スティルトン(Stilton)イギリス 世界三大ブルーチーズ3

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

160629stiltonmurakawa

 

 

エリザベス女王御用達

世界三大ブルーチーズの最後は、イギリスで
「チーズの王様」といわれるスティルトン。

 

「スティルトン、ポートワインと葉巻が
イギリス紳士のたしなみ」ともいわれるほどで
エリザベス女王も毎朝、召し上がっているチーズです。

 

かつてエリザベス女王が来日した折
「スティルトンがなければ一日が始まらない」と、
急遽、空輸便で取り寄せたという逸話が残るほど。

 

わざわざ空輸をしなくても、スティルトンは
日本にもあるでしょ?、と思いますよね?
ではでは、麻布十番近辺で探してみましょうか。

 

 

 

 

 

麻布十番のスティルトン事情

まずは輸入食品では豊富な品揃えで有名な日進
ワールドデリカテッセン  インターナショナル
スーパーマーケット
へ。

 

(〒106-0044  港区東麻布2丁目34-2
03-3583-4586 営業時間 8:30〜21:00)

 

ここのチーズ売り場は、外国のチーズ売り場
っぽいにおいもするほどで、面積もそこそこ
ありますが、スティルトンはこれ1つだけでした。

 

 

160629stilton(A)村川株式会社 日進ワールドデリカテッセン

 

 

「murakawa」との表記のみで、会社名も住所の
記載もありませんが(サイトもない)ムラカワ株式
会社(JUCOVIA GROUP)の製品のようです。

 

次に行った 「ピーコック麻布十番」
(〒106-0045 港区麻布十番2丁目9-2
03-3456-2791 営業時間 9:00 ~ 23:00)でも
下の写真左のスティルトン(B)が1種類のみ。

 

かろうじて上のスティルトン(A)と、
下の左側(B)があったのが「成城石井麻布十番店」。
(〒106-0045 港区麻布十番2丁目2−10
03-5439-6401 24時間営業)

 

 

160630stilton左(B)東京デーリー 成城石井麻布十番店
右(C)クラウソン  ボンルパ麻布十番店

 

 

そして、ワイン約2300種類、チーズ150〜200種類の
品揃えを誇る「ボンルパ麻布十番」
(〒106-0045 東京都 港区麻布十番1丁目11-1
03-3582-1590 営業時間  12:00〜23:00)は、

 

上の写真の右のスティルトン(C)が
1つという結果だったのです。

 

東京ミッドタウンのプレッセプレミアムでは
もう少しあったような記憶もあるのですが
麻布十番近辺ではこんな感じでした。

 

日進ワールドデリカテッセンなどは、ロックフォール
とゴルゴンゾーラでしたら、数十種類ずつあるの
ですが、意外にもスティルトンは1つだけで驚き。

 

 

160701上の写真のスティルトン(B)と(C)の中身
といってもあまり代わり映えはしませんが

 

 

 

クセがあるか? マイルドか?

あまりの驚きに、最後に行ったボンルパの店員さんに
「スティルトンは人気がないのですか?」
と尋ねたところ、

 

「そうですね……、少しクセがありますからね」
との答えでした。
私自身は、そうなのかなぁと思わないでもないですが。

 

スティルトンの中でも最高のものは
メルトン・モウブレイ産、ベルヴォアー渓谷産、
ハート・ウイングトン産のものといわれます。

 

エリザベス女王が、お好きなスティルトンはわかり
ませんが、現在の東京でこのような状態でので、
エリザベス女王が来日した頃は、お気に入りの
スティルトンが手に入らなかったのもしれませんね。

 

 

PDOスティルトンが指定されたPDOマーク

 

 

 

「3つの州」の「6つの酪農場」

スティルトン生産者たちの、法的な保護を
求める活動は1936年から始まっています。

 

1966年にはスティルトンは登録商標として認められ、
1996年には原産名称保護制度に指定。
(PDO=Protected designation of origin)

 

スティルトンの生産地は、ロンドンから
北に150kmのダービーシャー
ノッティンガムシャーレスターシャーの3つの州。
スティルトンを作っている酪農会社もわずかに6つです。

 

