信じることって「力」なの?

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信じることって「力」なの?

ネットショップに限ったことではありませんが
たいていのことは、根底に「信頼」があって
初めて成り立っている
というお話を数日前に
させていただいたことがあります。

 

私たちは普通、何かをするその度ごとに
信頼云々などとは考えないで行動を起こします。

 

ですがよく考えてみれば、それは無意識のうちに
相手の人を信じているからこそなのですよね。

 

 

 

 

そしてまれに、その信頼が裏切られてしまった
時は驚いたり、悲しんだり、怒ったり……。

 

私たちは、基本的に相手を信じていて、また相手
の方もその信頼に足る反応をしているのです。
幸せなことに。

 

以前、心理学に関する講義を受けていたことが
あるのですが、私はその講義を聞いている時に
「?」と思うことがしばしばありました。

 

 

 

 

「そうかなぁ……?」
と先生のおっしゃったことに疑問を感じるのです。
すぐには納得できなくてね。

 

ですが半年、一年と時が過ぎ行くうちに
なるほど、そういうことだったのかと。

 

そんなことの一つに「信じる力」
という言葉がありました。
信じるのに力なんて必要なの?、と。

 

しかし、これも時ともに理解することが
できるようになりました。

 

 

 

 

 

マンションを「買います」「買いません」

私の知り合いが40代の後半に、東京の土地を売って
都心からそんなに遠くない別荘地に、プライベート
ビーチつきのマンションを買いました。

 

別荘としてではなく、夫を亡くした彼女は
その地に暮らすつもりで購入したのです。

 

そのマンションを探している時に、私に
一緒に見に行ってほしいというので
家に興味のある私は快諾しました。

 

 

 

 

見に行く約束の直前に彼女から電話がきました。
何かに怒っているようで、マンションの
購入は止めたというのです。

 

それは大手の不動産会社の物件でした。
見に行くのを止めるほど怒る理由は
私には全く理解できませんでした。

 

しかし購入するのは私ではなく彼女。
彼女がその物件を嫌になったと
いうのならば仕方がありません。

 

 

 

 

と言ってからそんなに日も経たないうちに
彼女は、やっぱり購入したいと思っているので
一緒に見に行ってくれないか、と言ってきました。

 

彼女との間には、このようなことがそれ以前にも
何度も繰り返されていたのです。
その時、私はようやく「No」を言うことができました。

 

その数年経った後後に、彼女は
その時のことを話してくれました。

 

 

 

 

その話によりますと、彼女が最初に
見に行くのをキャンセルした後で
別の人がその物件の契約をしたそうです。

 

その契約を知った後、彼女はそのマンション
がどうしても欲しくなりました。

 

彼女は東京にかなり大きな土地をもっていた
こともあり、年末ジャンボの前後賞を合わせた
額よりも、多くの資金があったのです。

 

 

 

 

彼女が2度目に欲しいと言い出した時は
既に契約済みだったので、物件の代金とは別に
契約を破棄するために数千万円の支払いが
必要だったとのことでした。

 

 

 

「信じられない」から「不安」が生じる

彼女はそのようなことを人生の中で
度々繰り返していたのです。

 

私には怒っているように見えたものは
「怒り」ではなく、彼女の「不安」でした。

 

そのマンションを購入することに彼女のなかで
何らかの不安が生じると、それが傍目には
怒っているように見えるのが常でした。

 

 

 

 

何故、不安が生じたのかといえば
それは、相手を信じられなくなったから。

 

何年もの彼女との付き合いで私はそのあたりの
ことが、ようやくわかるようになりました。
結局、彼女は「信じる力」が足りない人でした。

 

不信を招く何かがわかったために
相手が信じられなくなる、というわけでも
なく、何となく不安に駆られてやめてしまう。

 

 

 

 

それが物品の購入でしたらキャンセルするのです。
ところがきちんとした根拠のある不安
ではありませんからまた、欲しくなるのです。

 

最初から気に入っていた物件でしたので、
それがみすみす人手に渡ってしまうと思うと
残念でなりません。

 

結局、数千万円を余計に払ってでも
という、無駄なことをするのが常でした。

 

 

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私には考えられない額の損失ですが、それでも
まだ、金銭ですむことならばよいのでしょう。

 

もっと根本的な、大切な問題さえも
彼女はそのような対応をしてしまうようでした。

 

距離をもって離れていると気の毒な人だとは
思うのですが、そばで振り回されている人々は
かなり大変そうにも見えます。

 

 

 

 

とはいえ、以前ご紹介した「オレオレ詐欺
(ロドリゲス戦法)」
のようないかがわしい話でも
何でも信じてしまうのは「信じる力」ではなく
また別の問題ですがね。

 

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双方の信頼で成り立つネットショップ 「本物」「ニセモノ」14

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 「デコポン」さんから来たメール

前回は、柑橘類の「デコポン」のお話をしました
が以前、ローゼンタール〈魔笛〉のショップに
「デコポン」という名前でお問い合わせの
メールをいただいたことがありました。

 

「デコポン」さんは東京にお住まいのようでしたが
自分はアナログ人間なのでネットショップでの
注文は苦手だと書いていらっしゃいました。

 

ですから、ローゼンタール〈魔笛〉のネット
ショップ「アプリ」に注文をするのではなく
実際に品物を見みてみたいとのことでした。

 

 

 

 

指定の場所にティーカップを持ってきて
もらうことは可能でしょうか、という御依頼。

 

