「花びら餅」のゴボウは、鮎に見立てたもの 

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お正月のお菓子「花びら餅(菱葩餅)」

お正月だけに巡り会えるお菓子「花びら餅」。
「花びら餅」は正しくは「菱葩餅
(ひしはなびらもち)」といいます。
長寿や健康を願い、お正月に食べるお菓子。

 

御覧のようにぴゅーっと、ゴボウが
両端から飛び出していますね。
白味噌のあんを、甘く煮たゴボウと
一緒にお餅や求肥で包んでいます。

 

「花びら餅」は、普通の和菓子に比べると
甘みが抑えめな感じがして私は好きです。

 

 

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明治の初期から作られるように

「花びら餅」が、全国の和菓子屋さんで
作られるようになったのは明治の初め頃。

 

一説には、裏千家11代家元である玄々斎宗室が
京都の「御粽司 川端道喜」に、茶道の年始の
茶会、初釜に用いるお菓子として注文したこと
が始まりだともいわれています。

 

「御粽司  川端道喜(おんちまきし  かわばたどうき)」
といえば、粽で有名なお店ですが「川端道喜」では
「花びら餅」を「御菱葩(おんひしはなびら)」
と呼んでいます。

 

 

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「歯固めの儀式」のお雑煮

「御粽司  川端道喜」は、1869年、明治2年の
東京遷都までの約400年にわたり
宮中に雑煮を納めていました。

 

宮中では平安時代から、新年に「歯固めの儀式」
が行われていて、その宮中雑煮が
「花びら餅」の原型といわれているもの。

 

長寿を願って、猪、大根、塩漬けの鮎(押し鮎)
などの硬いものを、お餅で包んだ宮中雑煮
(菱葩)はおせち料理の一つでした。

 

 

 

押し鮎

鮎は「年魚」とも書き、一年で成長する縁起の
良い魚ということで、塩漬けにし重石をしたものを
お正月の祝い膳にのせたそうです。
ということから「押し鮎」の季語は「新年(春)」。

 

『土佐日記』にも、旅の途中、人々が
元旦に押し鮎を食べる既述があります。

 

その鮨鮎の写真を探したのですが、見つかりませんね。
現在では作られていないのでしょうか。
そこで、感じだけでもということで、こちらを。

 

 

osiayuzusi鮎鮨(写真/柿の葉寿司「平宗」)

 

 

この写真は柿の葉寿司の鮎寿司ですので、鮎の下
には酢飯がありますが、「鮎寿司」ではなく
「鮨鮎」というのは、御飯はないと思われます。

 

「押し鮎」は、鮨鮎の尾頭を切り取った
ものだそうですので、尾と頭をとると
いうと、こんな感じでしょうか?

 

 

osiayu鮎鮨(写真/「ぎふの旅ガイド」)

 

 

尾と頭を取ると、確かにゴボウに似ています。

 

また「花びら餅」は、丸餅(求肥)と白味噌の
組み合わせですので、これはまさに京都のお雑煮。

 

「花びら餅」に入っているゴボウは塩漬けの
鮎(押し鮎)を、白味噌あんはお雑煮に
見立てている、ということなのですね。

 

 

150114akasakaaononahabiranochi花びら餅(菱葩餅) 赤坂「青野」

 

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