スティルトンというチーズの名前自体は
ロックフォールやゴルゴンゾーラと同様、村の名前
ではありますが、スティルトン村はケンブリッジシャー
に属し生産地として指定された地ではないため
スティルトンチーズを作ることはできません。

 

 

stiltonスティルトンの生産地
(地図/「Stilton Cheese Makers’ Association」)
ダービーシャー(Derby)黄土色の部分左上
ノッティンガムシャー(Nottingham)右上
レスターシャー(Leiceter)下
その右下Sのあたりがスティルトン(Stilton)

 

 

 

スティルトンの名前がついているわけ

スティルトン村は、ロンドンとイングランド北部の
ヨークを結ぶ、グレート・ノース・ロード
(Great North Road、現在のモータウェイA1号線)
と呼ばれる道路に沿って発展していた宿場町でした。

 

その村で「ベル・イン(Bell Inn)」という旅館を
営むクーパー・ソーンヒル(Cooper   Thornhill)は
レスターシャーの農場を訪れた時に
あるプルーチーズと出会います。

 

その味の虜になった彼は独占販売権を手に
入れ、スティルトン村で売りだしたために
スティルトンの名がついたのです。

 

ウィモンダム (Wymondham) のチーズ職人だった
フランシス・ポーレット(Frances Pawlett)は
スティルトンの製法を確立。
夫と共に生産協同組合を組織しました。

 

 

160629stiltonmurakawaスティルトンチーズ

 

 

 

ジョージ・オーウェル「世界最高のチーズ」

このようなスティルトンをソネット(詩)に
歌い上げたのは、イギリスの作家
ギルバート・ケイス・チェスタートン。

 

また1945年には、全体主義的なコワイ社会を
書いた小説『1984年』の作者でもあるジョージ・
オーウェルもエッセイの中で、スティルトンは
「世界最高のチーズ」であると記しています。

 

スティルトンがいつから作られていたのかは
正確にはわからないそうですが、古代フランス民族
といわれるケルト人が、イギリスにもたらした
のではないかといわれています。

 

 

stiltonスティルトンチーズと地図
(写真/「Colston  Bassett」)

 

 

 

中心から広がっている青カビ

スティルトンはロックフォールと同じ青カビ
(Penicillium roquefortiペニシリウム・ロック
フォルティ)を使って作りますが、

 

外側からステンレスの針を突き刺し
中心に空気を入れることで、青カビの筋が
中央から網目状に広がっていきます。

 

熟成期間は、8週間から9週間。
以前は、牛乳に生クリームを加えたものを
原料にしていたため、脂肪分は65〜75パーセント
とかなり多めでしたが、
現在は45〜55パーセント
と他のチーズと同等となっています。

 

 

 

 

 

 

水分が少ないスティルトンは、ロックフォールや
ゴルゴンゾーラに比べて、組織が緻密に繋がり
固くしまった食感が特徴です。

 

これはチェダーチーズと同じ方式で作っているためで
型入れがしっかりとしていることによります。

 

青カビの入っていないこと以外はスティルトンと同じ
作り方をする「ホワイトスティルトン」もあります。

 

 

150528rosewineシェリー酒

 

 

 

ウィスキーにも最適

スティルトンにあうお酒としては、ポートワイン、
シェリー酒、コクのある赤などといいますが
ウィスキーにもとてもあうとか。

 

保存はワックスペーパーに包んで冷蔵庫に入れて
食べる少し前に出して室温に戻してから
召し上がるとよいでしょう。
長期間保存する時は冷凍庫でも可。

 

実はスティルトンは「奇妙な夢を見る」
というおもしろいお話もあるのですが
長くなってしまいましたので、また今度ね。

 

スポンサードリンク




ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)イタリア 世界三大ブルーチーズ2

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

130816rosenthalgpleteapot

 

 

イタリアが誇るブルーチーズの傑作

世界三大ブルーチーズの2回目の今日は
イタリアの「ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)」。

 

ゴルゴンゾーラの歴史はかなり古く、どのように
誕生したのかはわからないようですが
ロックフォールがロックフォール村で作られたように
ゴルゴンゾーラもゴルゴンゾーラ村で作られました。

 

ゴルゴンゾーラ村はイタリア・ロンバルディア州の
ミラノから20キロほど離れた場所にある村です。

 