その方のお知り合いの方が、ネット
ショップで購入した食器がニセモノだった
という経験をされたのだそうです。

 

そんなこともあり、実際に見て本物と
わかったら購入したいということでした。

 

 

 

 

そのような御依頼は初めてのこと
でしたので、私は少々戸惑いました。

 

ショップ作りを共に学んだ同期生に
相談してみたところ、答えてくれた
全員が「断るように」との回答でした。

 

なかには、そのようなお客様の御依頼が
あった時には丁寧に説明してお断りをした、
という人もいました。

 

 

 

 

 

「ウソ」を書いて売っているショップも…

確かにネットショップの中には、

 

「ローゼンタール〈魔笛〉は現在、作られて
いないので、この食器を手に入れることは
難しいです」

とか、

「現在、ローゼンタール〈魔笛〉は
作られていないので、この食器は幻の逸品です」

 

というウソを平気で書いて「激レア商品」
「入手困難」等々煽って中古品をヤフオク等で
売っているオンラインショップも多々あります。

 

(上記のお店は、ネットショップだけ
ではなく、実店舗を都内で50年近く
営業しているお店でもあります)

 

 

 

 

「デコポン」さんのお友達のように
送られてきたものがニセモノだったり、
箱のないリジェクト品という可能性も
ゼロとはいえないでしょう。

 

(リジェクト品というのは、
作った工場で「1級品」と認められずに
はねられた「2級品」のことです)

 

 

 

お客さんの側の「ウソ」も……

また、これは実際の知り合いの話では
ないのですが、ネットショップをして
いる方がこんな経験を書いていました。

 

 

 

 

有名ブランドのバッグを扱っているショップ
の方なのですが、そのネットショップで購入
した人から「届いたバッグがニセモノだった」
というクレームがきたそうです。

 

ショップのオーナーは、バッグは
本物だと自信がありますので、

 

「そうお思いでしたら、『◯◯』という
真贋を鑑定するお店がありますので
そのお店で見てもらってはいかがですか?」
という返事をしました。

 

 

 

 

しばらくしますと、そのお客さんから連絡が
きて、「『◯◯』でみてもらいましたが
やはりニセモノでした」とのこと。

 

ショップのオーナーは、そんなはずはない
と思いつつも、お客さんにその品物を返品
するよう依頼し、バッグの代金を返金しました。

 

返品されてきたバッグを見て、驚いたそうです。
そのバッグは、ショップから送られたもの
ではなく、ニセモノのバッグだったからです。

 

 

 

 

「本物(!)のニセモノのバッグ」
だった、とわけのわからない
文章になってしまいましたが、

 

つまり、そのショップのオーナーは
「本物のバッグ」をお客さんに送りましたが
お客さんはすでに持っていた「そのバッグの
ニセモノ」を鑑定に出したというわけです。

 

その後、ショップに鑑定に出した方
のニセモノのバッグを返品して
支払った代金も返金してもらったのです。

 

この場合は、完全にお客さんの
側の悪質な詐欺行為です。
ネットショップの側の詐欺行為もあれば
お客さんの側の詐欺行為もあるというわけですね。

 

 

 

 

 

お互いの「信じる心」 

ネットショップは、といいますか他のこと
でもそうなのだと思いますが、何事も双方
の信頼があって初めて成立するものです。
逆に言えば、信頼関係がないと成り立ちません。

 

ほとんどの人は、詐欺行為など
はせずに誠実に対応しています。

ですがほんの一握りの悪いことをする
オンラインショップや、お客さんも
いることは残念ながら事実です。

 

 

 

 

そうそう、先ほどの「デコポン」さんという
お客様の御依頼のことですが、私は今回だけは
お受けすることにして、今後はそのような
御依頼はお断りをすることにしました。

 

とは決めましたが「デコポン」さんと、
何度ものメールのやり取りをしているうちに
結局、お断りすることになってしまったのです。

 

 

 

信じてくださるお客様に感謝を! 

お断りをすることになったのは
「デコポン」さんと待ち合わせ
の約束をしたときのことです。

 

 

 

 

「デコポン」さんが指定したのは新宿のカフェ。
「目印としてグッチのバッグを持って行く」とだけ
しか書いてなかったので、名前と連絡先を教えて
頂きたい、と私はお願いしました。

 

ところが「デコポン」さんの返事は、
「会ったこともない人には、教えられない」
とのことでしたので、申し訳ありませんが
お断りをすることにしました。

 

確かに、一度も会ったこともない人に
住所氏名を教えることに、ためらう
気持ちはわからないでもありません。

 

 

 

 

ただ、万が一、指定された新宿のカフェに
行く直前や、途中で事故等があり、時間に
行けない状態になるかもしれません。

 

また悪く考えれば、グッチのバックを持った人
というだけの情報で指定された新宿のカフェに
行っても、「デコポン」さんが現れない
ということさえあり得ることです。

 

もちろん、「デコポン」さんが住所等を教えて
くれたとしても、それが本当のものか否かは
わかりません。

 

ではあっても私は、それを信じて
出かけるつもりでいたのですが。

 

 

140416dogokazabu麻布十番にある「ドッグカフェ」

 

 

結局「デコポン」さんは、ネットショップでの
お買い物には向かない方だったのだと思います。

 

そう考えますと、初めてのネットショップを
信頼してくださるお客様の存在は
本当に心から有り難く思います。

 

その信頼におこたえすることの
できるショップでありたい
と改めて思わずにいられません。

 

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