ジャンドゥーヤって? 「ミルフィユ」横浜フランセ

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横浜フランセの「ミルフィユ」

前回、御紹介したスイスデリの「フイユオーブル」
の「フイユ」が、フランス語の「葉」という
意味でしたので葉っぱつながりで
今日は「ミルフィユ」取り上げましょう。

 

最初の写真はかなり前に頂いた
横浜フランセの「ミルフィユ」。
次の写真で左に見えるピンク色のものはキャラメルです。

 

パイの間にキャラメルクリームが挟んであり、外側は
ミルクチョコレートでコーティングしてあります。

 

 

150421millefeuilleミルフィユ 左から
キャラメルジャンドゥーヤショコラ

 

 

真ん中の白い「ミルフィユ」はジャンドゥーヤです
ヘーゼルナッツとアーモンドのクリームを
サンドしたものを、ホワイトチョコレート
でコーティングしたものです。

 

そして右の藤色のパッケージはショコラ
ココア味のパイで、カカオ風味の豊かな
チョコレートクリームをサンドしてあり
コーティングはスイートチョコレートです。

 

 

上の写真では
キャラメルジャンドゥーヤショコラ
の並び順で、下の写真ですと
ジャンドゥーヤ ショコラ  キャラメル
になります。

 

 

150421mikkefeuillesenbikiya横浜フランセのミルフィユ「ジャンドゥーヤ
ショコラ キャラメル

 

 

 

「ジャンドゥーヤ」って何?

ところで、白いパッケージの「ジャンドゥーヤ」
という名前ですが、「ジャンドゥーヤ」とは何か
といいますと、イタリア語で「gianduja」や
「gianduia」と書き、

 

焙煎したヘーゼルナッツやアーモンドなどの
ナッツ類のペーストと、チョコレートを混ぜた
イタリアのチョコレートのことだそうです。

 

とききますとジャンドゥーヤという
名前は知らなくても、今までどこかで
絶対に口にしていたはずですよね。

 

 

amondoアーモンドの実

 

 

 

ラグジュアリー製品協会の会員企業

ジャンドゥーヤを初めて作ったのは
カファレル社(CAFFAREL)です。

 

1826年、ピエール・ポール・カファレルによって
創業された、イタリアのチョコレート業界の老舗。

 

カファレル社は、イタリアのトップブランドのみが
加入できるイタリア・ラグジュアリー製品協会
(Altagamma)の会員企業でもあります。

 

 

kakaonohanaカカオの花

 

 

他のAltagamma会員企業といいますと、フェンディ、
フェラガモ、ベルサーチ、マックスマーラ、フェラーリ、
カッシーナなどで、あらあらあらというほど(?)
日本でもお馴染みの会社ばかりですね。

 

 

 

最初にアルミホイルで包んだのも

カファレル社のチョコレートは、2006年のトリノ
での冬季オリンピック大会や、世界三大オペラ座の
一つであるミラノ・スカラ座のオフィシャル
チョコレートとしても採用されています。

 

トリノ市内の名だたるカフェ、パスティッチェリーエ、
バールのほとんどのお店には、カファレル社のチョコ
レートを使用したオリジナルメニューがあるといいます。

 

 

ded48efe-sカカオの実

 

 

カファレル社のジャンドゥーヤは
古くから王侯貴族に愛されてきました。

 

現在、私たちが普通に見るアルミホイルに
包まれたチョコレートですが、これも
カファレル社が最初に始めたことだそうですよ。

 

 

ボウルいっぱいのアーモンドスライス
全部、一人で食べちゃいました!