 

300px-033GorgonzolaViaSerbelloni名前の由来となったゴルゴンゾーラ

 

 

 

疲れた牛のミルクから作ったチーズ

気候のよい春から夏の間、アルプス山地で放牧されて
いた牛たちが、厳しい冬を迎える前に平野部に移動
するのが常でしたが、その牛たちの移動の通過
地点となっていたのがゴルゴンゾーラ村でした。

 

10世紀頃、牛を休ませてもらうお礼として
牧夫は村人に牛乳を提供しました。

 

 

 

 

そうしてできた「ストラッキーノ・ディ・
ゴルゴンゾーラ(stracchino di Gorgonzola) 」が
村をチーズの産地として有名にしたのです。

 

「ストラッキーノ(Stracchino)」とは、ロンバル
ディア語で「疲れている」という意味ですが、
長い道中で疲れた牛たちのミルクで作ったチーズが
柔らかくておいしかったというのもおもしろいですね。

 

「ディ・ゴルゴンゾーラ」とつくのは、ゴルゴンゾーラ
以外の場所でもストラッキーノチーズを作っていたので
「ゴルゴンゾーラで作ったストラッキーノ」というわけ。

 

 

140202gorgonzolaup「ゴルゴンゾーラ(ピカンテ)」

 

 

 

発祥の地としていくつかの町が名乗りを上げる

ある時、村のチーズ職人が恋にうつつを抜かして
仕事をさぼったことにより、結果的にブルーチーズ
が出来上がったというのは、ロックフォールと
同じような逸話といえましょう。

 

ゴルゴンゾーラ村はミラノに近いこともあり
住宅が多く建ち、都市化が進んだために
チーズ作りは周辺の町に移って行きました。

 

現在はゴルゴンゾーラは、ピエモンテ州(Regione
Piemonte)とロンバルティア州(Regione
Lombardia)の特定の地域で作られています。

 

次の地図では左の緑色の部分がピエモンテ州で、
右の赤い部分がロンバルティア州。
ゴルゴンゾーラ村は、ロンバルティア州
の中間あたりに位置します。

 

 

italy現在のゴルゴンゾーラ生産地
ピエモンテ州  ロンバルティア州

 

 

発祥の地ということからゴルゴンゾーラ村では
フェスティバルなどをしているようですが、

 

ゴルゴンゾーラ村以外にも、パストゥーロを
はじめとする、いくつかの町が発祥の地を
主張しているということです。

 

発祥の地に関しては正確なことはわかっていない
ようですが、現在の生産地については、1996年
6月12日、イタリアの原産地名称保護制度 (DOP
:Denominazione d´Origine Protetta )を取得して
いますので、法律的に生産地域が限定されています。

 

 

140224gorugonzorarosentjalmagisflute青カビが作る「ゴルゴンゾーラ」の大理石模様

 

 

 

大理石模様は青カビの成長跡

牛乳から作ったチーズのもととなるカード(curd)に
青カビ(Penicillium glaucum)とカードと交互に重ねて
作るゴルゴンゾーラは、チーズの表面ではなく、内側から
筋状の青カビが走り断面は大理石のような模様になります。

 

青カビが熟成するためには空気が必要なため
熟成の1週間後からチーズに穴を開けて、青カビ
が外側に向かって均一に成長するようにします。

 

ゴルゴンゾーラの青カビの筋というのは
製造時の穴というわけですね。

 

ゴルゴンゾーラは、直径が30センチ、高さ20センチ、
重さは12キログラムの円筒形をしています。
1年中手に入れることは出来ますが、旬は11月から2月頃。

 

 

130816gorugonzora「ゴルゴンゾーラ」1キログラム

 

 

 

最高の健康食品

大理石と見紛うゴルゴンゾーラの青カビの筋
について、栄養士のニコーラ・ソレンティーノ
さんはこう説明しています。

 

「多くの人がきっと知らないと思いますが、
それは(青カビ)非常に消化に良いということです」と。

 

私には意外に思えましたが、ゴルゴンゾーラは他の
チーズに比べて脂肪分の割合は決して高くないそうです。

 

 

 

 

