「有栖川公園(有栖川宮記念公園)」と「都立中央図書館」

「あぷりのお茶会 赤坂・麻布・六本木」へようこそ!

 

160602arisugawakoenhanashobu

 

 

満開のハナショウブ(花菖蒲)

一月程前のことになりますが、涼しい風が吹き抜ける
晴れた日に、有栖川公園にハナショウブ
(花菖蒲)を見に行ってきました。

 

(「有栖川宮記念公園
〒106-0047 港区南麻布5丁目7-29
Tel.03-3441-9642)

 

「有栖川公園」は前回、御紹介した
ナショナル麻布スーパーマーケットと
道路を隔てて向かい側にあります。

 

この地図の左側の真ん中辺に見える緑色の
三角形の場所が有栖川公園で、左下の()が
ナショナル麻布スーパーマーケット。

 

 

arisugawa三角形の黄緑色が「有栖川公園」 がナショナル麻布

 

 

ナショナル麻布に面している所が、有栖川公園の入口と
なっていますが、それを写したのが次の写真です。

 

この写真は人のいない時を狙って写しましたが
実際は、ショボン玉で遊んでいる子や、
ザリガニつりをしている子どもたちなどなど
たくさんの人がいて本当に愉しそうでしたよ。

 

 

160602arisugawakouen「有栖川公園」の入口

 

 

 

一年を通して様々な動植物がお出迎え

67,131.11平方メートルという面積の有栖川公園では
四季折々、美しい花が咲き乱れ、アヒルやカモ
といった鳥や虫などの生き物がいっぱい。

 

この日はハナショウブが満開で
アジサイも見頃といった感じでした。
有栖川公園は、春はウメやスイセン、サクラは
もちろんのこと、ハナミズキもきれいです。

 

ハナミズキは麻布十番商店街の街路樹としても
植えられていますが、ハナミズキは港区の
「区の花」だからということもあるのでしょうか。

 

 

160602arisugawakoenhanashobuハナショウブの後ろに見えるのは石造りの橋「有栖川公園」

 

 

秋はイチョウやモミジというように、どの季節も
美しい木々が迎えてくれますが、中でもサクラは
ソメイヨシノにヤマザクラなど、全部で11種類も
あるそうですので、探してみるのも愉しいですね。

 

 

 

有栖川宮家→高松宮家→有栖川宮公園

「有栖川宮記念公園(ありすがわのみやきねん
こうえん)」の「有栖川」とは、1896(明治29)年、

 

霞ヶ関にあった有栖川宮威仁(ありすがわのみや
たけひと)親王の栽仁(たねひと)王の邸宅の
代替地がこの場所だったことによるものです。

 

栽仁(たねひと)親王の生母で、有栖川宮威仁
(たけひと)親王の側室であった森則子の住居等も
ありましたが、後に、有栖川家は断絶。

 

 

 

 

1913(大正2)年には、大正天皇は第三皇子・
光宮宣仁(てるのみやのぶひと)親王に
「有栖川宮」の旧称である「高松宮」の称号を
賜り、ここは高松宮御用地となりました。

 

そして1934(昭和9)年1月5日、高松宮殿下は、
有栖川宮没後20年目に35,325平方メートル
(11,000坪)を東京市に賜与。

 

東京市が整備を行った後の11月、
有栖川宮記念公園となったのです。

 

 

160602arisugawakoen山奥のような気さえする「有栖川公園」

 

 

また、1973(昭和48)年には、隣接する31.235平方
メートルが、公園に編入され現在の大きさとなり
1975(昭和50)年には、東京都から港区に
移管して区立公園となりました。

 

高台の広場には「有栖川宮騎馬像」、「新聞少年の像」、
「笛吹き少年蔵」の3つの像の他に、子どもたちが
遊ぶことの出来るブランコや、滑り台、ジ
ャングルジムや砂場などもあります。

 

東側(地図ですと右)が高く、西南側(左と下)は
低地という、赤坂、麻布の特徴である
高低の差がある地形の有栖川公園。

 

その起伏に富んだ地形を活かして丘や渓谷、
滝や池などが林泉式といわれる日本古来の
美しい庭園を作り出しています。

 

 

1607toritutyuotoshokan有栖川公園に併設されている都立中央図書館(有栖川図書館)

 

 

 

図書館も併設

実際の大きさ以上の広さを感じ、一瞬山奥に
いるような気がするほどの有栖川公園ですが
実はもう一つ特筆すべきことがあります。

 

それは先ほどのナショナル麻布の向かい側にあたる
公園入口とは反対の東側に、図書館があること。
(「都立中央図書館」Tel.03-3442-8451)

 

 

arisugawa三角形の黄緑色が「有栖川公園」
ナショナル麻布()のある方が「有栖川公園」の入口
が都立中央図書館(有栖川図書館)の入口

 

 

都立中央図書館が正式名称ですが
有栖川図書館と呼ぶ人が多いよう。
蔵書数は、国内の公立図書館では最大級
の約180万册も所蔵しています。

 

ただし公開している書架は、そのうちの
35万冊ということで、これは新しいものを
中心に置いてあるのだそうです。

 

徒歩15分位で行けたら、毎週でも行ってみたい
図書館ですが、うちからはちょっと遠いのが残念。

 

 

こちらは赤坂の「南部坂」

 

 

 

浅野家  →  南部家  →  有栖川宮家

もう一つ、忘れてはいけないことがあります。
それは1896(明治29)年に
有栖川宮邸が造られる以前のこと。

 

江戸時代はこの場所は、現在の岩手県中部から
青森県東部にかけての地域を治めていた
盛岡藩南部家の江戸の下屋敷でした。

 

南部家の江戸の主たる江戸藩邸である上屋敷は
外桜田にあり、中屋敷は鉄砲洲にありましたが
中屋敷は後に品川大崎村に移転。

 

藩の大小により中屋敷がない藩もありますが
盛岡藩は大きな藩でしたので、それ以外にも
蔵屋敷を柴田町にもっていたようです。

 

 

nanbuzaka2上の右にある 南部家→浅野家 ピンク色が赤坂の「南部坂」
下の左にある 浅野家→南部家 ピンク色が麻布の「南部坂」

 

 

というわけで有栖川公園のあるこの場所は、盛岡藩
南部家の下屋敷があった場所ではありますが、それは
1656(明暦2)年に、ここに南部家が移って来てからの
ことであって、それ以前は赤坂に下屋敷がありました。

 

盛岡藩南部家がこの地にくる前はあったのは
赤穂藩浅野家の下屋敷。

 

以前、赤坂の南部坂をとりあげた時にも書きましたが
麻布にあった浅野家と、赤坂にあった南部家の
屋敷の場所を交換(相対替)したからです。

 

(「忠臣蔵の『南部坂雪の別れ』はフィクション
『南部坂』赤坂の坂10」
)

 

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