバチ」の違い
* 女王蜂 働きバチ
_____________________
卵〜幼虫に 3日 3日
孵化する日数
幼虫〜さなぎに 5日 6日
になる日数
さなぎ〜成虫 7日 12日
になる日数
_____________________
* 寿命 4年 1ヵ月〜4,5ヵ月程度
* (生まれた季節により異なる)
*
女王蜂と働きバチの違いを表にしてみると、このように
なりますが、同じメスの卵が「女王蜂」と「働きバチ」
に別れるのは女王蜂が次のように育てられるからです。
* 1「幼若ホルモン」が含まれる
* ローヤルゼリーを与えられる。
* 2 王台で育てられる。
オスバチの場合も、卵からさなぎになるときは
働きバチとほぼ同じようですが、働きバチ
よりも体が少し大きいせいなのでしょうか、
羽化には14日ほどかかるようです。
働きバチの仕事は次々、変化する
働きバチの寿命は一般に、30日ほどといわれますが
生まれた時期によって異なり、繁殖期である4月から
6月には、1ヶ月程度ですが、秋から冬を越す時期には
春先までの4〜5ヶ月の寿命ということです。
そして働きバチたちは、生まれてから寿命が
尽きるまでの短い期間に、こなす仕事の種類が
次々と変わっていくのも面白いところ。
羽化した働きバチが、まず最初に
するのは掃除の仕事です。
その次は幼虫の世話係で、餌を与え
たり、体を舐めてあげたりします。
女王蜂のそばにいるものは
その世話をするのも働きバチの仕事。
1週間ほど経った後は、外回りの働きバチたち
が持ち帰った、ミツや花粉を集めて花粉団子を
作ったり、巣房に蓄えたりします。
巣板、巣の壁を作るという
お家の修理も働きバチの仕事。
最後の10日が花蜜集めの仕事
「働きバチ」といって私が想像するのは、何といっても
蜜を採取するハチですが、それ以外にも巣の清掃、
幼虫の世話、女王蜂の世話、巣作り、巣の防衛
といった様々な仕事をこなしているのですね。
働きバチの一生の最後の10日ほどになると
ようやく如何にもミツバチらしい、花蜜を
集める外の仕事につくことになります。
花蜜や花粉を集めて運搬するという、危険を伴う
仕事は熟練バチの出番で、外回りをするようになった
働きバチは原則として、巣の中での仕事はしません。
ただ外敵から襲われて巣の中で働く蜂が少なくなって
しまった緊急時などには、再び幼虫の世話係なども
こなすというように、臨機応変に対応するようです。
ミツバチの春夏秋
働きバチがハチミツを作るのは、巣の群れの
維持や、幼虫の餌、また花が咲かなくなる
冬の保存食として蓄えておくためです。
花が咲き乱れる季節に外に出た働きバチたちは
500近くもの花を訪れ、蜜を集めては巣に持ち帰る
ということを繰り返し、天気がよい時は
1日に20回以上も出かけるそう。
1度に運ぶミツの量は、なんと自分の体重の半分ほど
(0,02g)から、ほぼ同じ量といいますから驚きます。
とはいえ1匹のミツバチが一生に運ぶ量は
ティースプーン1杯ほどですが。
蜜集めに忙しい季節も終わり、秋の長雨が続くと
働きバチはあまり巣の外には出られなくなりますが
それでも集めることのできるミツや花粉、プロポリス
となる木の樹脂などを集めて巣の中に備えます。
冬のミツバチは何をしている?
そしてこの季節になると、女王蜂は
産卵を徐々に控えるようになります。
ミツバチは冬に冬眠をすることはありませんが
外にはでずに巣の中にこもっています。
産卵を休止している女王蜂を中心に、働きバチたちが
体を寄せ合って蜂の球(蜂球)を作り、胸部飛翔筋
(きょうぶひしょうきん)、羽を動かさずに
振動させることにより熱を起こしています。
このため、冬でも巣の中は30度前後を保っているそう。
暖め合いながらミツバチたちは、蓄えておいたハチミツを
冬の間の食料にし、再び巡ってくる春を待ちます。
そして春になると、花からミツを採取し
ハチミツ作りに勤しみ、女王蜂はまた卵を
産み始めて、仲間を増やし始めるのです。
高度なミツバチの温度調節技術
変温動物のミツバチは、冬は固まって羽ばたく
ことにより温度を保っていますが、巣の中は
四季を通じてほぼ一定の温度だそうです。
さなぎが育てられている飼育部屋は、常に32〜35℃。
夏に温度が上昇しすぎた場合は、巣の門にいる
働きバチが風を起こして、外気を巣の中に入れます。
それだけではなく、外から水を運んで巣に
広げて、水分の帰化による温度の降下を促す
といいますから、本当に驚きますね。
オスバチの働き
こうして働きバチたちの仕事ぶりを見てきますと
それではオスバチとは何をしているのだろう?
との疑問が生じますが、オスバチの働きといえば
女王蜂と交尾をするだけということ。
本当にそれだけ?、とちょっと信じがたい思いです。
もしかしたら、まだ人がわかっていない働きもある
のではないか、などという気もしなくはありません。
ですが、とにかく現在はそういうことのようで
オスバチの「drone bee」の「drone 」とは
「のらくらもの、居候、怠け者」の意味だとか。
用が済んだとばかり邪魔にされるオスバチ
交尾を終わったオスバチは、自分の生殖器官が
体から外れて、地面に落ちて死んでしまうそうです。
この交尾時期に成功しなかったオスバチは巣に戻り
ますが、巣箱にいる必要はない存在ともいえるので
働きバチから疎まれ、羽をかじられたり、追いかけ
まわされたりと、邪魔者扱いをされるといいます。
食料の少ない冬の前にオスバチたちは
餌をもらえなくなり、働きバチたちに
よって巣から追い出されてしまいます。
いくらなんでも、ちょっとかわいそうですね。
さて次は、女王蜂についてお話をしたいの
ですが、長くなってしまいましたので
続きは次回にしましょうか。
また、見てね〜!