同じ量のトリもも肉や、子牛のフィレ肉よりも
コレステロール値も低く、野菜と組み合わせれば
メインディッシュにもなるとのこと。

 

またゴルゴンゾーラは、トリプル発酵を
行っているので、グルテンと乳酸が含まれず
乳糖不耐症の人でも大丈夫な上、

 

神経系の働きと免疫を助けるビタミンB2、B6、
B12を多く含まれる最高の健康食品だということです。
(「consorzio Gorgonzola、ゴルゴンゾーラ保護協会」)

 

 

140202gorgonzola「ゴルゴンゾーラ(ピカンテ)」

 

 

 

ゴルゴンゾーラの皮は食べる? 食べない?

まだ同じサイトにはちょっと面白いこともでていました。
それはゴルゴンゾーラの皮は食べていいのか?、
いけないのか?、ということについて。

 

これは食べても残しても、お好きなように
と書いてあることが多いです。

 

ところがゴルゴンゾーラ保護協会の「公式発表(?)」
によりますと「食べないで下さい」ということのよう。

 

 

 

 

これに関しては、業界や消費者の間で長い間
意見が対立していて、昔から皮も食べたり
お料理の調味料として利用することもありました。

 

ですが現在、酪農業会においては外側の皮は、「チーズ
を保護するための容器」という扱いをしているようです。

 

熟成期間や輸送中に汚染されることは避けがたいので
容器である皮を取り除いた方が健康によいということ
ですが、まあそれはそうであろうと納得ですね。

 

 

140202gorgonzola400「ドルチェ」と「ピカンテ」は見かけでは違いがわかりませんね

 

 

 

「ピカンテ」と「ドルチェ」の2種類がある

ゴルゴンゾーラには、
青カビが多く熟成が長い、ぎゅっと締まった
辛みの強い「ピカンテ( piccante、イタリア語で
「辛い」の意味)と、

 

青カビが少なく熟成も短い、クリーミーで
ほんのりミルクの甘みが残る
「ドルチェ(dolce、イタリア語で「穏やか」の意味)」
の2種類があります。

 

 

 

 

 

楽しみ方は色々

ゴルゴンゾーラは、世界三大ブルーチーズの
中でも、一番マイルドともいわれています。
青カビをしっかと味わいたいという方には
勿論、ピカンテがお勧め。

 

ピカンテはそのままでも、あるいはリゾットや
ゴルゴンゾーラソースを作るなど、パスタやお料理
にも最適のチーズで、ブルーチーズの特徴として
熱を通すことにより刺激も和らぎます。

 

私としては超々意外に思えるのですが、長い間、
ドルチェの方がピカンテより圧倒的な人気だったそう!
それが最近ではピカンテの需要が急増
していると知り、こちらも納得。

 

 

 

 

ピカンテには、中程度の赤ワインや
甘口の白ワインが合うそうです。

 

ワインのことはよくわかりませんが、ドルチェには
ハチミツやジャム、ドライフルーツと一緒に
デザートのような感覚で頂くのは愉しいですね。

 

スポンサードリンク




ロックフォール(Roquefort)フランス 世界三大ブルーチーズ1

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

160211roquefort

 

 

お皿の左が右のお手本となったロックフォール

青カビで作られているブルチーズを食べても
大丈夫な理由は、体に害のないカビを使って
いるからということが前回のお話でした。

 

冒頭の写真のお皿にのっているチーズは、共に
ブルーチーズですが、青カビが多く見える左側が

 

フランスの「ロックフォール」(東京ミッド
タウンのプレッセプレミアムで購入)で、

 

右はデンマークの「ダナブルー」(麻布十番の
日進ワールドデリカテッセンで買ったもの)。

 

 

160211danishblueダニッシュ・ブルー

 

 

右のダナブルーは、フランスのロックフォールを
お手本としてデンマークが作ったチーズです。
「『ダナブルー』はフランスの『ロックフォール』
のデンマーク版」

 

最初は「ダニッシュ・ロックフォール」という名
前だったそうですが、フランスから「ロックフォール」
という名称は使っちゃダメ、といわれて
「ダニッシュ・ブルー(ダナブルー)」となりました。

 

 

 