 

 

 

ピエモンテ州ランゲ地方のヘーゼルナッツ使用

カファレル社の創業は1826年ですが
ジャンドゥーヤができたのは1852年のことでした。

 

ナポレオン政権下、戦争によるカカオ不足を
補うためカファレル社では、ヘーゼルナッツを
加えて、小舟のような形のチョコレートを作ります。
これがジャンドゥーヤ(ジャンドゥイオッティ)でした。

 

うん?、このような話を、以前もしたような……、
と思いましたら、同じイタリアはピエモンテ州の
アルバにあるフェレロの「フィレロロシェ」
でもそうでしたよね。

 

 

フィレロの「フィレロロシェ」

 

 

ただしカファレル社の「ジャンドゥーヤ」の方が
100年ほど前にできていますので、戦争による
カカオ不足というのは同じですが、別の戦争です。

 

現在も人気のジャンドゥーヤは、ピエモンテ州
ランゲ地方産の最高級品のヘーゼルナッツを28%配合し、
チョコレートの原料であるカカオ豆も、中央アメリカ
とアフリカ諸国の、選りすぐりのものを使用しています。

 

 

 

成形方式をとらず、乳化剤も不使用

こだわっているのは原材料だけではありません。
滑らかでとろけるような舌触りを楽しめるように
するために、型に入れてチョコレートを固める方法
ではなく、絞り出して形成をしています。

 

 

ヘーゼルナッツ

 

 

以前は全て人の手で絞り出していましたが
1968年からはそれを再現できる機械を開発して導入。
しかし絞り出し方法であることは変わっていません。

 

その上、多くのチョコレートには乳化、
ブルーミングを防ぐために使われている乳化剤も
ジャンドゥーヤには使われていないそうです。

 

 

 

ブルーミング現象

ブルーミング現象というのは、急激な温度差に
よって、チョコレートのココアバター成分が
表面に浮き出たのちに冷えて固まると
表面が白っぽくなってしまうことをいいます。

 

 

kakaobataココアバター

 

 

以前、私は大好きだったアーモンドチョコレートボール
を数箱、一度に購入した時に、全てのチョコレート
ボールの表面に、白っぽい円形の模様が
浮き出たようについていたことがありました。

 

これは安全面では問題はないようですが
味としてはかなり落ちてしまいます。

 

それを避けるために乳化剤が使用されるよう
ですが、カファレル社のジャンドゥーヤには
乳化剤は使用されていないとのことです。

 

 

この白いものは、ホワイトチョコレートで
包んだアーモンドチョコレートです
急激な温度差によって白い模様のような
ものは出来た時は、ホワイトチョコレート
であっても一目でわかりますよ

 

 

ということですので、保存は直射日光、
高温多湿を避けた涼しい場所(15℃〜18℃)
にした方がよさそうですね。
なお、湿度は55パーセント位が理想だとか。

 

まるで人間と一緒という気もしますが
おいしいものを頂くにはそれなりの
注意が必要なのでしょう。
チョコレートもデリケートに扱わなくてはね。

 

 

almondアーモンドの花

 

 

 

昔の名前は「ジヴー」だった!

最後に「ジャンドゥーヤ」という名前の由来を。
ジャンドゥーヤは最初「ジヴー」
という名前だったそうです。
ジヴーとはピエモンテの方言で残片を意味する言葉。

 

ところが1865年、トリノのカーニバルで
トリノ・ピエモンテ州を象徴するキャラクター
であるジャンドゥーヤが、ジヴーを紹介しました。

 

それからジヴーはジャンドゥーヤと
呼ばれるようになったそうです。

 

 

ヘーゼルナッツ

 

 

ジャンドゥーヤはお酒飲みの美食家で、歌劇の
人気キャラクターということを知って、
私は「何の歌劇だろう?」と興味をひかれて
調べてみたのですが一向にわかりません。

 

すると、私よりははるかにオペラに詳しく教養の
ある方が同じように悩まれたようで、その方の推察
ですと「コンメディア・デッラルテ」という
即興演劇の一つではないかということでした。
(「La mia Tasca-マスケロンのポケット-」)

 

16世紀中頃にイタリア北部で作られ、現在でも
上演されている即興演劇の一形態だそうで、
正確にはオベラオの前身だそう。
あ〜、すっきりして嬉しいなぁ!

 

別にわかったからといって、そのオペラなら知っている、
というわけでもないのですが、それでも一応の
答えがわかると気持ちいいものですね。

 

とすっきりとしたところで、お祝いに
おいしいミルフィユでも頂きましょうか。

 

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