「蜻蛉」 溜池山王駅(南北線)アート15

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

12.6.16.tameikesann

 

 

肩衣の「蜻蛉」

溜池山王駅アート、15回目の今日の作品は「蜻蛉」。
溜池山王駅アートももう残すところ2つとなりました。

 

これは言わずと知れた狂言の装束で肩衣の模様です。
きっぱり、はっきり、蜻蛉という清々しさですが
蜻蛉といえば、あの方も気になるところ。

 

 

 

ガレの「蜻蛉」たち

そうエミール・ガレ。
エミール・ガレといえば「蜻蛉」が
頭の中に飛び交います。

 

 

東京ミッドタウンのお庭

 

 

そういえば……、と思い出したことがありました。
数年前、東京ミッドタウンにある
サントリー美術館ができて間もない頃
「ガレ展」があったのを。

 

今、調べてみましたら2008年だったそうです。
(2008年3月20日〜5月11日)
2007年にできたサントリー美術館の開館
一周年記念展と銘打った「ガレ展」でした。

 

また後援はフランス大使館、フランス
政府観光局ですが、日仏交流150周年
記念事業の一環でもあったようです。

 

その展覧会で紹介されたトンボ関係(?)
の作品を、いくつか御紹介しましょうね。

 

 

 

 

 

 

瓶「蜉蝣(カゲロウ)」

フランス、ナンシーに生まれた
エミール・ガレ(1846~1904)。

 

「ナンシーに生まれた日本人」とも
いわれたガレの作品は、多くの
日本人の心をとらえて離しません。

 

こちらは、生まれてわずか数時間の命しか
ないというカゲロウをモティーフにした花瓶。

 

 

emilegalle「蜉蝣」エミール・ガレ
(写真/「マイナビ」)

 

 

シンプルな形に、ちょっとくぐもった
ような美しい色が映えます。

 

 

 

瓶「蜻蛉——ひとりぼっちの私」

そしてこちらは蜻蛉が落下して
死に行く蜻蛉の姿を描いた瓶。
1889年の作品で「蜻蛉・ひとりぼっちの私」。

 

この瓶には
「ひとりぼっちのわたし、
ひとりぼっちでいたい」

との文字が刻まれているそうです。

 

 

galle1「蜻蛉 ひとりぼっちの私」
エミール・ガレ

 

 

とともに、
「うちふるえる蜻蛉を愛する者 これを作る
エミール・ガレ ナンシー」
との言葉も。

 

 

 

脚付き杯「蜻蛉」

最後に展示されていたのが
この脚付きの杯「蜻蛉」でした。
この作品が展示されたのは、国内外を含めて
その時の展覧会が初めてだったそうです。

 

 

galle「蜻蛉」エミール・ガレあ
(写真/「マイナビ」)

 

 

ガレが白血病で亡くなる最晩年,
入退院を繰り返していた頃に作った作品。

 

同じ作品がいくつかつくられたようで
近親者に形見として渡されていたものの一つを
サントリー美術館が手に入れたということでした。

 

 

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「行く河の流れは絶えずして……」

儚いカゲロウやトンボを美しくうつしたエミールガレ。
そしてその素材もまたガラスという壊れやすいもの。

 

儚いカゲロウやトンボが、同じように
儚いガラスで表現されている作品の数々。

 

ですが、それを儚いという私達も
結局は同じように消えて行くのです。

 

 

140829oakame-400x316

 

 

高校生の時に古典の時間に勉強した
鴨長明の『方丈記』。

 

「行く河の流れは絶えずして、
しかも、もとの水にあらず。

その主とすみかと、無常をあらそうさま、
いわば朝顔の露に異ならず。
或は露落ちて花残れリ。
残るといへども、朝日に枯れぬ。
或は花しぼみて露なお消えず。
消えずといへども、夕を待つ事なし。」

 

高校生の時から好きな言葉です。
高校生で『方丈記』が好きとは、渋い女子高生、
というよりは変な子だったのでしょうね。

 

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