ロックフォールは無殺菌の羊のミルク

ダナブルーはロックフォールをお手本
に作ったチーズではありますが
両者には大きな違いが2つあります。

 

それは、ロックフォールが羊のミルクから作られて
いるのに対して、ダナブルーは牛のミルクから
作られていることと、ロックフォールのミルクは
無殺菌で、ダナブルーは殺菌していることです。

 

フランスの「ロックフォール」——無殺菌のミルク
デンマークの「ダナブルー」 ——殺菌したのミルク

 

 

 

「チーズの皇帝」

ロックフォールはフランスのロックフォール村で
作られ「チーズの王」、あるいは「チーズの皇帝」
ともいわれるフランス最古のチーズの一つで、
歴代のフランス王にも愛されてきたチーズです。

 

世界では60種類ほどブルーチーズがありますが
有名なもの多くはフランスで作られ、なかでも
ロックフォールは最高峰に位置するもの。

 

1441年、シャルル6世は、ロックフォール村の人々が
ロックフォールを独占的に作ることを許可する
「熟成独占販売協定書」に署名しました。

 

シャルル7世の時代は紛い物が出回ったために
それを罰する法律が出来たほど
ロックフォールは人気があったといいます。

 

 

20090807-1249632735AOPのマーク

 

 

 

初のAOC認定チーズ

また1925年には、フランス初の
A.O.C.チーズにもなっています。

 

「AOC」とは、農産物や酪農品、ワインなどの
原材料等を厳しい基準で考慮し、品質を保証
するためにフランスが与える認定です。

 

AOC  (Appelation d’ Origine Controlee、
アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ )」
           =「原産地統制名称」

 

この呼び名は何度か変化していて、2009年5月から
「AOC」は「AOP」と名前を変えています。

 

AOP(Appellation d’ Origine Protegee、
アペラシオン・ド・リジーヌ・プロテジー)」
           =「原産地名称保護」

 

フランスでは500種類以上のチーズが作られて
いるそうですが、AOPの認定を受けている
チーズは現在、42種類。

 

ロックフォールが一番最初に認定されたそうですよ。
「『AOC』『AOP』『DOP』とは?」

 

 

130618hurumudaberutizu400こちらもAOP認定チーズ「フルム・ダンベール(fourme d’ambert)」

 

 

 

ロックフォール村

ロックフォールはパリから南に650キロほどの
フランス、アヴェロン県にある人口、700人程度
のロックフォール村の洞窟内で作られます。

 

ロックフォール村のある一帯は、今まで
「ラングドック=ルシヨン=ミディ=ピレネー
(Languedoc-Roussillon-Midi-Pyrénées)」
という名前でしたが、

 

今年、2016年1月1日に、かつての
「ラングドック=ルシヨン地域圏」と
「ミディ=ピレネー地域圏」が統合。

 

来月、2016年7月1日からは、統合後の新しい名前
である「ラングドック=ルシヨン=ピレネー」
と呼ばれるようになるそうです。

 

 

Languedoc-Roussillon-Midi-Pyrénées_region_locator_map.svgローックフォール村のあるフランス
ラングドック=ルシヨン=ピレネー(赤い部分)

 

 

 

山崩れが作った洞窟

地図の赤い部分(ラングドック=ルシヨン=
ピレネー)の真ん中の上あたりに、アヴェロン県
ロックフォール=シュル=スールゾン村
(Roquefort-sur-Soulzon))があります。

 

アヴェロン県といえば『ファーブル昆虫記』で
有名なアンリ・ファーブルの出身地でもあります。

 

ロックフォール村の南側にあるコンバルー
(combalou)山は、有史以前に3度の崩落があり
その結果北側には洞窟ができました。

 

石灰石でできたこの洞窟がロックフォールを作る
のに、重要な役目を果たすことになったのです。

 

 

10-3ロックフォール村のコンバルー山(写真/「食い道を行く」)

 

 

 

洞窟が生み出すロックフォール

数千年前に、洞窟の中に羊飼いがたまたま置き忘れた
チーズとパンが、ブルーチーズになったというお話が
残っているそうですが、まあ、これはお話で
本当のところはわからないそうです。

 

