カルガモの親子を見ながら…「ORIGAMI」キャピトル東急ホテル

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CapitolTokyuHotelキャピトル東急ホテル(写真/「Wikipedia」)

 

 

 

お母さんと一緒に……

今日のお話は、昨日のカルガモのシュークリーム
キャピトル東急ホテルのオリガミ(「ORIGAMI」)の
メニューにあった頃のこと。

 

最初の写真は、ザ・キャピトルホテル東急
になる前のキャピトル東急ホテルの
営業最終日の写真だそうです。

 

キャピトル東急ホテルの「ORIGAMI」
からは、親ガモの後ろについて泳いだり
歩いたりしている、それはそれは愛らしい
カルガモ親子の姿が見えました。

 

 

ザ・キャピトルホテル東急

 

 

泳いでいる時はともかく、お母さんカモの
あとをぴょこぴょこついて歩いている様は、

 

ちっちゃな足を地面におろすや否や
静電気が発生して、ピョッと飛び上がる
ような歩き方に見えます。

 

その飛ぶような歩き方で、全員が一生懸命に
お母さんガモのあとをひらすらついていく……。

 

 

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 驚くほどの優しい口調で

そんなキャピトル東急ホテルのオリガミで
間にコーヒ−をはさんで話をしている時に
相手の方がおっしゃいました。

 

「ほら、カルガモが泳いでいる、かわいいね」

 

初めて一対一でお話をすることになっ方
から思いがけないことを知らされ
私は少々、衝撃を受けていた時のことです。

 

カルガモを見るように私に促した
その方の口調は、驚くほどの優しさでした。

 

 

140627origamichocolateザ・キャピトルホテル東急の 『 ORIGAMI』

 

 

 


なぜ、反対するのでしょうか?

私は、家族に関する法律の改正を目指して
いる市民運動をしていました。

 

その法改正に賛成、反対、それぞれの立場の
国会議員のコメントが、当時の新聞にを載りました。

 

賛成の立場でコメントをしていたのは
当時、新党さきがけに所属していた
(と思う)枝野幸男衆議院議員。

 

彼の最初の言葉は、
「(法改正は)言わずもがな」
と、当然のこととして賛成していらっしゃいました。

 

 

キャピトル東急ホテル

 

 

反対の立場で新聞に登場したのが
「カルガモがかわいいね」
とおっしゃったS議員でした。

 

その頃私は、法改正に反対の立場の
議員や、そもそもその問題にあまり関心
がない議員に働きかけていたのです。

 

新聞で反対という立場でコメントをしていたS議員。
なぜS議員は反対なのだろう、
と私は少々不思議な感じも。

 

S議員の、それ以外の問題についての意見
を考え合わせると、この法改正に反対する
理由はないように思われたからです。

 

そこで私は、その市民運動の中心者と
なっている弁護士に頼んで、S議員と
話す機会をつくってもらうことにしました。

 

 

kokkai

 

 

 

一応、約束は果たしました

約束の日、S議員はなかなか現れませんでした。

 

かなり時間がたってから現れたS議員は、
遅くなったことを詫びて、自身の反対理由を
簡単に述べた後、去って行きました。

 

「これから本会議ですので」
という言葉に、逆らえるはずはありません。

 

御自分の主張を説明した後に、少々世間話をし
弁護士さんと私に議員食堂で幕の内弁当を
すすめ、本会議場に向かったのです。

 

つまり弁護士さんの顔をたてて、約束に応じて
現れ、御自分の考えをさっと説明したあとに、
幕の内弁当をふるまって本会議場に消えた、と。

 

 

 

origamiORIGAMI(写真/「ザ・キャピトルホテル東急」)

 

 

 

 再び現れたS議員

あとに残された二人で幕の内弁当を
食べている時に、弁護士さんが言いました。
「逃げられちゃったね」と。

 

「うん」と私は答えたものの、それは当然
予想できたことでしたので、私は S議員が
去る直前に用意してきた手紙を渡していました。

 

二人が幕の内弁当を食べ初めて、まださほど
時間が経っていない頃のことです。
S議員があわてて、といった感じで
議員食堂に現れました。

 

私たちがいるのを見ると、ちょっとホッと
したような表情をして言いました。

 

「本会議が始まってから、あなたから
いただいた手紙を読みました。
話したいことがあるので、今度
時間をつくって…..」と。

 

 

 

 

 

誰にも口外しないで欲しい 

そして数日後に会ったのが、カルガモ親子のいる
キャピトル東急ホテルのラウンジ、ORIGAMIでした。

 

そこでS議員は、幼い時に母親を亡くし
祖母に育てられたこと等を静かに話しだしました。

 

なぜ、S議員がその話を私にしたのかといえば
若くして亡くなった彼の母親は、まさに今回の
法改正にかかわる人でもあったからです。

 

 

現在の「ザ・キャピトルホテル東急」

 

 

その上、それだけではなく、彼の父親も同時に
提出されている法改正の当事者でもありました。

 

つまり、S議員は今回のいくつか
取り上げられている法改正の、いわば
申し子のような人だったのです。

 

そうであるのに、なぜ法改正に反対するのか……。
私は言葉が少なくなっていきました。

 

 

ザ・キャピトルホテル東急の『ORIGAMI』

 

 

「この話は、誰にも口外しないで欲しい。
◯◯さんにも」

 

と、アポイントメントを取り付けてくれた
弁護士さんにも話さないで欲しいと
S議員は言いました。

 

そして当然のことながら、私は今まで
誰にも話すことはありませんでした。

 

 

 

karugamooyako-400x266(写真/「キャピトル東急ホテル」)

 

 

 

 カルガモ親子に思いを重ねて……

その日の話の中でも充分感じられたこと
ではありましたが、その後に知ったことも
考え合わせてみますと、S議員の母親への
思いはたとえようもなく大きなものでした。

 

カルガモ親子を私に教えてくれた時のS議員の表情
が私には今でも鮮やかに浮かび上がってきます。

 

お母さんガモについてチョコチョコ
歩いているカルガモ親子を
「見てごらん、かわいいね」
と私に促した時の表情が。

 

 

 

 

実はその時私は、あまりの優しい
口調に、ちょっと驚いてもいたのです。

 

母ガモと子ガモの姿に、S議員は自らの願望や
思いを重ねていたのではないだろうか……。

 

そんなことを私が思うようになったのは
それから随分、時が経ってからのことでした。

 

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