石灰岩の洞窟の中にたくさん存在している
「フルリーヌ」と呼ばれる亀裂が、通風孔の役目を
果たして湿度や温度(一年を通し9℃)を一定に保ち、
ロックフォールの熟成に最適な環境を生み出しました。

 

洞窟ができるもととなったコンバルー山は、頂上が
平坦で牧場があり、羊もいるそうですが、山の端が
持ち上がるような形をしていることから「鞍
(コンバロ、combalou)」という名前がついています。

 

 

fururinujpg洞窟の亀裂(フルリーヌ)
(写真/「チーズ専門店アルバージュ」)

 

 

 

原料は栄養価の高い羊のミルク

ロックフォールの原料となる羊の乳は
ロックフォール村があるアヴィロン県をはじめ
周辺の指定された数県で搾乳したミルクを
使用することが義務づけられています。

 

主に、細い顔と水平の耳を持つ
ラカウネ種という羊の乳が使われます。

 

現在の私たちの感覚ではチーズといえば、まず牛が
思い浮かびますが、紀元前5千年頃に中近東で最初に
乳用動物として利用されたのはヤギで、その次が羊、
牛が利用されるようになったのはずっと後のことだそう。

 

羊のミルクは牛乳に比べると、たんぱく質、脂肪、
ビタミン、ミネラル等が牛乳の1.5〜2倍も含まれて
いる優れたものですが、これを温め青カビと
レンネット(凝乳酵素)を加えて出来るのが
チーズのもととなるカード。

 

 

kado130909_20130909162228f09チーズのカード

 

 

 

洞窟内で熟成

このカードに青カビと塩を加えて型に詰め
熟成を待ちますが、その時に使用する青カビは
前回、お話ししたように「ペニシリウム・
ロックフォルティ、Penicillium roqueforti)

が使われます。

 

現在では工場で人口培養したものも使われる
ようですが本来は、コンバルー山の洞窟の
中に、大麦と小麦で作った10kgものパンを
1〜2カ月放置して出来た青カビを使用します。

 

青カビをつけたものは再び洞窟内に運ばれて
最低で3カ月、通常は4カ月、長いものですと
9カ月間熟成をさせます。

 

熟成4週間後には、青カビの繁殖を
抑制するため錫箔で包んで空気を遮断。

 

カビと乳酸菌の発酵速度がそれぞれの洞窟の条件に
よって異なるため、洞窟によってロックフォールの
味が微妙に変化するということです。

 

 

160211roquefortパピヨン社の「ロックフォール」(左)

 

 

 

パピヨン社のオーガニックロックフォール

今日、御紹介のパピヨン社(PAPILLO)は、
シェアは10パーセントと多くはないものの
プロが好む本格派のロックフォールを
作る会社として知られています。

 

オーガニックロックフォールとは、原料のミルクを
搾乳する羊の飼育状態が「なるべく屋外で飼育」され
たもので、「最低でも95パーセントはオーガニック
認証を取得した飼料を与える」という基準のこと。

 

パピヨン社はこの条件以外にも、世界最大の第三者
有機栽培認定機関で、オーガニック認定団体の
世界基準といわれる「ECOCERT(エコセール)」や
農薬・化学肥料・殺虫剤・除草剤を使用していない
無農薬有機栽培の証明である「AB
(Agriculture Biologique)マーク」を取得しています。

 

 

t02000070_0200007012255277316「エコセール」(左)と「ABマーク」(右)

 

 

 

保存は丁寧に

パピヨン社のオーガニックロックフォールは
オーガニックらしい上品さをそなえながらも
青カビがもらたすピリピリ感が強いことが特徴。

 

洞窟によって味が違うこともさること
ながら各社、製法も異なる上、職人さんの
腕によっても味が異なるといいます。

 

パピヨン社のオーガニックロックフォールに
最適な飲物としては、甘口の白や軽めの果実味
の赤がおすすめということですが、もちろん
定番のハチミツと一緒に味わうのもOK。

 

なお保存は、光が苦手なロックフォールですので
アルミホイルに包んでからラップをかけ
冷蔵庫の野菜室に入れるのがよいそうです。

 

とはいえ私はそんなに丁寧にしてはいませんが……。
「どんな風に?」、と聞かれても
とてもお答えできないほど(!)です。

 

スポンサードリンク